目先は「1.08NZドル」割れ成否がポイントに
【注目ポイント】「1.08000NZドル」を下抜けブレークするか否か
【シナリオ①】同レート割れなら、「1.07000NZドル」付近までの下落を想定
【シナリオ②】同レートで下値サポートなら、「1.09200NZドル」付近までの戻りも
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「1.07000~1.09200NZドル」
【シーズナル分析】9月に「天井圏」を付けやすい傾向・パターンあり
先月29日に直近安値となる「1.07968NZドル」を付けた後、200日MA(移動平均線)を挟んで往って来いの値動きとなっている豪ドル/NZドル。
図1の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MAが右肩下がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の下方にあること、3) ローソク足の上方に赤色雲(=先行スパン、抵抗帯)およびパラボリック・SARがあること、そして4) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなり、ADXが右肩上がりになっている(図1青色点線丸印)ことから、現在の豪ドル/NZドル・日足チャートは、下降トレンドを示すチャート形状であると判断します。
その他メルクマールでは、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・-1σラインと同・-2σラインの間で推移する“下降バンドウォーク”となっていること、さらにはⅱ) BB・±2σラインが拡張する“エクスパンション”が示現していることを加味すると、今後の豪ドル/NZドルはトリガー次第ではさらに下値を切り下げる可能性も。
そんな中、注目すべきポイントは・・・上述した直近安値水準であり、心理的な節目でもある「1.08000NZドル」(図1黄色矢印および黒色線)を下抜けブレークするか否か。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
この先、「1.08000NZドル」を終値ベースで下抜けブレークした場合は、「心理的な節目割れ」→「もう一段の下値切り下げ」のトリガーとなりそうです。当該ケースでは、「下降バンドウォークの継続」や「(BB・±2σラインの拡張である)エクスパンションの進展」、また「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、3月12日以来となる「1.07000NZドル」(図1Ⓑ水色線)付近までの下落を想定すべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「1.08000NZドル」割れ不達(=下値サポート)となった場合は、「下値固め」→「下降バンドウォーク崩れ」→「戻り(上昇)フロー」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンのローソク足への近接」や「SARの買いサインへの転換」、また「-DI>+DIの乖離縮小」なども伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MAをメドとする「1.09200NZドル」(図1Ⓐ赤色線)付近までの戻りを想定すべきでしょう。ただし、現状では赤色雲が厚い形状(=強い上値抵抗帯)となっていることから、上値余地は限定的となりそうです。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下の豪ドル/NZドルは上値の重い相場付きが継続する中、当面※は「1.07000~1.09200NZドル」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
豪ドル/NZドルのシーズナル分析について
豪ドル/NZドルのトレンド分析をする上で、季節的な傾向・パターン、クセについて見ていきたいと思います。過去20年間(04年1月-23年12月)のデータを集約した豪ドル/NZドルのシーズナル・チャート(図2)をご覧ください。(出所:Equity Clock)
図2より、豪ドル/NZドルでは以下のような傾向・パターン、クセを確認することが可能です。
⑴ 年初1月から5月にかけてブル(強気)になりやすい。
⑵ 6月から8月にかけてレンジ(中立、往って来い)になりやすい。
⑶ 9月(図2赤色四角枠)から年末12月にかけてベア(弱気)になりやすい。
上記⑴~⑶を概括すると、データ的には豪ドル/NZドルは時季において比較的一方向かつシンプルな相場付きになりやすいという仮説を立てることが可能です。
上記⑶について確認するために、豪ドル/NZドルの14年以降の月足チャートを以下で確認してみましょう。
『9月天井』となる確率は8割!
図3にある14年以降10年間のスパンにおいて、9月に概ね「天井圏」※と見られる動きになったケースは10回中8回(図3黄色矢印)、発生確率は.800となっています。(※9月以降に高値をオーバーシュートしたケースが見られるものの、年末までのスパンでは下落相場が示現していることから「天井圏」と表現しています。)
上記ケースについては、14年以降10年間におけるデータであって、24年9月以降も必ず当てはまるというものではありませんが、豪ドル/NZドルにおける今後のトレード方針の一つとしてご参考にしていただければ幸いです。
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