上値抵抗帯を上抜けブレークするか
【注目ポイント】「91.000円」を上抜けブレークするか否か
【シナリオ①】同レート超えなら、「95.000円」付近までの上昇を想定
【シナリオ②】同レートで上値抑制なら、「86.000円」付近までの下落を想定
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「86.000~95.000円」
【トレード・アイデア】『8月末買い、12月末売り』
8月5日、いわゆる“植田ショック”時に直近安値となる「82.987円」を付けた後、徐々に上値を切り上げる展開となっているNZドル/円。この先、もう一段の上値トライとなるのでしょうか。
図1の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりになりつつあること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態(図1黄色丸印)になっていること、3) ローソク足が赤色雲(=先行スパン、抵抗帯)の中で推移していること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で+DIと-DIが収斂し、ADXが右肩下がりでの推移(図1赤色点線丸印)になっていることから、現在のNZドル/円・日足チャートは、上下圧力が拮抗するレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。
その他メルクマールでは、BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが拡張する“エクスパンション”になりつつあることを加味すると、足もとのNZドル/円はトリガー次第ではトレンドのモメンタム(勢い)が強まる可能性も。
そんな中、喫緊の注目ポイントは・・・赤色雲の上辺である先行2スパンをメドとする「91.000円」(図1黄色矢印および黒色線)を上抜けブレークするか否か。同水準については、直近高安レート(高値:98.991円[7/10]、安値:82.987円[8/5])を結ぶFR(フィボナッチ・リトレースメント)・50.0%ライン、いわゆる“半値戻し”水準と近似値であることから、今後のNZドル/円にとって重要な“分水嶺(ぶんすいれい)”となり得そうです。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
今後、「91.000円」を終値ベースで上抜けブレークした場合は、「上値抵抗帯突破」→「もう一段の上値切り上げ」へのトリガーとなる可能性も。当該ケースでは、「遅行スパンの“好転”示現」や「200日MA(≒92.100円)超え」、また「+DI>-DIへの変化」なども伴いながら、心理的な節目である「95.000円」(図1Ⓐ赤色線)付近までの上昇を想定すべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「91.000円」付近で上値を抑制された場合は、「上値抵抗圧力の強まり」→「下押し」となりそうです。当該ケースでは、「SARの売りサインへの転換」や「(約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す)21日MA(≒88.900円)割れ」、また「+DIと-DIの絡み合い継続」なども伴いながら、BB・-2σラインをメドとする「86.000円」(図1Ⓑ水色線)付近までの下落を想定すべきでしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下のNZドル/円はもう一段の上値追いを模索する相場付きとなる中、当面※は「86.000~95.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
NZドル/円の『8月末買い、12月末売り』戦略について
他方、NZドル/円の今後のトレンド観測をする上で着目したいのが・・・シーズナル・サイクル。以下、過去20年間(04年1月-23年12月)のデータを集約したNZドル/円のシーズナル・チャートをご覧ください。(出所:Equity Clock)
図2より、NZドル/円では以下のような季節的な傾向・パターン、クセを確認することができます。
⑴ 7月中旬から8月末にかけてはベア(弱気)になりやすい。
⑵ 8月末ないしは9月上旬(図2赤色四角枠)にかけてボトムを形成しやすい。
⑶ ⑵の後、12月末にかけてブル(強気)主体の展開になりやすい。
上記⑴~⑶を概括した上で、NZドル/円を仮に「8月末の終値で買い」、「12月末の終値で売る」という、『8月末買い、12月末売り』を仕掛けた場合の成績は以下の通りです。(※当該期間でのプラスリターンを「勝ち、○」、マイナスリターンを「負け、×」としています。スワップ等は考慮せず。)
NZドル/円の『8月末買い、12月末売り』の過去成績は?
図3より、NZドル/円の『8月末買い、12月末売り』における過去10年(14年-23年)の勝敗(勝率)は「9勝1敗」(.900)、過去20年(04年-23年)の勝敗(勝率)は「17勝3敗」(.850)となっています。
上記成績および勝率については、あくまで過去の事象・データであるため、以後も必ずその通りになるものではありませんが、「相場は確率の高そうな方にbetする」という考えの下、今後のトレードのご参考にしていただければ幸いです。
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