GMOフィナンシャルHD、暗号資産事業は堅調もタイ証券事業の貸倒引当金繰入額計上で減益 全力で債権回収を推進
タイ証券事業|貸倒引当金繰入額の追加計上・特別損失の計上
石村富隆氏:本日はお忙しい中、決算説明会にご参加いただき誠にありがとうございます。代表執行役社長の石村です。2024年12月期第2四半期の決算についてご説明します。
タイ証券事業の貸倒引当金繰入額の追加計上・特別損失の計上です。第2四半期に大きな繰り入れがありましたので、ご報告します。4月から6月の貸倒引当金繰入額の追加計上は45億円となりました。
理由はスライドに記載のとおり、信用取引サービスの提供に際して、お客さまから担保として差し入れを受けている複数の代用有価証券及び不良債権化した貸付金の担保株式の株価が大幅に下落しました。個別に債権の回収可能性を検討し、回収不能見込額を45億円計上しています。
スライド右側の特別損失も計上しており、4月から6月で1億7,000万円という金額になっています。理由は、以前タイの子会社が債権額を確定させるために取得した担保株式の時価が、取得価額に比べて著しく下落したため、減損処理による投資有価証券評価損を計上しています。
2024年6月末現在の保有株残高は約1億8,000万円になっています。
タイ証券事業|信用取引・不良債権残高の推移
タイ証券事業の信用取引・不良債権残高の推移です。大きな方針として、2024年12月に信用取引サービスを終了することを決定しています。終了に向けて、債権回収を全力で推進していく所存です。
残高については、スライドのグラフのとおりです。2022年12月期第3四半期にピークになった頃から、今は不良債権残高が158億2,000万円、信用取引貸付金残高が228億3,000万円となっています。
スライド右側にブレイクダウンを記載していますが、不良債権に係る残余リスクとしては、不良債権に関して担保が一部ありますが、この中で担保による保全額34億5,000万円が最大のリスク額となります。なお、すでに引き当てている金額は123億7,000万円です。
信用取引サービスに係るリスクについて、信用取引貸付金残高は、6月末現在で228億3,000万円となっています。こちらに関しては、これまでと同様なのですが、代用有価証券の株価がさらに下落するなど、回収不能額が見込まれる信用取引貸付金が発生した場合には、ここからさらに引き当てを計上する可能性があります。
タイ証券事業|重点課題と対応
タイ証券事業の重点課題と対応についてです。引き続き、訴訟対応などを含めて全力で債権回収を図っていきます。
リスク低減においては、信用取引の新規買付の全面停止をはじめ、信用リスク低減に向けた信用取引残高圧縮の取り組みを進めています。こちらは取引約款上、期限の定めがない貸付となっており、この制約から強制力のある対応に限界があることから、今回解決を図るために、信用取引サービス自体を2024年12月に終了すると決めて、お客さまにも通知しています。
サービス終了までに返済が実現しない顧客については、個別に約定弁済契約等への切り替えや強制決済による回収を図っていくという方針です。
ここ数年、タイの証券事業は決算に影響していますが、信用取引サービスは今期で終了し、今後はあらゆる観点から最善策を検討していきます。
Q2’24(1-6月)|決算サマリー(前年同期比)
1月から6月の決算サマリー、前年同期比です。営業収益は前年同期比で微減となっていますが、タイ証券事業での貸倒引当金繰入額がありましたので、減益となっています。
Q2’24(1-6月)|セグメント別の状況(前年同期比)
セグメント別の状況です。証券・FX事業に関しては、前年同期比で、営業収益は13.3パーセント減、営業利益は57.8パーセント減となっています。
暗号資産事業に関しては、前年同期比で、営業収益は133.2パーセント増、営業利益は前年同期のマイナスから今期はプラスとなりました。
Q2’24(1-6月)|営業利益増減(前年同期比)
営業利益の増減です。スライドをご覧のとおり、CFDと暗号資産は好調に推移する一方、FXの大幅減収と貸倒引当金繰入額の追加計上により減益となっています。
株主還元|配当
続きまして株主さまへの配当、株主還元についてです。目標として、連結配当性向を50パーセント以上と設定していますが、第2四半期に関しては1株当たり2円の配当を実施します。
Q2’24(4-6月)|マーケット環境
第2四半期のマーケットの環境です。スライド左側のグラフは、個人株式等委託売買代金の推移を示しています。第2四半期は第1四半期に比べてやや減っていますが、前年同期比ではプラスとなりました。
スライド中央のグラフは、国内の店頭FX取引高の推移を示しています。高水準を維持しており、前四半期比で6.0パーセント増、前年同期比で19.1パーセント増となっています。
国内の暗号資産売買代金に関しては、スライド右側のグラフをご覧のとおりです。第2四半期の数字は4月、5月の売買代金の合計額で、第1四半期に比べて多少減っています。全体的にも減少しているかと考えています。ここに6月分を加えても、おそらく前年同期より少ないかと思います。
Q2’24(4-6月)|決算サマリー(前四半期比)
第2四半期の決算サマリーです。第1四半期との比較になります。タイ証券事業に係る貸倒引当金繰入額及び特別損失計上で減益での着地となりました。
営業収益に関しては、3億8,500万円増です。ただし、営業利益のところで貸倒引当金繰入額が大きく影響し、86.4パーセント減となりました。最終利益は、144.3パーセント減で着地しています。
Q2’24(4-6月)|セグメント別の状況(前四半期比)
セグメント別の状況です。証券・FX事業に関しては、第1四半期と比べて、営業収益はプラスで着地しています。営業利益に関しては、タイ証券事業の貸倒引当金繰入額の計上によりマイナス7,200百万円となりました。
暗号資産事業に関しては、営業収益は第1四半期から少し減り、20.8パーセント減となりました。それに伴い、営業利益も前四半期比33.6パーセント減で着地しています。
Q2’24(4-6月)|営業利益増減(前四半期比)
第2四半期の営業利益増減は、ご覧のスライドのとおりです。貸倒引当金繰入額の追加計上が大きく影響し、このようなかたちで着地となりました。
四半期業績推移|営業収益(セグメント別/商品別)
営業収益に関しては、セグメント別でご覧いただくと、スライドのグラフのとおりとなっています。前四半期比で3.0パーセント増、前年同期比で0.6パーセント減と横ばいで推移しています。
四半期業績推移|営業利益
四半期の業績推移です。営業利益を取り出しています。
前四半期から減少し、86.4パーセント減となりました。こちらは先ほどお伝えしたとおり、貸倒引当金繰入額が影響しています。前年同期比も同様の理由で減少しています。
四半期業績推移|販売費及び一般管理費
販管費及び一般管理費に関しては、ご覧のとおりです。前四半期比51.5パーセント増で、その他の大部分が貸倒引当金繰入額なのですが、グラフの一番上の部分が大きく増えています。前年と比べても増えている状況です。
2024年12月期第3四半期の見通しは約79億円で、貸倒引当金繰入額以外のコストに関しては、基本的にはあまり増減なく、横ばいに推移しています。
店頭FX|国内取引高シェアの推移
事業の状況です。店頭FXの国内取引高シェアの推移をグラフで示しています。取引高シェアは20パーセント前後で安定的に推移しています。
GMOクリック証券、GMO外貨、GMOコインのFX取引を合計した金額を棒グラフで表しており、2024年6月のシェアは19.2パーセントとなっています。
店頭FX|預り証拠金残高の推移
店頭FXの預り証拠金残高の推移です。こちらも、前年同期比3パーセント増と安定的に推移しています。
CFD|売買代金・収益の推移
CFDの売買代金・収益の推移です。青色の棒グラフが売買代金で、収益がオレンジ色の線グラフです。収益は売買代金とほぼ連動しており、売買代金は前年同期比10.9パーセント増、収益は前年同期比33.2パーセント増と、売買代金・収益ともに増加しています。
CFD|預り証拠金残高の推移
CFDの預り証拠金残高の推移です。こちらは前年同期比で減少しているものの、前四半期比では微増となり、マーケットの影響もあって、ここに関しては横ばいに推移しています。
国内株式|株式委託手数料・委託手数料率の推移
国内株式の委託手数料・委託手数料率の推移です。青色の棒グラフが株式委託手数料です。株式委託手数料率に関してもオレンジ色の線グラフのとおりです。前年同期比では売買代金が減少し、委託手数料も減少しています。
国内株式|金融収支の推移
信用取引などにかかる金融収支の推移です。こちらに関しては、やや増加していまして、前年同期比3.7パーセント増となっています。
暗号資産|売買代金の推移
暗号資産の売買代金の推移です。本年に入り、取引高が昨年よりやや戻りつつあり、前年同期比99.6パーセント増となっています。ビットコインを中心とする暗号資産価格の上昇や、ビットコインのETF承認などにより、多少マーケットに勢いがついている状況です。
暗号資産|口座数と預り残高の推移
暗号資産の口座数と預り残高の推移です。スライドのグラフをご覧のとおり、基本的には右肩上がりで顧客数も増え、口座数も増えています。
暗号資産|セグメント収益・利益の推移
暗号資産のセグメント収益・利益の推移です。ビットコインを中心とする暗号資産価格の上昇に伴い、売買代金・収益ともに復調基調で推移していますが、直近ではやや減少しています。
スライド左側のグラフが収益の推移です。基本的には、売買代金と収益の推移が連動していて、第1四半期に比べて第2四半期は取引高がわずかに少ないため収益が減少しており、利益面の減少についてもスライド右側のグラフからおわかりいただけるかと思います。
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