メキシコ選挙結果を受けた動きとは言え・・・相対的にやや下げ過ぎ?
【注目ポイント①】他の対円通貨ペアとの乖離、相対的な出遅れ感
【注目ポイント②】「8.820円」を上抜けブレークするか否か
【シナリオ①】同レート超えなら、「9.500円」付近までの戻り(上昇)も視野に
【シナリオ②】同レートで上値抑制なら、「8.080円」付近までの下落を想定
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「8.080~9.500円」
メキシコペソ/円が、足もとにおいてじり高基調が継続しています。もう一段の上値切り上げとなるのでしょうか。
本題に入る前に、24年1月を起点とする対円通貨の指数チャートを見ると、ここもと他の対円通貨が堅調に推移する中、メキシコペソ/円(上図黄色矢印)に関しては相対的な出遅れ感が見て取れます。6月初めのメキシコ選挙結果を受けた動きとは言え、日銀による追加利上げ観測が後ずれするなど、足もとで円を買い進んでいく材料がやや乏しい中、メキシコペソ/円と他の対円通貨との乖離は徐々に縮小するのでは?と筆者は考えます。
メキシコ国内の政治的な動きには引き続き要注意!
そんな中、メキシコペソ/円の日足チャートの各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩下がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の下方にあること、3) ローソク足が赤色雲(=先行スパン、抵抗帯)の中で推移していること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で-DI>+DIの乖離がやや縮小し、ADXが高位置での横這い推移になりつつある(上図青色点線丸印)ことから、現在のメキシコペソ/円・日足チャートは、「下降トレンド一服」→「戻りの時間帯/局面」を示すチャート形状であると判断します。
その他メルクマールでは、BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが収縮する“スクイーズ”となりつつあることを合わせると、足もとにおけるメキシコペソ/円はトレンドの転換に向けて相場の力を結集する時間帯/局面と捉えることも可能です。
上記を踏まえた上で、目先注目すべきポイントは・・・赤色雲の上辺である先行2スパンをメドとする「8.820円」(上図黄色矢印および黒色線)を上抜けブレークするか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「8.820円」を終値ベースで上抜けブレークした場合は、「上値抵抗帯突破」→「もう一段の上値追い」のトリガーとなり得そうです。当該ケースでは、「遅行スパンのローソク足への近接」や「(心理的な節目である)9.000円超え」、また「+DI>-DIへの変化」なども伴いながら、BB・+2σラインをメドとする「9.500円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの戻り(上昇)も視野に入れるべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「8.820円」手前水準で上値を抑制された場合は、「上値抵抗圧力の増大」→「下落フロー」となる可能性も。当該ケースでは、「BB・-1σライン(≒8.430円)割れ」や「SARの売りサインへの転換」、また「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、BB・-2σラインをメドとする「8.080円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落を想定すべきでしょう。改めて、メキシコ国内における憲法改正に向けた動きなど、政治的な材料の出現によっては十分あり得るため、注意が必要でしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下のメキシコペソ/円は依然として上値の重い相場付きが想定される中、当面※は「8.080~9.500円」のやや広めのレンジを“主戦場”(コアレンジ)として捉えた方が良さそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
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