【IRアナリストレポート】アステナホールディングス(8095)

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最新投稿日時:2024/05/14 10:54 - 「【IRアナリストレポート】アステナホールディングス(8095)」(みんかぶ株式コラム)

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【IRアナリストレポート】アステナホールディングス(8095)

著者:鈴木 行生
投稿:2024/05/14 10:54

~医薬・ヘルスケア、ファインケミカルへ事業変革が本格化~

【ポイント】
・今2024年11月期の1Qの業績は急回復をみせた。ファインケミカル事業、HBC・食品事業、医薬事業、化学品事業の4事業がいずれも好転している。これを受けて上期の業績計画は上方修正されたが、通期の計画はまだ据え置いている。為替、エネルギー価格など不確定要素はあるが、業績は大きく好転しよう。回復のピッチは早まっている。

・アステナホールディングスのトップが、岩城氏から瀬戸口氏(前副社長)に交代した。ガバナンスを強化して、事業の執行に全力投入しつつ、創業家からの脱皮を図る狙いがある。岩城氏は、スペラファーマを軸とするファインケミカル事業と医薬事業を率いて、収益の回復を図る意向である。M&A後のPMIで、成果が期待できよう。

・3ヵ年の中期計画は毎年ローリングしていく。今回は3年後の2026年11月期で、営業利益30億円、ROE 7.4%を目指す。スペラファーマをコアに、医薬品の開発製造受託(CDMO)では、塗り薬に加えて注射剤分野へ展開する。ここがリード役となろう。半導体・電子部品関連の表面処理薬品は、半導体関連が動き出しており好転しよう。

・中長期ビジョンAstena 2030“Diversify for Tomorrow.”では、①医薬品・ヘルスケアでのプラットフォーム戦略、②塗り薬や表面処理薬品でのニッチトップ戦略、③ファンドを活用したソーシャルインパクト戦略を推進する。これまでのM&Aを軸とした投資額は全体で約110億円、のれんの償却を入れても営業利益の拡大余地は大きい。

・抗がん剤向けなどの高活性原薬や中間体などAPI(有効成分)分野の強化、CMC研究開発受託事業の拡大、パワー半導体分野での新しい表面処理薬品、製品の企画開発に強みを持つ化粧品分野の広がりなどをリード役に、事業投資が活発化している。一方で、採算の低い一般用医薬品の卸からは撤退した。これらを含めて、商社から研究開発型製造機能へのシフトを進めており、製造比率は7割を超えている。

・まずは過去のピーク利益水準に戻す計画であるが、これは十分達成できよう。ビジネスモデルの変革に、新規需要が乗ってくれば、回復のピッチが早まろう。PBR1.0倍が実現できる市場開拓の進展と業績の向上に注目したい。

目次
1.特色 医薬品、医薬品原料、化学品で製造機能を強化
2.強み スペラファーマ買収を機に持株会社化を推進
3.中期経営計画 10年ビジョンで収益力の向上を目指す
4.当面の業績 先行投資の谷間を経て回復ピッチ早まる
5.企業評価 ビジネスモデルの変革に期待

アステナホールディングス <8095>
企業レーティング
株価
(2024年5月13日)
497円
時価総額 204億円
(40.88百万株)
PBR 0.69倍
ROE 3.5%
PER 19.6倍
配当利回り 3.6%
総資本 65912百万円
純資産 28731百万円
自己資本比率 43.3%
BPS 722.5円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2016.11 55121 977 1071 8 0.3 6.0
2017.11 57387 1571 1778 1241 37.9 7.5
2018.11 60083 1849 2000 1414 43.8 10.5
2019.11 61647 2121 2318 1533 47.0 13.0
2020.11 65341 2035 1968 1983 60.3 16.0
2021.11 72322 2233 2420 1736 46.9 18.0
2022.11 49636 819 887 579 14.6 18.0
2023.11 51984 1127 1363 1162 29.5 18.0
2024.11(予) 56000 1650 1650 1000 25.3 18.0
2025.11(予) 60000 2300 2300 1350 34.2 18.0
2026.11(予) 64000 3000 3000 1900 48.1 18.0

(2024.2ベース)

(注)(予)はアナリスト予想。ROE、PER、配当利回りは2024.11期予想ベース。

企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/asutenaHD202405.pdf

(開示)日本ベル投資研究所は、事業変革に関する実態と手続きの詳細を分析するために、当社株式10000株を少数株主として中長期的に所有している。〔アナリストレポートの原則についてはこちら

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配信元: みんかぶ株式コラム

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