為替介入は時間の問題・・・?
【注目ポイント】「155.000円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「156.470円」超えを模索する動き
【シナリオ②-1】同レート割れなら、「153.730円」付近までの下押し
【シナリオ②-2】「153.730円」割れなら、「150.000円」付近までの下落フローを想定
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「153.730~156.470円」
【注目材料】日銀金融政策決定会合と植田総裁会見、本邦当局の為替介入
本邦当局による為替介入が引き続き警戒される中、米ドル/円は25日(昨日)、一時「155.699円」まで上昇。「(心理的な節目である)155.000円超えが当局による為替介入実施のデッドライン」との思惑も一部である中、市場は“チャレンジング(挑戦的)”を通り越して、むしろ“高を括った”かのような値動きとなっています。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日および200日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方にあること、3) ローソク足の下方に青色雲(=先行スパン、サポート帯)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなり、ADXが再度右肩上がりでの推移(上図赤色点線丸印)になりつつあることから、現在の米ドル/円・日足チャートは、上昇トレンド継続を示すチャート形状であると判断します。
加えて、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間で推移する“上昇バンドウォーク”が継続していること、さらにはⅱ) BB・±2σラインが拡張する“エクスパンション”となっていることを合わせると、今後の米ドル/円はもう一段の上値切り上げとなる可能性も。
そんな中、足もとで注目すべきポイントは・・・BB・+1σラインをメドとし、上述した心理的な節目である「155.000円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「155.000円」で下値サポートされた場合は、「上昇バンドウォークの継続」→「もう一段の上値トライ」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンのさらなる上放れ」や「SARの買いサイン継続」、また「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、BB・+2σラインをメドとする「156.470円」(上図Ⓐ赤色線)超えを模索する動きとなりそうです。この場合は、上述した本邦当局による為替介入(=米ドル売り、円買い)実施の可能性がさらに高まりそうです。
[シナリオ②-1]
一方で、「155.000円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「上昇バンドウォーク崩れ」→「下押し」となりそうです。当該ケースでは、「SARの売りサインへの転換」や「先行1スパン(≒153.950円)割れ」、また「+DI>-DIの乖離縮小」なども伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MAをメドとする「153.730円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下押しとなりそうです。ただし、現状では青色雲が分厚い形状(=強い下値サポート帯)となっていることから、下値余地は限定的となりそうです。
[シナリオ②-2]
仮に、「153.730円」を割り込む動きとなった場合は、「遅行スパンのローソク足への近接」や「(青色雲の下辺である)先行2スパン(≒151.000円)割れ」、また「+DI>-DIのさらなる乖離縮小」なども伴いながら、BB・-2σラインをメドとする「150.000円」(上図Ⓑ’紫色線)付近までの下落フローを想定すべきでしょう。
上記シナリオ①および②(1、2)を概括すると、現下の米ドル/円は下値しっかりかつさらなる上値切り上げを模索する中、当面※は「153.730~156.470円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
他方、上述した本邦当局による為替介入が実施されたケース(その規模にもよりますが・・・)のみならず、本日正午頃に発表される日銀金融政策決定会合の結果や同午後3時30分からの植田日銀総裁会見の中で、早期金融引き締めに関するヒントや思惑が市場にとって“サプライズ”となり得た場合は、上記[シナリオ②-2]で記載した「150.000円」付近までの下落フロー(瞬間風速的な動きも含めて)もテクニカル理論上は“あり得る水準”として見るべきでしょう。
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