[資源・新興国通貨3/11~15のポイント&注目通貨] トルコリラ/円は一段と下落する可能性も

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最新投稿日時:2024/03/11 12:47 - 「[資源・新興国通貨3/11~15のポイント&注目通貨] トルコリラ/円は一段と下落する可能性も」(八代和也)

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[資源・新興国通貨3/11~15のポイント&注目通貨] トルコリラ/円は一段と下落する可能性も

著者:八代和也
投稿:2024/03/11 12:47

今週のポイント

今週(3/11- )は、豪州やNZ、カナダの経済指標の発表は少なく、豪ドルやNZドル、カナダドルの独自材料は乏しい状況です。豪ドル/円やNZドル/円、カナダドル/円などのクロス円は円の材料に、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドル、米ドル/カナダドルは米ドルの材料に影響を受けやすいと考えられます。

日銀が3月18-19日の金融政策決定会合で金融政策を修正する(マイナス金利の解除など)との観測が、市場で強まっています。その観測が一段と強まる場合、円が堅調に推移してクロス円には下押し圧力が加わりやすくなるかもしれません。

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)が6月に利下げを行うとの見方が有力です。CPI(消費者物価指数)など米国の経済指標で利下げ観測が強まれば、豪ドル/米ドルとNZドル/米ドルは底堅く推移し、一方で米ドル/カナダドルは上値が重い展開になりそうです。

日本や米国など主要国の株価の動向も材料になる可能性があります。株価が軟調に推移する場合、リスクオン(リスク選好)の動きが後退するかもしれません。リスクオンが後退することは、円にとってプラスになると考えられます。

***
トルコリラが8日に対米ドルや対円で史上最安値を更新しました。足もとでトルコリラ安圧力が強まっており、その主な要因として“TCMB(トルコ中銀)の利上げはインフレの抑制に不十分”と市場が見ていることが挙げられます。

TCMBは23年6月から24年1月まで合計36.50%の利上げを行った後、前回2月の会合では政策金利を45.00%に据え置きました。一方で、トルコではインフレ圧力が強まっており、2月のCPI(消費者物価指数)は前年比67.07%と、前月の64.86%から上昇率が加速し、22年11月以来1年3カ月ぶりの高い伸びを記録しました。

トルコでは3月31日に地方選が行われます。“TCMBは地方選前の21日の会合では政策金利を据え置いて、その次の4月25日に利上げする”との観測が市場にはあります。TCMBは今後利上げへと動くのかどうかに注目です。市場では、TCMBに利上げを催促する動き(さらなるトルコリラ売り)になる可能性があります。

今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.06500NZドル~1.08000NZドル>

豪ドル/NZドルは3月8日に一時1.07399NZドルへと上昇し、1月31日以来の高値をつけました。

足もとの豪ドル/NZドル上昇の主な要因として、一部で浮上していた2月28日のRBNZ(NZ中銀)の政策会合での利上げが実現しなかったうえ、RBNZが政策金利のピーク水準の見通しを23年11月時点の5.69%から5.60%へと引き下げたことが挙げられます。

今週(3/11- )は、豪州とNZの主要な経済指標の発表はありません。2月のRBNZ会合の結果が引き続き市場で意識される可能性があり、その場合には豪ドル/NZドルは上値を試す展開になりそうです。豪ドル/NZドルは、200日移動平均線(11日時点時点で1.07931NZドル)が上値メドです。

今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.33500カナダドル~1.36000カナダドル>

BOC(カナダ中銀)は、3月6日の政策会合で政策金利を5.00%に据え置くことを決定しました。据え置きは5会合連続です。

BOCの声明におけるインフレに関する見解などやマックレム総裁の発言を見ると、政策金利は次回4月10日の会合でも据え置かれそうです。

声明では、「シェルター価格のインフレ率は依然として高止まりしており、インフレの最大の要因になっている」とし、「基調的なインフレ圧力は持続している」との見方が示されました。また、マックレム総裁は会合後の会見で、「政策金利を据え置く必要があるということは、理事会内の明確なコンセンサスで
あった」と述べ、「利下げを検討するのは時期尚早だ」と語りました。

BOC会合を受けて利下げ観測が市場で後退。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む4月の会合での利下げの確率は、会合前の4割強から足もとでは3割程度へと低下しました。利下げ観測の後退は、カナダドルにとってプラスと考えられます。

今週の米ドル/カナダドルは、米ドルの材料に影響を受けやすい地合いになりそうです。今週は、米国のCPI(消費者物価指数。12日)、PPI(生産者物価指数)や小売売上高(14日)などが発表されます。市場では、FRBが6月に利下げを行うとの見方が有力です(3月19-20日、4月30日-5月1日のFOMCでは、政策金利の据え置きを予想)。CPIなどがFRBの利下げ観測を強めるような内容になれば、米ドルが軟調に推移して、米ドル/カナダドルは下値を試す展開になりそう。米ドル/カナダドルの下値メドとして、1.33565カナダドル(1/31安値)が挙げられます。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想

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