[資源・新興国通貨3/4~8のポイント&注目通貨] カナダ中銀会合に注目、市場の金融政策見通しに変化は?

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最新投稿日時:2024/03/04 12:14 - 「[資源・新興国通貨3/4~8のポイント&注目通貨] カナダ中銀会合に注目、市場の金融政策見通しに変化は?」(八代和也)

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[資源・新興国通貨3/4~8のポイント&注目通貨] カナダ中銀会合に注目、市場の金融政策見通しに変化は?

著者:八代和也
投稿:2024/03/04 12:14

今週のポイント

市場では、FRBが6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを行うとの見方が有力です。OIS(翌日物金利スワップ)によれば、1日時点で市場が織り込む利下げの確率は、次回3月19-20日のFOMCで4%、4月30日-5月1日までで27%、6月11-12日までで94%です。

パウエルFRB議長が6-7日に議会で証言し、8日には米国の2月雇用統計が発表されます。それらを受けてFRBの利下げ観測が後退する場合、米ドルが全般的に堅調に推移して、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルには下落圧力が加わりそうです。

米ドル/カナダドルについては、6日のBOC(カナダ中銀)の政策会合も材料になりそうです。政策金利は5.00%に据え置かれるとみられ、その通りになればBOCの声明の内容に注目です。

前回1月会合時の声明では、「(カナダ経済は)緩やかな供給過剰の状態にあるように見える」、「依然としてインフレ見通しに対するリスク、特に基調的なインフレの持続を懸念している」、「コアインフレのさらなる持続的な緩和を望んでいる」などとされました。BOCは6月に利下げを行うとの見方が市場では有力です。声明の内容を受けて利下げ観測がどのように変化するかに注目です。

日本や米国など主要国の株価動向にも目を向ける必要がありそうです。主要国の株価が堅調に推移すれば、リスクオン(リスク選好)の動きが強まるとともに、円が軟調に推移して、豪ドル/円やNZドル/円は上値を試す展開になる可能性があります。

今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.06000NZドル~1.08000NZドル>

RBNZ(NZ中銀)は2月28日の政策会合で、政策金利を5.50%に据え置くことを決定。据え置きは5会合連続です。

RBNZの声明や政策金利見通し、オア総裁の会見はハト派的な内容でした。

声明では、「インフレ見通しに対するリスクはよりバランスが取れている」と指摘。必要なら追加利上げを行うとの姿勢を示しつつも、「現在の政策金利の水準は、需要を抑制していると確信している」とし、「政策金利を長期間、(景気)抑制的な水準に維持する必要がある」としました。

RBNZは政策金利の見通しを前回23年11月時点から全般的に下方修正し、政策金利のピーク水準の見通しは前回の5.69%から5.60%へと引き下げられました。

オア総裁は会合後の会見で、会合では「利上げも議論した」ことを明らかにしつつ、政策メンバーの間には「(5.50%の)政策金利(の水準)は、(インフレの抑制に)十分だという強いコンセンサスがあった」と述べました。また、「(NZは)ディスインフレの期間にある」との見方を示し、「データによって、23年11月時点よりも見通しに一段と確信が持てるようになった」と語りました。

RBNZの政策会合の結果発表後、豪ドル/NZドルは堅調に推移しており、3月1日には2月13日以来の高値をつけました。一部で浮上した2月28日の会合での利上げ観測が実現しなかったほか、声明や政策金利見通しを受けて先行きの利上げ観測が後退(=NZドル安の要因)したためと考えられます。

今週(3/4- )は、NZの主要な経済指標の発表はありません。RBNZ会合の結果が引き続き豪ドル/NZドルを下支えする可能性があります。6日に発表される豪州の23年10-12月期GDP(国内総生産)が市場予想の前期比0.3%を上回る結果になれば、豪ドル/NZドルは200日移動平均線(4日時点で1.07959NZドル)に向かって上昇するかもしれません。

今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.34000カナダドル~1.36500カナダドル>

米ドル/カナダドルは2月28日に一時1.36014カナダドルへと上昇し、23年12月中旬以来2カ月半ぶりの高値をつけました。FRBの利下げ観測が後退したことや、カナダの1月CPI(消費者物価指数)の弱い結果が(※)、足もとの米ドル/カナダドル上昇の主因と考えられます。

(※)CPIは総合指数が前年比2.9%と、市場予想の3.3%よりも前月の3.4%から上昇率が鈍化しました。また、BOC(カナダ中銀)がコアインフレ指標として注視する、CPIのトリム平均値は前年比3.4%、加重中央値は同3.3%と、それぞれ21年8月以来、21年11月以来の低い伸びとなりました。

今週は、パウエルFRB議長の議会証言や米国の2月雇用統計が発表されます。一方、カナダではBOC(カナダ中銀)の政策会合が6日に開かれ、カナダの2月雇用統計が発表されます(米国と同日)。市場では、FRBとBOCのいずれも6月に利下げを行うとの見方が有力です。議会証言やBOC会合などを受けて、市場の金融政策見通しが変化すれば、米ドル/カナダドルが反応しそう。FRBの利下げ観測が後退する一方で、BOCの利下げ観測が強まる場合、米ドル/カナダドルは上値を試す展開が想定されます。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想

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