【IRアナリストレポート】日進工具(6157)

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最新投稿日時:2024/02/16 11:55 - 「【IRアナリストレポート】日進工具(6157)」(みんかぶ株式コラム)

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【IRアナリストレポート】日進工具(6157)

著者:鈴木 行生
投稿:2024/02/16 11:55

~超硬小径エンドミルで業界No.1、開発センターで市場開拓を加速~

・今2024年3月期は、底入れ感はあるが、回復は鈍い。本格回復は来期からになろう。中国関連のスマホやPCの電子部品用は低調で、国内の自動車関連の復調は金型にまで及んでいない。需要回復の遅れを織り込んで、2Qで会社の利益計画は下方修正されたが、経営効率の改善が進み、利益面ではこの修正計画を上回ってこよう。

・自動車関連の需要回復がいずれ金型に結びつこう。中国から他のアジアへの生産シフトは継続しよう。その中で、新たな市場開拓に力を入れている。2022年11月から主力製品の値上げを実施したが、値上げは順調に浸透している。

・当社の高付加価値経営は、製品開発サイクルを「営業⇒開発⇒生産」と一体で回していく。営業を通して顧客からフィードバックされるニーズを製品開発に活かし、他にない製品やそれを作り込む装置を開発する。安定したバラツキのない生産を通して、高性能な製品を作り、営業がその製品価値を正しく顧客に伝えていく。

・もともと価格で勝負する領域には入らない方針である。情報と性能で勝負していく。開発センターで実際のニーズを捉え、新しい性能を追求する。実際、2枚刃を4枚刃にすることで、精度は向上し、寿命も長持ちする。顧客の加工時の生産性が上がれば、4枚刃の価格が高くても、トータルのコストは下がる。当社にとっても、高付加価値化が進む。

・開発面では、最先端の精密加工に焦点を当てている。コーティングにおける「無限プレミアムPlus」の応用範囲を拡大し、①より固いものを削る、②より長持ちする、③より高い精度を出す。削り刃を増やして、コーティングで摩耗を減らす。

・日本機械工具工業会より、2022年度の「環境特別賞」を受賞した。GHG(温暖化ガス)排出量削減の実績が評価された。仙台工場を中心とした小集団活動「オレンジFC活動」の継続が成果を上げており、生産性の向上とコスト低減に結びついている。

・後藤社長の経営哲学は、利益率重視で規模は追わない。顧客が新製品の加工方法を開発している段階から関わっていく。需要が好転すれば、業績向上に弾みがついてこよう。創業70周年の記念配当で、増配幅が拡大している点にも注目したい。

目次
1.特色 超硬小径エンドミルで業界トップ
2.強み 一貫した集中と差異化で攻める
3.中期経営戦略 ユニークな精密・微細加工技術で内外の新市場を開拓
4.当面の業績 市場の回復待ちで、2025年3月期から好転へ
5.企業評価 競争力を強化し、高収益へ復帰

日進工具 <6157>
企業レーティング
株価
(2024年2月15日)
992円
時価総額 248億円
(25百万株)
PBR 1.44倍
ROE 7.2%
PER 20.1倍
配当利回り 2.8%
総資産 18546百万円
純資産 17359百万円
自己資本比率 92.5%
BPS 690.4円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2015.3 7402 1481 1534 973 39.0 10.0
2016.3 8382 1914 1954 1342 53.7 12.5
2017.3 8825 2013 2026 1420 56.8 20.0
2018.3 9767 2685 2733 1903 76.1 22.5
2019.3 10476 2879 2894 1970 78.8 22.5
2020.3 9531 2219 2231 1545 61.8 22.5
2021.3 8100 1512 1712 1214 48.6 17.5
2022.3 9524 2111 2156 1522 60.9 22.5
2023.3 9656 2108 2131 1475 59.2 22.5
2024.3(予) 9100 1800 1810 1230 49.4 27.5
2025.3(予) 10000 2100 2100 1420 57.0 27.5

(2023.12ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2017年1月に1:2、2021年4月に1:2の株式分割を実施。2022.3期以前のEPS、配当は修正ベース。2017.3期は2部上場記念配(5円)、2018.3期は1部上場記念配(5円)、2024.3期は創業70周年記念配(2.5円)を含む。

企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/niltusinnkougu202402.pdf

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム

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