明日からスタートする新年相場を前に、2024年に活躍が期待される銘柄を探ってみたい。本特集では、直近3ヵ月決算の経常利益が四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ通期見通しも最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄に注目。なかでも、四半期ベースで最高益を連続で更新している企業に照準を合わせた。
下表では、時価総額100億円以上5000億円未満の銘柄を対象に、本決算月にかかわらず、直近の3ヵ月決算において経常利益が全四半期ベースの過去最高益を5%超上回り、かつ2四半期以上連続で最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益を上回る見通しを示している27社を選び出し、直近四半期実績の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、長野県を地盤とする中堅ゼネコンのヤマウラ <1780> [東証P]。23年7-9月期(第2四半期)は主力の建設事業で手持ち工事が順調に進んだうえ、子会社における分譲マンション開発などの売上高が大幅に増加し、経常利益は17.3億円と過去最高だった直前の4-6月期実績を74.5%も上回って着地。好調な業績を踏まえ、24年3月期通期の同利益を従来予想の29.6億円→41.3億円に大幅上方修正した。上期(4-9月)実績の修正した通期計画に対する進捗率は66.0%と高水準で一段の上振れが視野に入る。株価は昨年11月22日に約27年1ヵ月ぶりの高値1499円まで一気に駆け上がる場面があった。
2位に入った中古自動車の輸出販売を手掛けるオプティマスグループ <9268> の7-9月期(第2四半期)経常利益は13.1億円と前年同期比2.8倍に膨らんだ。主要市場であるニュージーランドの経済回復基調が続く中、コロナ禍でも市場シェアの拡大に取り組んだことが奏功し、成約台数が飛躍的に伸びた。業績好調に伴い、24年3月期通期の同利益を従来予想の41.5億円→52億円に上方修正し、従来の2期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。株価は12月4日に上場来高値3110円をつけたあと調整局面に入っていたが、足もとでは再び買い優勢に傾いている。
3位の元気寿司 <9828> [東証S]は7-9月期(第2四半期)の経常利益が14億円(前年同期比3.1倍)と2四半期連続の最高益更新を遂げた。新型コロナウイルス感染症の5類移行による外食需要の回復を追い風に国内の既存店売上高が2ケタ増収を続けたほか、店舗運営の合理化と適正化を進めたことなども大幅増益につながった。上期好決算を受けて、減益予想だった24年3月期通期の経常利益を最高益見通しに大幅上方修正し、配当予想も増額修正している。
4位のニッピ <7932> [東証S]も2四半期連続で過去最高益を塗り替えた。7-9月期(第2四半期)はインバウンド需要の回復を背景に健康食品用ペプタイドやカプセル用ゼラチンなどの販売が好調だった。また、原材料やエネルギー価格の上昇分を販売価格へ転嫁したことに加え、好調な生産に伴う製造コストの低減なども利益拡大に貢献した。併せて、減益予想だった24年3月期通期の経常利益を一転して7期ぶり最高益見通しに大幅上方修正したことも好感され、株価は約10年2ヵ月ぶりの高値圏を舞う展開となっている。
続く5位には破砕・解体用建機メーカーのオカダアイヨン <6294> [東証P]が入った。7-9月期(第2四半期)は国内で主力の圧砕機や販売を強化している林業機械が増勢だったほか、海外も北米事業の伸長やM&A効果で大きく伸びた。また、値上げの浸透や円安効果も収益を押し上げた。決算発表と同時に、24年3月期通期の業績見通しと配当予想を上方修正している。配当は今期を含めて14期連続増配と株主還元に積極姿勢をみせる。株価は12月29日に約半年ぶりに上場来高値を更新した。
23位にリスト入りしたのは末期がん患者など終末期の看護・介護ケアに特化したホスピスを運営するアンビスホールディングス <7071> [東証P]。終末期ケアへの高い需要を背景に首都圏を中心にホスピスの新設を進める中、7-9月期(第4四半期)は経常利益段階で実に6四半期連続の最高益を達成した。併せて発表した24年9月期の同利益は前期比20.7%増の103億円と7期連続で過去最高益を更新する見通しだ。また、西日本を含む広範な地域での開設ペースの加速を踏まえ、中期経営計画を上方修正している。
このほか、タイガースポリマー <4231> [東証S]、コーセル <6905> [東証P]、TOYO TIRE <5105> [東証P]、日本アクア <1429> [東証P]、タスキ <2987> [東証G]は年間ベースの配当利回りが3%を上回っており、株主還元の切り口でも投資妙味があるとして注目したい。
┌ 四半期 経常利益 ┐ ┌ 通期 経常利益 ┐ 最高益 予想
コード 銘柄名 上振れ率 直近四半期 上振れ率 今期予想 連続期数 PER
<1780> ヤマウラ 74.5 1733 102 4130 2 9.9
<9268> オプティマス 45.4 1317 82.3 5600 2 10.8
<9828> 元気寿司 32.9 1403 42.3 3283 2 29.6
<7932> ニッピ 30.8 1086 37.9 3000 2 8.6
<6294> オカアイヨン 30.8 934 35.1 2650 2 11.5
<6338> タカトリ 22.7 957 3.9 2700 2 12.2
<4231> タイガポリ 22.1 1427 21.4 3700 3 7.2
<4371> CCT 21.9 567 42.8 1626 2 33.9
<9759> NSD 19.5 4035 19.3 15100 2 21.3
<2932> STIFHD 18.8 689 31.8 2300 2 17.6
<7105> ロジスネクス 18.7 11431 163 36000 4 6.4
<9229> サンウェルズ 18.6 644 140 2738 4 41.1
<8715> アニコムHD 16.6 1400 8.5 4000 2 17.3
<6905> コーセル 16.0 2630 6.7 7301 2 9.1
<3496> アズーム 13.7 365 40.0 1790 4 36.6
<5038> eWeLL 13.6 259 30.3 881 3 50.1
<5105> TOYO 12.1 25728 23.2 70000 2 6.1
<2004> 昭和産 11.7 4516 18.1 12000 2 11.8
<4828> ビーエンジ 10.3 1115 16.9 3800 2 19.3
<3979> うるる 10.1 273 199 1280 2 13.8
<2585> Lドリンク 10.0 1500 44.3 4400 2 20.3
<2903> シノブフズ 9.9 710 20.8 2300 2 7.6
<7071> アンビスHD 9.4 2404 20.7 10309 6 40.6
<1429> 日本アクア 8.7 825 16.6 2750 2 15.2
<7821> 前田工繊 8.1 2724 3.6 9000 3 15.6
<8772> アサックス 6.6 1295 7.2 4607 2 7.8
<2987> タスキ 5.5 610 25.7 2800 2 9.7
※最高益連続期数は四半期ベースの連続回数。上振れ率は直近の四半期実績または通期計画の過去最高益に比べた増加率。
※2022年10月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。
★元日~4日に、2024年「新春特集」を一挙、"27本"配信します。ご期待ください。
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下表では、時価総額100億円以上5000億円未満の銘柄を対象に、本決算月にかかわらず、直近の3ヵ月決算において経常利益が全四半期ベースの過去最高益を5%超上回り、かつ2四半期以上連続で最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益を上回る見通しを示している27社を選び出し、直近四半期実績の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、長野県を地盤とする中堅ゼネコンのヤマウラ <1780> [東証P]。23年7-9月期(第2四半期)は主力の建設事業で手持ち工事が順調に進んだうえ、子会社における分譲マンション開発などの売上高が大幅に増加し、経常利益は17.3億円と過去最高だった直前の4-6月期実績を74.5%も上回って着地。好調な業績を踏まえ、24年3月期通期の同利益を従来予想の29.6億円→41.3億円に大幅上方修正した。上期(4-9月)実績の修正した通期計画に対する進捗率は66.0%と高水準で一段の上振れが視野に入る。株価は昨年11月22日に約27年1ヵ月ぶりの高値1499円まで一気に駆け上がる場面があった。
2位に入った中古自動車の輸出販売を手掛けるオプティマスグループ <9268> の7-9月期(第2四半期)経常利益は13.1億円と前年同期比2.8倍に膨らんだ。主要市場であるニュージーランドの経済回復基調が続く中、コロナ禍でも市場シェアの拡大に取り組んだことが奏功し、成約台数が飛躍的に伸びた。業績好調に伴い、24年3月期通期の同利益を従来予想の41.5億円→52億円に上方修正し、従来の2期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。株価は12月4日に上場来高値3110円をつけたあと調整局面に入っていたが、足もとでは再び買い優勢に傾いている。
3位の元気寿司 <9828> [東証S]は7-9月期(第2四半期)の経常利益が14億円(前年同期比3.1倍)と2四半期連続の最高益更新を遂げた。新型コロナウイルス感染症の5類移行による外食需要の回復を追い風に国内の既存店売上高が2ケタ増収を続けたほか、店舗運営の合理化と適正化を進めたことなども大幅増益につながった。上期好決算を受けて、減益予想だった24年3月期通期の経常利益を最高益見通しに大幅上方修正し、配当予想も増額修正している。
4位のニッピ <7932> [東証S]も2四半期連続で過去最高益を塗り替えた。7-9月期(第2四半期)はインバウンド需要の回復を背景に健康食品用ペプタイドやカプセル用ゼラチンなどの販売が好調だった。また、原材料やエネルギー価格の上昇分を販売価格へ転嫁したことに加え、好調な生産に伴う製造コストの低減なども利益拡大に貢献した。併せて、減益予想だった24年3月期通期の経常利益を一転して7期ぶり最高益見通しに大幅上方修正したことも好感され、株価は約10年2ヵ月ぶりの高値圏を舞う展開となっている。
続く5位には破砕・解体用建機メーカーのオカダアイヨン <6294> [東証P]が入った。7-9月期(第2四半期)は国内で主力の圧砕機や販売を強化している林業機械が増勢だったほか、海外も北米事業の伸長やM&A効果で大きく伸びた。また、値上げの浸透や円安効果も収益を押し上げた。決算発表と同時に、24年3月期通期の業績見通しと配当予想を上方修正している。配当は今期を含めて14期連続増配と株主還元に積極姿勢をみせる。株価は12月29日に約半年ぶりに上場来高値を更新した。
23位にリスト入りしたのは末期がん患者など終末期の看護・介護ケアに特化したホスピスを運営するアンビスホールディングス <7071> [東証P]。終末期ケアへの高い需要を背景に首都圏を中心にホスピスの新設を進める中、7-9月期(第4四半期)は経常利益段階で実に6四半期連続の最高益を達成した。併せて発表した24年9月期の同利益は前期比20.7%増の103億円と7期連続で過去最高益を更新する見通しだ。また、西日本を含む広範な地域での開設ペースの加速を踏まえ、中期経営計画を上方修正している。
このほか、タイガースポリマー <4231> [東証S]、コーセル <6905> [東証P]、TOYO TIRE <5105> [東証P]、日本アクア <1429> [東証P]、タスキ <2987> [東証G]は年間ベースの配当利回りが3%を上回っており、株主還元の切り口でも投資妙味があるとして注目したい。
┌ 四半期 経常利益 ┐ ┌ 通期 経常利益 ┐ 最高益 予想
コード 銘柄名 上振れ率 直近四半期 上振れ率 今期予想 連続期数 PER
<1780> ヤマウラ 74.5 1733 102 4130 2 9.9
<9268> オプティマス 45.4 1317 82.3 5600 2 10.8
<9828> 元気寿司 32.9 1403 42.3 3283 2 29.6
<7932> ニッピ 30.8 1086 37.9 3000 2 8.6
<6294> オカアイヨン 30.8 934 35.1 2650 2 11.5
<6338> タカトリ 22.7 957 3.9 2700 2 12.2
<4231> タイガポリ 22.1 1427 21.4 3700 3 7.2
<4371> CCT 21.9 567 42.8 1626 2 33.9
<9759> NSD 19.5 4035 19.3 15100 2 21.3
<2932> STIFHD 18.8 689 31.8 2300 2 17.6
<7105> ロジスネクス 18.7 11431 163 36000 4 6.4
<9229> サンウェルズ 18.6 644 140 2738 4 41.1
<8715> アニコムHD 16.6 1400 8.5 4000 2 17.3
<6905> コーセル 16.0 2630 6.7 7301 2 9.1
<3496> アズーム 13.7 365 40.0 1790 4 36.6
<5038> eWeLL 13.6 259 30.3 881 3 50.1
<5105> TOYO 12.1 25728 23.2 70000 2 6.1
<2004> 昭和産 11.7 4516 18.1 12000 2 11.8
<4828> ビーエンジ 10.3 1115 16.9 3800 2 19.3
<3979> うるる 10.1 273 199 1280 2 13.8
<2585> Lドリンク 10.0 1500 44.3 4400 2 20.3
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<7071> アンビスHD 9.4 2404 20.7 10309 6 40.6
<1429> 日本アクア 8.7 825 16.6 2750 2 15.2
<7821> 前田工繊 8.1 2724 3.6 9000 3 15.6
<8772> アサックス 6.6 1295 7.2 4607 2 7.8
<2987> タスキ 5.5 610 25.7 2800 2 9.7
※最高益連続期数は四半期ベースの連続回数。上振れ率は直近の四半期実績または通期計画の過去最高益に比べた増加率。
※2022年10月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。
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