*15:39JST 品川リフラ Research Memo(9):2025年3月期以降の中計ではROIC経営を推進する(1)
■中長期の成長戦略
1. 長期ビジョンの策定とROIC経営の推進
第5次中期経営計画は、2024年3月期で終了する。一般的に、中期3ヶ年計画では「ありたい姿」の実現のため、現在の延長線上で未来を予測する「フォアキャスティング」の手法が用いられる。一方、SDGsやカーボンニュートラル実現などの長期計画では、過去の原因分析よりも「実現したい未来」のため目的の達成に焦点を当てる「バックキャスティング」のアプローチが採られる。品川リフラクトリーズ<5351>は、サステナビリティへの取り組みを深化させるため、2030年に向けた長期ビジョンを策定し、それを踏まえた第6次中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)を立てるバックキャスティングの手法を用いる。長期ビジョンの策定にあたっては、成長戦略とサステナビリティへの取組みを表裏一体として追求する。
第6次中期経営計画では、“稼ぐ力”のさらなる創出・強化に向け、ROIC経営をベースとして成長戦略の深化と企業価値の最大化を目指す。従来の中期経営計画では、数値目標として損益計算書に重点を置いた売上高、経常利益、ROS(売上高経常利益率)を掲げてきた。第6次中期経営計画では資本効率を重視して、セクター別のROIC目標値(長期・短期)を設定し、長期的な目標の達成に重点を置く。現在は「問題児」に属する事業(製品グループ)であっても、長期的戦略面から追加投資を決定する。
2024年3月期より、セクター制を核としたグループ経営体制への移行にともない、4つのセクターをバックアップする「コーポレート本部」を設置した。同機能は、同社の企画管理本部が担う。企画管理本部は、いわゆるバックオフィスと称される総務部、経理部、経営企画部、IR・広報部、情報システム部とサステナビリティ推進室を抱えており、フロントオフィスの営業部門や生産部門の活動がスムーズに運ぶよう補佐する。各セクターに対して適切な対応を取るため、同社グループ及び各セクターのポジションを充分認識した上で積極的に有意義な情報の収集及び分析に努め、各セクターが必要とする人材・資金・情報を円滑に供給する。コーポレート本部はグループ経営戦略会議を運営し、設備投資や事業投資の審査にも事務局として参画し、グループ経営を一層強化・効率化する。ROIC経営の推進により成長戦略を深化させ、企業価値を最大化させることで得た成果を、さらなる成長へ再投資して持続的な成長を実現する。株主還元については、配当性向と総還元性向の適正な水準について検討することとした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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1. 長期ビジョンの策定とROIC経営の推進
第5次中期経営計画は、2024年3月期で終了する。一般的に、中期3ヶ年計画では「ありたい姿」の実現のため、現在の延長線上で未来を予測する「フォアキャスティング」の手法が用いられる。一方、SDGsやカーボンニュートラル実現などの長期計画では、過去の原因分析よりも「実現したい未来」のため目的の達成に焦点を当てる「バックキャスティング」のアプローチが採られる。品川リフラクトリーズ<5351>は、サステナビリティへの取り組みを深化させるため、2030年に向けた長期ビジョンを策定し、それを踏まえた第6次中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)を立てるバックキャスティングの手法を用いる。長期ビジョンの策定にあたっては、成長戦略とサステナビリティへの取組みを表裏一体として追求する。
第6次中期経営計画では、“稼ぐ力”のさらなる創出・強化に向け、ROIC経営をベースとして成長戦略の深化と企業価値の最大化を目指す。従来の中期経営計画では、数値目標として損益計算書に重点を置いた売上高、経常利益、ROS(売上高経常利益率)を掲げてきた。第6次中期経営計画では資本効率を重視して、セクター別のROIC目標値(長期・短期)を設定し、長期的な目標の達成に重点を置く。現在は「問題児」に属する事業(製品グループ)であっても、長期的戦略面から追加投資を決定する。
2024年3月期より、セクター制を核としたグループ経営体制への移行にともない、4つのセクターをバックアップする「コーポレート本部」を設置した。同機能は、同社の企画管理本部が担う。企画管理本部は、いわゆるバックオフィスと称される総務部、経理部、経営企画部、IR・広報部、情報システム部とサステナビリティ推進室を抱えており、フロントオフィスの営業部門や生産部門の活動がスムーズに運ぶよう補佐する。各セクターに対して適切な対応を取るため、同社グループ及び各セクターのポジションを充分認識した上で積極的に有意義な情報の収集及び分析に努め、各セクターが必要とする人材・資金・情報を円滑に供給する。コーポレート本部はグループ経営戦略会議を運営し、設備投資や事業投資の審査にも事務局として参画し、グループ経営を一層強化・効率化する。ROIC経営の推進により成長戦略を深化させ、企業価値を最大化させることで得た成果を、さらなる成長へ再投資して持続的な成長を実現する。株主還元については、配当性向と総還元性向の適正な水準について検討することとした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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