ココペリ、売上高は前期比+8.4%増収 M&A実行による今後の事業拡大に期待
Index
近藤繁氏:株式会社ココペリの近藤です。本日はお忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。当第2四半期に取り組んできたことは、着実にかたちになってきていると感じています。これから詳しくご説明しますので、よろしくお願いします。
スライドは本日のインデックスです。1つ目は会社概要、2つ目は事業概要、3つ目は第2四半期の実績、4つ目は中期経営計画の進捗状況、5つ目は2024年3月期の業績予想、6つ目は補足資料です。
Mission
会社概要です。当社は「企業価値の中に、未来を見つける。」をミッションとし、金融機関とともにパートナーシップを組んで、日本にある企業が織りなす可能性に伴走すると掲げて、日々事業を展開しています。
会社概要
会社概要です。当社は2007年に設立し、現在の従業員数は正社員とアルバイトを合わせて92名となっています。事業内容はビジネスプラットフォーム事業で、中小企業DX支援プラットフォーム「Big Advance」を開発・運用するBig Advance事業と、DX Solutions事業の2つを展開しています。
サービス概要
サービス概要です。Big Advance事業は、中小企業の成長と地方創生を支援するBtoBのSaaSモデルとなっています。
DX Solutions事業は、金融機関に向けて、中小企業向けの法人ポータルサイトを提供しています。加えて、税理士事務所のDXツールを提供するITサポートサービスや、昨年M&Aした「ココペリ経営サポート」においては、補助金活用コンサルティングサービスを提供しています。
中小企業向けビジネスエコシステムの構築
我々が実現したい未来についてお話しします。中小企業は、売上収益を拡大したい、DXを進めたい、財務を良くしたい、人材を採用していきたいといったさまざまな経営課題を持ちながら日々成長しています。
我々は、中小企業のDX支援プラットフォーム「Big Advance」を中核としたビジネスエコシステムの構築を目指しています。これを通じて、中小企業が抱えるさまざまな課題に対応し、持続可能な成長を実現する環境を提供することを目的としています。
そのために、新しいソリューションの開発をはじめ、「ココペリ経営サポート」における補助金のコンサルティングなどさまざまなソリューションを提供することで、このエコシステムを回していきたいと考えています。
キー・ポイントを連結子会社化
すでにリリースしているとおり、キー・ポイント社というIT企業をグループ会社化しました。キー・ポイント社は、企業向けにファイル共有サービスやメールの管理サービス等の自社プロダクトを展開している会社です。多数のエンジニアが在籍しており、自社プロダクトのほかに受託案件も行っています。
今回のグループ化を通じて、金融機関DXという分野で一緒に支援案件の開発を行うなど、さまざまなシナジーを生み出していきたいと考えています。
持続可能な開発目標(SDGs)
持続可能な開発目標です。SDGsについては、スライドに記載の8・9・17を3つの注力領域に掲げ、本業を通じて貢献していきたいと考えています。
背景:中小企業の現状と課題
事業概要について、まず中小企業の現状と課題です。日本の企業のうち、99.7パーセントにあたる約350万社が中小企業といわれています。労働者の約70パーセントが中小企業で働いており、課題としては中小企業の労働生産性が挙げられるかと思います。
中小企業の場合、1人あたりの労働生産性は500万円と少しで、大企業と比べてかなり低いのが現状です。ここを改善していかないと、賃金も消費も上がっていかず、このスパイラルからなかなか抜けられません。我々は、テクノロジーを活用して労働生産性の改善に貢献していきたいと考えています。
背景:地域金融機関の現状と課題
地方金融機関の現状と課題です。地域の金融機関は、中小企業が成長していく上で非常に大事な金融のインフラであると思います。
企業が金融機関に求めるものの1つに、当然お金回りがあるのですが、最近では、業務の効率化のサービス・支援のニーズも高まっています。まさに我々の提供する「Big Advance」はこうした課題の解決を可能にするため、中小企業がDXを進めていく上でも、金融機関の存在は非常に大きいと考えています。
「Big Advance」の概要
「Big Advance」の概要です。「Big Advance」はBtoBのSaaSモデルになっています。会員企業が登録すると、3,300円の会費はかかりますが、すべての機能を使用することができます。
企業側は、経営課題がさまざまに変化していく中で、売上を拡大したい時にはビジネスマッチング機能を活用でき、情報を発信したい時には簡単にホームページを作成することができます。さらに、補助金・助成金を簡単に検索できたり、チャットを活用できたりと、DXを進める上でさまざまな機能を利用できます。
オプション機能もいくつかあります。最近のインボイス制度や電子帳簿保存法に対応した「ちゃんと請求書」という機能もリリースしており、現在、非常に伸びています。
「Big Advance」の仕組み
「Big Advance」の主な仕組みです。こちらは、我々が直接企業に提供しているのではなく、金融機関に一度このシステムを納めて、金融機関が取引先に提供するようなビジネスモデルです。企業は金融機関とのリレーションの中でサービスを活用できます。
また、大きな特徴として、我々は「Big Advance」を導入している金融機関のすべての取引先とつながることができます。現在85の金融機関に導入いただいているため、全国85の金融機関のお客さまとビジネスマッチングできる点が「Big Advance」が見出している大きな付加価値だと考えています。
多くのユーザー接点を保有するプラットフォーム
多くのユーザー接点を保有するプラットフォームについてご説明します。「Big Advance」の会員は3つのアカウントに分かれています。
1つ目は、経営者に発行するオーナーユーザーです。2つ目は今期注力していくビジネスユーザーで、こちらはオーナーユーザーとほぼ同等の機能が利用できるアカウントです。3つ目が従業員ユーザーで、従業員の方がさまざまなクーポンや安否確認を利用できるアカウントです。
「Big Advance」の大きな特徴の1つは、プラットフォームを通じて、企業の経営者から従業員まで幅広く接点を持てることです。現在、アカウントユーザー数は合算すると22万9,307ユーザーです。重点施策の中で、今期のビジネスユーザーアカウントの活用促進についてお話ししましたが、第2四半期末時点でのアカウント数は551ユーザーで、順調に増加しています。
さらに、「Big Advance」の会員のほかに、中小企業を応援するパートナー会員があります。こちらは現在、上場企業や地方自治体の約2,000社ほどに加盟いただいています。中小企業と大手の上場企業がビジネスマッチングをしたり、地方自治体が補助金等の支援の情報発信したりと、みんなで中小企業を応援していこう、地域の企業を応援していこうという仕組みです。
中小企業のDXを支援
中小企業のDX支援についてです。我々はDXを攻めと守りに分けています。攻めのDXは売上アップを目的としており、ビジネスマッチングやホームページ作成等がそれにあたります。守りのDXは業務の効率化を目的としており、前期1月と今期にリリースした「ちゃんと請求書」や「ちゃんと勤怠」がこれにあたります。
基本的にこれらすべての機能が利用でき、金融機関の導入サポートも受けられるところが「Big Advance」の強みだと考えています。
生成AIを活用した「Big Advance」の可能性
昨今、世の中で「ChatGPT」を代表とする生成AIがかなり普及してきています。我々もいち早く社内で「ChatGPT」を使い、「Big Advance」と組み合わせることができないかと研究開発を重ねてきました。そして、今年5月の早い段階で「Big Advance」の中で「ChatGPT」を使った機能の提供を開始しています。
我々は「Big Advance」の機能やデータを保有しているため、それらを組み合わせることによって、企業の圧倒的な業務の効率化や顧客満足度の向上を実現することができると考えています。
加えて、中小企業に専門的な知識がなくても最先端の技術を利用できる点は、非常に大きなポイントだと思っています。我々にとって「ChatGPT」は非常に大きな機能になると考えており、こちらを中小企業に滑らかに使っていただくことで、DXのさらなる推進に活かせるのではないかと考えています。
Big Advanceの導入の効果①
「Big Advance」の導入効果として、まずビジネスマッチング機能についてです。こちらは、企業が売上を拡大したい、新しい仕入れ先を見つけたい、パートナーを見つけたいといった時に、全国の企業にマッチングを申し込むことができる機能です。
現在、商談依頼件数は累計で13万件を超えたところです。当第2四半期は、8月に案件の量より質を高めることを目的に大規模なアップデートを行いました。結果として商談依頼件数は減少していますが、その後の商談率や返ってくるレスポンスの時間は大幅に改善しました。
1週間以内に商談結果が返ってくる割合は13.7ポイント改善し、面談率も2.83ポイント改善しています。下期も引き続きビジネスマッチング機能を改善しながら、より質を高め、同時に量も増やしていけるように取り組んでいきたいと考えています。
さらに、現在、AIを活用したビジネスマッチング先の自動レコメンド機能の実証実験も実施しています。本来は企業側が検索して会いたい企業先を見つけるのですが、この機能は、AIが「この企業はどうですか?」とレコメンドし、それを見て企業側が依頼するというものです。
現在、実証実験でさまざまなアルゴリズムを作りながら、より最適な企業をご紹介し、商談につなげていくような取り組みをしています。
Big Advanceの導入の効果②
ホームページについてです。今年5月にいち早く、ホームページを作成する時のサポート機能として「ChatGPT」を組み込んでリリースしました。
スライド右下の図のように「AI自動生成を試す」というボタンを押すと、その会社のキャッチコピーや詳細な内容を「ChatGPT」が自動で書いてくれます。企業の経営者はそれを見て修正・保存するだけですので、企業にはかなり喜ばれています。その結果、ホームページの作成数も順調に伸びており、今、開設社数は1万5,000社を超えたところです。
先ほどお伝えしたビジネスマッチングにおいても、ニーズの登録を「ChatGPT」で行う機能も実装しました。0から文書を作るのはなかなかハードルが高いのですが、生成AIが書いてくれてそれを修正するだけとなると、心理的なハードルもかなり低くなります。そのため、利用企業に非常に喜ばれている状況です。
ちゃんと請求書(請求書電子化サービス)の導入状況
「ちゃんと請求書」の導入状況です。こちらは1月にリリースし、8月には電子帳簿保存法に対応した電子保存機能をリリースしました。現在、当初の計画を上回る44の金融機関にてサービスを開始しています。2024年1月の電子帳簿保存法の改正に向けて、オンラインセミナーを随時開催しながら利用企業を増やしている段階です。
「ちゃんと請求書」の請求書発行累計金額は、第2四半期で約18億円と順調に伸びています。10月以降もこのまま伸ばしていき、利用企業をより増やしたい考えです。
2024年3月期第2四半期決算ハイライト
第2四半期の実績です。売上高は前期比8.4パーセント増の9億2,900万円、営業利益はゼロとなっています。「Big Advance」の実績としては、導入金融機関は85社、会員企業数は6万6,911社、総ユーザー数は22万9,307ユーザー、平均チャーンレートは1.76パーセントです。
2024年3月期第2四半期 損益計算書
P/Lについて詳しくご説明します。「Big Advance」の売上は若干減少したものの、「DX Solutions」の売上が増加したことによって、売上高は前年比108パーセントとなりました。利益面では、成長投資として新機能・サービス開発のために中途採用等を計画的に増やしたため、第2四半期の営業利益は減少しています。
一方、開発体制は充実してきており、第3四半期以降は外注費の削減が可能になります。そのため、粗利益率は第3四半期以降に向上していく見込みです。また、EBITDAは7,500万円の黒字で着地しました。
四半期売上高の推移
四半期ごとの売上高の推移です。「Big Advance」は会員企業数の減少により減収となっています。
「DX Solutions」については、第1四半期と比べて事業の選択と集中を同時に進めています。AIによる与信モデル「FAI」「SHARES」というサービスの終了に伴い、こちらの売上も減少しました。
ストック売上の比率は94パーセントと、高い水準を維持しています。
四半期営業損益の推移
営業損益の推移です。当初の計画どおり、新機能・サービス開発のための人件費等の成長投資を優先したことにより、第2四半期の営業損益はマイナス2,500万円で、上期累計ではゼロとなっています。先ほどお伝えしたとおり、開発体制が充実してきたことから、第3四半期以降は外注費の削減を進めていきたいと考えています。
四半期費用構成の推移
費用構成の推移です。成長投資を継続しながらコストの見直しも同時に実施してきました。そのため、第2四半期は第1四半期と比べて外注費等を削減することができています。第3四半期以降も外注費等は抑制できるため、粗利益率は向上していく見込みです。
会員企業数の四半期推移
会員企業数は第1四半期と比べて微増の6万6,911社で着地しました。第1四半期は、特定の金融機関における個別の事情により多数の退会企業が発生しましたが、そちらは収束しています。
導入金融機関の推移
導入金融機関数は第1四半期と変わらず85社です。プレスリリースを出しましたが、来年5月から多摩信用金庫がサービスインすることが決まっています。今年11月からすでに会員登録の予約を開始しており、来年5月からスタートダッシュできるようにしっかりと準備を進めているところです。
迅速な機能改善によるユーザーの安定化
チャーンレートについては、第2四半期は1.27パーセントと、第1四半期に比べて改善しました。年間平均では1.76パーセントとなっています。
中期経営計画の「成長戦略ロードマップ」
中期経営計画の進捗状況です。中期経営計画においては、3つの戦略をとって「成長戦略ロードマップ」を進めています。1つ目がユーザー数の拡大戦略、2つ目がARPAの拡大戦略、3つ目が「DX Solutions」戦略です。
ユーザー基盤のさらなる拡大として、1金融機関あたりの会員企業数を伸ばすためにさまざまな取り組みを行っています。また、UI・UXの実現として、企業側の画面のデザインを大幅にリニューアルし、実装しました。会員企業にとってより使いやすく、かつ会員企業数が増えるよう取り組んでいきたいと思っています。
機能拡充としては新機能をリリースしており、データの利活用としては、今まさに「ChatGPT」等を使ってデータを活用しています。
ARPAの拡大戦略については、「ちゃんと請求書」の発行型がプラス1,000円、電子保存型はさらにプラス1,000円となっているため、利用企業数が増えることでARPAは拡大していきます。2024年1月に電子帳簿保存法の改正もありますので、セミナー等を実施しながら、利用企業数を増やしていきたいと思っています。
「DX Solutions」戦略については、補助金の活用コンサルティング等も連携先を増やしているところです。また、事業の選択と集中の結果、「SHARES」は終了したため、現在は士業向けのフローの強化や、金融機関DXとして法人ポータルサイトの提案活動に力を入れています。こちらも良い報告ができるよう引き続き取り組んでいきたいと考えています。
ちゃんと請求書(請求書電子化サービス)の機能強化
「ちゃんと請求書」の機能強化については、今お伝えしたとおりですので割愛します。
補助金活用コンサルティングサービス
補助金活用のコンサルティングサービスについてです。「ココペリ経営サポート」と名前を変え、グループ化した後に11社の金融機関と追加で提携しました。こちらの販路を拡大しながら案件を獲得していきたいと考えています。
2024年3月期 事業方針
2024年3月期の業績予想です。「Big Advance」については、8月に攻めのDXの既存機能を大幅にアップデートし、下期にも実施を予定しています。また、電子帳簿保存法の改正に向けて、「ちゃんと」シリーズをしっかりとお届けしていきます。第2四半期にはデザインのアップデートも実施しました。
ビジネスユーザーアカウントの活用促進も開始しており、確実にユーザー数が増えている状況です。データ利活用の強化については、「ChatGPT」の活用も含めて取り組んでいます。
私も含めて金融機関とコミュニケーションを取りながら、リレーション強化を進めています。また、昨年開設した東海営業所を増員する予定です。しっかりと地域に根ざして、金融機関とのリレーションを構築していきたいと思っています。
会員企業への直接サポート体制の構築については、4月にサクセスチームを立ち上げました。会員企業に対してさまざまなアプローチをすることで、アクティブ率が向上したり、商談やビジネスマッチでより使っていただけたりといった結果も出てきています。引き続きしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
「DX Solutions」の取り組みについては、先ほどお伝えしたとおりです。
「ちゃんと」シリーズ
電子帳簿保存法の改正に伴い、新機能をマーケットへきちんと投入していこうと取り組んでいます。
2024年3月期 業績予想
業績予想です。第2四半期が終わったところですが、期初に発表した売上高21億円、粗利益11億8,900万円、営業利益1億円、EBITDA2億5,100万円という計画を達成できるように、引き続き取り組んでいきたいと考えています。
中期経営目標
こちらのスライド以降は補足資料です。いくつかピックアップしてお話しします。中期経営目標としては、2027年3月期までに売上高40億円、営業利益率20パーセント、営業利益8億円を目指しており、ここは変えずに引き続き進めていきたいと考えています。
Big Advanceの強み①
あらためてのご説明になりますが、「Big Advance」の強みは4つあると思っています。1つ目が地域金融機関のネットワーク効果、2つ目が全国の中小企業のネットワーク効果です。
3つ目はFace to Faceとテクノロジーの融合で、金融機関に伴走しながらWebサービスの活用をサポートしています。4つ目に、「Big Advance」はプラットフォームのためさまざまなデータを蓄積しており、そのデータ分析・還元に力を入れています。
ユーザー数拡大戦略③ ~地方自治体との連携強化~
先ほどパートナー会員についてお伝えしましたが、地域企業のDXを推進していくために、さまざまな地方公共団体との連携も引き続き実施していきたいと考えています。
中期経営計画における成長のイメージ
中期経営計画の成長イメージです。ユーザー基盤を拡大しながら、ARPAの拡大、そして「DX Solutions」や新事業で積み上げていくことによって、安定的かつ継続的に大きく成長していきたいと考えています。
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