[資源・新興国通貨10/10~13のポイント&注目通貨] 豪ドル/NZドル:1.06NZドル中心の値動きか

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最新投稿日時:2023/10/10 13:15 - 「[資源・新興国通貨10/10~13のポイント&注目通貨] 豪ドル/NZドル:1.06NZドル中心の値動きか」(八代和也)

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[資源・新興国通貨10/10~13のポイント&注目通貨] 豪ドル/NZドル:1.06NZドル中心の値動きか

著者:八代和也
投稿:2023/10/10 13:15

今週のポイント

今週は、豪州やNZ、カナダの主要な経済指標の発表はありません。豪ドル/米ドルやNZドル/米ドル、カナダドルは、米国の経済指標や長期金利(10年物国債利回り)の影響を受けやすい地合いになりそうです。米長期金利が低下するなどすれば米ドルが全般的に弱含んで、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは上値を試し、一方で米ドル/カナダドルは下値を試す展開が考えられます。

中東情勢には注意が必要かもしれません。中東の今後の状況次第では、リスクオフ(リスク回避)の動きが強まる可能性があります。その場合、豪ドル/円やNZドル/円などのクロス円は上値が重くなりそうです。

原油価格の動向にも注目です。原油価格の代表的な指標である米WTI原油先物は6日に一時1バレル=81ドル台へと下落したものの、中東情勢をめぐる懸念から9日には一時87ドル台へと反発しました。原油価格が一段と上昇すれば、カナダドルやメキシコペソの支援材料になりそうです。

NZでは14日(土)に総選挙が行われます。この結果次第では、NZドル/米ドルやNZドル/円、豪ドル/NZドルは、16日(月)に窓開け(金曜日の終値と月曜日の始値に著しい差が生じること)が発生する可能性があります。

今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.05000NZドル~1.07500NZドル>

RBA(豪中銀)は3日の政策会合で、政策金利を4.10%に据え置くことを決定しました。据え置きは4会合連続です。

RBAは声明で、「ある程度の金融政策のさらなる引き締めが必要になるかもしれないが、それはデータとリスク評価次第」と改めて表明。追加利上げの可能性を残しました。ただ、声明の内容は9月5日の会合時とほぼ同じ内容であり、そのため市場では11月7日の会合での利上げ観測が後退。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によれば、RBA会合の前には4割程度織り込まれていた11月の利上げの確率は、10日12時時点で1割強へと低下しています。

RBNZ(NZ中銀)は4日の政策会合で、政策金利を5.50%に据え置くことを決定しました。据え置きは3会合連続です。

RBNZは声明で、「これまでの利上げが想定通りに経済活動とインフレ圧力を抑制している」と指摘。「NZの4-6月期のGDP成長率は(RBNZの)予想を上回ったが、成長見通しは引き続き低調だ」との見方を示しました。会合の議事要旨では、「政策金利は、より長期間にわたって(景気)抑制的な水準にとどまる必要があるかもしれない」との見解が示されました。

声明や議事要旨でRBNZが追加利上げに傾きつつある兆しはみられなかったことで、市場では11月29日の会合での利上げ観測が後退。OISによれば、RBNZ会合の前には約6割織り込まれていた11月の利上げの確率は、10日12時時点で3割程度へと低下しています。

RBAとRBNZのいずれも利上げ観測が後退したことで、金融政策面からみれば豪ドル/NZドルには明確な方向感が出にくいかもしれません。また、今週は豪州とNZの主要な経済指標の発表もありません。豪ドル/NZドルは1.06NZドル台を中心とした値動きになりそうです。

14日(土)にNZの総選挙が行われます。世論調査では、国民党(最大野党)が労働党(与党)をリードしており、国民党が第1党になるとみられています。ただ、国民党が第1党になったとしても単独では過半数に届かないと予想されており、他の政党と連立する必要がありそうです。選挙を受けて政治的な不透明感が高まる場合、NZドルが売られて豪ドル/NZドルは上昇する可能性があります。

今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.34000カナダドル~1.38000カナダドル>

米ドル/カナダドルは5日に一時1.37801カナダドルへと上昇し、3月24日以来の高値をつけました。米国の長期金利(10年物国債利回り)の上昇や原油価格の下落が、米ドル/カナダドル上昇の主な要因です。

その後、米ドル/カナダドルは反落しました。6日に発表されたカナダの9月雇用統計が市場予想よりも強い結果だったことや、イスラエルとハマスとの大規模な衝突によって中東情勢をめぐる懸念から、原油価格が反発したためです。カナダの雇用統計の結果は、失業率が5.5%、雇用者数が前月比6.38万人増。市場予想はそれぞれ5.6%と2.00万人増でした。

今週はカナダの主要な経済指標の発表はなく、米ドル/カナダドルは米国の長期金利や原油価格の動向に影響を受けやすい地合いになりそうです。米長期金利が低下する、あるいは原油価格が上昇すれば、米ドル/カナダドルは下値を試す展開になると考えられます。米ドル/カナダドルの目先の下値メドとして、9月29日安値の1.34139カナダドルが挙げられます。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想

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