Abalance、連結売上高は前期比2.4倍、経常利益は前期比9.8倍と過去最高 太陽光パネル製造事業が飛躍を牽引

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最新投稿日時:2023/09/13 16:00 - 「Abalance、連結売上高は前期比2.4倍、経常利益は前期比9.8倍と過去最高 太陽光パネル製造事業が飛躍を牽引」(ログミーファイナンス)

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Abalance、連結売上高は前期比2.4倍、経常利益は前期比9.8倍と過去最高 太陽光パネル製造事業が飛躍を牽引

投稿:2023/09/13 16:00

Abalance(株) 会社概要

光行康明氏:Abalance株式会社、社長の光行です。本日は、当社の2023年6月期、年度決算の概況及び今後の見通しについてお話しいたします。また、合わせて、決算発表以後に株主さまからいただきました主なご質問についてもQ&A方式でお答えしてまいります。

連結決算ハイライト (2023年6月期)

まず、前期の連結決算ですが、3期連続の増収・増益となり、連結売上高は2,174億円(前期比2.4倍)、経常利益は148億円(前期比9.8倍)と過去最高の業績となりました。ちなみに、年度当初予算比でも、売上高で1.98倍、経常利益は5.30倍となっております。

これは、ご高承のとおり再生可能エネルギー市場では、各国のカーボンニュートラルの宣言に続き、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)やG7の気候・エネルギー・環境相会合等地球環境温暖化への強い危機感から、世界的な脱炭素化への取組みが加速されたことにより、再エネの大幅な需要につながり、太陽光パネル製造業を担うVSUN社が業績を大きく牽引し、さらに国内及び海外にも展開しておりますが、グリーンエネルギー事業についても底堅く推移したことによります。増益要因についてはご覧のとおりですが、主力セグメントのところで詳しくご説明いたします。

これに伴い、総資産も1,440億円(前期比1.7倍)と初めて1,000億円を超え、純資産も233億円(前期比2.9倍)と連結財務面においても大幅に成長を遂げています。

主力セグメントの業績について

次に、主力セグメントの太陽光パネル製造事業とグリーンエネルギー事業の概況について説明いたします。

まず、太陽光パネル製造事業、これはベトナムにある連結子会社VSUN社の事業ですが、先に申し上げましたとおり、太陽光パネル販売が、世界的な再エネ需要により、欧米向けの販売が想定を大きく超えたこと、及びインフレの価格転嫁やコンテナ運賃の低下により利益率が向上したことから目覚ましい成長となりました。

その結果、2023年6月期は、連結消去前の全セグメントにおいて、太陽光パネル製造事業の占める割合が、連結売上高で95パーセント、連結営業利益でも88パーセントと、全社の収益に大きく貢献をいたしました。

次に、国内のグリーンエネルギー事業ですが、これは連結子会社の「WWB」と「バローズ」が担っております。4年以上前から太陽光発電所を自社保有するストック型ビジネスを順調に積み上げており、この売電収入は、前期30億円を超えてきております。また、M&Aも引き続き自家保有のスピード化を図るため茨木県内で実施しました。

さらに、後ほどTopicsで説明しますが、宮城県にある大型メガソーラー(17メガワット)の売電も開始いたしました。その結果セグメント利益は前期比53パーセント増の18.4億円を計上しております。

連結業績予想(2024年6月期)について

続きまして、今期(2024年6月期)の連結業績予想ですが、連結売上高2,518億円(前期比16パーセント増)、営業利益158億円(前期比17パーセント増)を予想しております。

この予想値については、VSUNのセル工場(2023年10月完成予定)の稼働に伴う、緩やかな利益率の向上等の影響が確認できた場合に、修正を検討してまいります。

【新】中期経営計画の策定について

現在の中期3ヶ年計画は、2021年10月に作成し、今期(2024年6月期)が最終年度に当たりますが、経営環境の変化を踏まえて、今年度の適切な時期に新3ヶ年中期経営計画を公表する予定となっております。

自己資本比率、及び株主還元について

前期の自己資本比率は、この1年でみると2022年6月期の7.0パーセントから2023年6月期の9.1パーセントへと、アセットが増加する中でも、主に利益の積み上げによって改善してきております。今年度についても、利益剰余金の増加により自己資本の増強を図ってまいります。

株主還元については、2023年6月期1株当たりの配当金は、上期3円、下期5円で、年間配当を8円といたします。これは、昨年の株式分割(1株を3株に分割)前の換算では年24円に相当し、2022年6月期の年間配当額18円から増配をしたものです。今後も、株主還元については、内部留保の積み上げと、安定した株主還元のバランスを勘案して決めてまいります。

【海外Topics1】 米国パネル新工場 (VSUN)

まず、海外からご説明しますと、Topicsの①として、VSUNが米国市場への直接投資を視野にパネルの新工場建設を検討しております。米国市場のパネル需要は、拡大基調が継続しており、米国政府も国内生産を積極的に奨励しております。

【海外Topics2】 第4工場、2023年1月より順次稼働 (VSUN)

海外Topicsの②として、VSUNでは、受注拡大に伴い、今年1月の第4工場建設による生産能力の拡大とともに、パネルの世代交代への迅速な対応を目指し、年間生産能力を2.6ギガワットから5ギガワットに増加し、順次稼働率を向上させております。

【海外Topics3】 セル工場の建設 (VSUN)

そして海外Topics③のセル工場建設ですが、VSUNにおける太陽光パネルの主要部品であるセルを外部購入から自社生産へ切り替えるもので、投資総額は3億ドル(約435億円)となります。サプライチェーンの川上を強化することで、主要部品の安定調達や各国の輸入規制にも柔軟に対応していくこと、及び部品の内製化によるコストの逓減を図ることとし、利益率の向上を目指してまいります。

なお、セル工場建設の第1フェーズとして、生産能力3ギガワット、所要資金設備投資額1.8億ドル(約261億円)のセル工場を建設中であり、今年10月の完成を予定しております。

■資金調達について (VSUN)

これらの設備投資には、ベトナム最大の国営銀行であるベトナム投資開発銀行(BIDV)等からファイナンス面での全面的な支援が得られております。

【海外Topics4】 NASDAQ上場(SPAC)に向けて

海外トピックス④として、ベトナム子会社の米国NASDAQ上場についてご説明いたします。これは、特別買収目的会社(SPAC)を活用して、ベトナム子会社のVietnam Sunergy Cell Company Limited(通称CellCompany)を実質上場させ、資本面の調達を目指してまいります。繰り返しになりますが、これは、太陽光パネル製造事業における当社の世界展開を見据え、必要な資金調達の多様化を念頭に置いたものであります。

【国内Topics1】 Offsite Corporate PPA の推進 (グリーンエネルギー事業)

一方、国内のTopicsですが、Topics①として、当社は、連結子会社WWBと三井物産プラントシステムさまと「Offsite Corporate PPA型太陽光発電事業協同開発に関する覚書」を締結しました。自家消費型太陽光発電 の1つであるオフサイトPPAについては、今後大きく期待できる事業領域であり、大手商社グループさまとの大変有意義な協業と考えており、重要プロジェクトと位置づけております。

【国内Topics2】 蓄電池事業 開始 (グリーンエネルギー事業)

Topics②として、系統用蓄電池事業に新規参入いたしました。これは、三菱電機さまなど5社と系統蓄電池の設置・運用を協業して進めていくものであり、再エネの有効活用・普及につながるものです。

【国内Topics3】 発電所 売電開始(グリーンエネルギー事業)

国内Topics③は、先ほども触れましたが、自社保有の大規模な太陽光発電所である宮城県の大和町・大衡村太陽光発電所で売電を開始いたしました。これは約17メガワットの規模があり、初年度年間売電収入は約4.7億円と、当社グループでは、角田太陽光発電所の18メガワットに次ぐ大規模な自社保有案件となっております。

■サステナビリティ・リンク・ローンの活用について (グリーンエネルギー事業)

サスティナビリティ・リンク・ローンの活用については、ご覧のとおりで、ESG・SDGs経営に活用してまいります。

Q&A (1)

冒頭に申し上げましたとおり、ここで、決算発表後に株主さまから多く頂戴しましたご質問にQ&A方式でお答えします。

まずはじめに、「①決算発表の延期に係る経緯等について」ですが、当初予定8月14日の決算発表を8月21日に延期しました。決算の最終確定を前週の3連休の間で見込んでおりましたが、最終精査が間に合わず、年度決算でもあり、決算発表後に数値の訂正等は避けなければならず、慎重に最終精査を行うために決算発表時期について、東証の50日ルールの範囲内で対応したものです。

その後、最終精査が、延期発表日以前に完了する見通しとなったために、前倒ししての8月18日に決算発表を行った次第です。

延期の主な原因は、会社の成長スピ-ドが急であり、これまでもリソースを継続して補強・強化してまいりましたが、連結売上高が前期比2.4倍、資産が前期比1.7倍と大幅な増加となったことに比例して、経理処理、精査、チェック等の各工数(作業ボリューム)が想定以上に増加したことによるものです。

この度の、決算発表の延期を厳粛に受け止め、今後は連結決算に係る工数増加を見越し、余裕を持った決算スケジュールを組成の上、計画的な連結決算を完遂し、45日以内の開示を厳守いたします。

続きまして、「②IRセミナー(2023年6月30日開催)における発言等につきまして」です。当社IRセミナー(2023年6月30日開催)において、 2023年6月期の連結業績予想に関して、上方修正の可能性に関する発言がございましたが、これに関して、補足させていただきます。

太陽光パネル製造事業のセグメント利益は、第3四半期に比して、第4四半期に低下しました。これは、売上総利益は利益率の上昇により利幅が改善しましたものの、会計上、売上計上前に一部発生する販売費の割合が増加したためセグメント利益率が若干下がったことによるものです。これらの販売費は会計処理上、一時的に上下しますが、結果として、改善されていくものであります。

本セミナー開催の時点では、セグメント利益の変動要因を十分に予見できず、上方修正の可能性に関する発言に至りましたが、今後は、将来数値の予見に関する発言には十分注意の上、フェア・ディスクロージャーに努めてまいります。

お問い合わせに、「第4四半期の下振れは期ズレによるものか?」とのご質問を頂戴しておりますが、ご指摘いただいたような内容の発言・発信は当社において行っておりません。

2024年6月期の連結業績予想については、中期経営計画(2022年6月期から2024年6月期)をベースに、発表時点において、合理的な前提条件等に基づいて算出しております。

これについて、セル工場(第1フェーズ、 2023年10月完成予定)の完成後には、営業利益率が倍増する主旨の発言がございましたが、セル工場建設の主たる目的は、主要部品の安定調達による川上・サプライチェーンの安定化や、各国の輸入規制への対応を行い、中長期的な市場競争力の強化を図ることにあります。

外部調達から自社生産への転換により、結果として、製造コストの削減を通じて、緩やかな利益率の向上につながるものと見込んでおります。本件についても、フェア・ディスクロージャーが求められております。

Q&A (2)

「③『営業活動によるキャッシュ・フロー』における『その他』140億円の内訳について」です。前期は、営業キャッシュ・フローがプラスとなり、その内訳は、好調な税前当期純利益147億円と「その他」140億円が寄与していることから、「その他」の内訳についてお問い合わせをいただいたものです。

これは、VSUNの未払費用の増加(91億円増)及び資産の未収入金の減少(22億円増)であります。未払費用とは輸出コスト、仕入コミッション、輸入関税です。

「④契約負債について」です。2023年6月期の契約負債が大きく膨らんでおりますが、負債とあるため、借入ではないかとのご質問を受けております。

この契約負債とは、製品の販売先から事前に前渡金を受け取った場合に用いる会計上の勘定科目で、キャッシュ・フロー上もプラスに寄与するものです。今後も、売上が伸長してきますので、この勘定科目も増加することが見込まれます。

「⑤セル工場の建設主体について」です。ベトナムのセル工場建設を担っている企業名について、お問い合わせを頂戴しております。

これについては、「当社子会社と BLUE WORLD ACQUISITION CORPORATION との基本合意書(Business Combination Agreement)の締結に関するお知らせ」(2023年8月10日)、及び「当社子会社(孫会社)の設立に関するお知らせ」 (2023年8月18日)に掲載しておりますが、 VSUNの子会社である Cell Companyが、当該セル工場の建設を担っている運営企業でございます。

なお、 TOYO Co., Ltd. (以下、TOYO Co)は、当社子会社のFUJI SOLAR株式会社が設立した特別目的会社であり、TOYO CoはCell Companyの親会社として、今後、NASDAQ上場を目指してまいります。

「⑥VSUNの借入れについて」です。VSUNは、設備投資が旺盛であり、多額の借入金返済に懸念はないかとのお問い合わせですが、VSUNの長・短合計の借入金は273億円であるのに対して、返済原資(セグメント利益+減価償却費)は概算で135億円あり、償還期間は約2.0年であることから、返済に特段の懸念はございません。

なお、ベトナムの取引銀行には借入額3,000万ドル以上の銀行が4行ありますが、発展途上の国に共通することとして、事業の素質がある輸出企業は、外貨を獲得してくるため、どの国も国営銀行の手厚いサポート制度があり、VSUNも同様に、国営銀行を中心にサポート体制が確立しております。

Q&A (3)

「⑦迂回輸出に関する米国の規制対応について」です。米国商務省は、2023年8月18日付プレスリリースにて、中国系の太陽光発電製品メーカー数社に対して、中国の太陽光発電製品(セル・モジュール)に課しているアンチダンピング税(AD)、補助金相殺関税(CVD)を回避する目的で、東南アジア4カ国(カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナム)を経由するかたちで、米国へ迂回輸出していることを最終決定する旨の発表を行いました。

これは、一部の製造企業が、これらの東南アジア4ヶ国のいずれかの国にて、太陽光発電製品(セル・モジュール)の軽微な加工のみを行い、米国へ迂回輸出しているとの問題について、調査したものです。同省のプレスリリースによれば、当社グループのVSUNは、迂回輸出の認定企業にも非認定企業にも該当しておりません。

本発表では、米国の関連法令において、アンチダンピング税(AD)、補助金相殺関税(CVD)を回避する目的で、第三国において完成または組み立てされている証拠が得られた場合には、米国商務省による調査を実施することがある旨の注意喚起がなされております。当社グループでは、セル生産の内製化や米国市場への直接投資を視野に入れ、検討を開始するなど、主要部品の安定調達、各国の輸入規制等に対応し得るサプライチェーンの構築を進めております。

以上、ご質問が多かった7項目についてご説明申し上げました。

最後となりますが、今回の決算発表の延期以降、株価が乱高下している局面において、株主、投資家のみなさまには大変ご心配をおかけし申し訳ありません。当社は、グリーンビジネスを通し、脱炭素社会実現に向けて貢献することを使命としており、前期の過去最高益に満足することなく、さらなる成長を見据えて、みなさまのご期待に応えるよう精進してまいる所存です。今後ともよろしくご支援を賜れれば幸いでございます。ご清聴、ありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス

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