マネーフォワード、中堅企業ARRがYoY+66%に加速 売上高・SaaS ARRの通期見通し上方修正
2023年11月期 第2四半期ハイライト
辻庸介氏:みなさま、こんにちは。マネーフォワードの辻です。本日はお忙しいところ、お時間をいただき誠にありがとうございます。それでは2023年11月期第2四半期の決算説明をさせていただきます。
まず、全社業績ハイライトです。上期の好調な事業進捗を踏まえ、売上高・SaaS ARRの通期見通しレンジを上方修正しました。詳細は後ほどご説明します。
連結売上高は、前年同期比43パーセント増の73億円、SaaS ARRは前年同期比42パーセント増の198.6億円と見通しレンジの上限を上振れています。
特にMoney Forward Businessドメインの法人向けARRが前年同期比48パーセント増の140.2億円と、大きく伸びています。また、EBITDAはマイナス6.2億円と、前四半期の7.0億円から改善し、売上総利益は45.6億円となっています。
従来からSaaS×Fintechを推進していくとお伝えしていますが、Fintechサービスの売上は2年で約3.4倍まで増加しています。また、BSに対して20パーセント以上の限界利益を生み出すビジネスモデルが徐々に実現してきています。
2Q連結売上高は前年同期比+43%と、前四半期に続き成長が加速
詳細についてご説明します。スライドは、連結売上高43パーセント増の内訳です。バックオフィス向けSaaSのMoney Forward Businessドメインが47パーセント増、SaaS Marketingドメインが37パーセント増、Money Forward Homeドメインが36パーセント増、Money Forward Xドメインが58パーセント増、Money Forward Financeドメインが25パーセント増と、全ドメインで順調に成長しています。
SaaS ARRは前年同期比+42%の高成長を維持
SaaS ARRは全体で42パーセント増ですが、Money Forward Homeドメインのプレミアム課金が29パーセント増、Money Forward Businessドメインの個人事業主が23パーセント増、Money Forward Businessドメインの法人が48パーセント増と最も強く伸びています。また、Money Forward Xドメインのストック売上高が44パーセント増、Money Forward Financeドメインのストック売上高が37パーセント増と、順調に成長しています。
SMB、中堅企業両領域において高成長を実現し、Businessドメインの法人ARRは前年同期比+48%
特に成長が力強いMoney Forward Businessドメインの法人の内訳についてです。大型顧客の獲得およびクロスセルの増加が順調に進んでいます。特にSMBは38パーセント増と順調に成長しています。さらに中堅企業以上が66パーセント増と、前四半期の61パーセントから成長が加速しています。
全社売上総利益/バックオフィス向けSaaS事業”Gross Margin”推移
売上総利益は45億6,400万円で、売上総利益率は63パーセントと順調に成長しています。また、バックオフィス向けSaaS事業はGross Margin Rateが85パーセントと、引き続き高いバックオフィスマージンを維持しています。
EBITDA(四半期推移)
EBITDAは第1四半期比でマイナス7.0億円からマイナス6.2億円、EBITDAマージンはマイナス10パーセントからマイナス8パーセントと、それぞれ改善しています。また、広報宣伝費を除いたEBITDAは約7.0億円となっています。
売上原価・販売費及び一般管理費の構造(対売上高比率)
コストの内訳です。売上高対比で見ると、人件費は若干低下し58パーセント、広告宣伝費は18パーセントとなりました。広告宣伝費は見通しの下限をやや下回る13.1億円で着地し、人件費は採用ペースを抑制したことでコストコントロールにつながりました。現在、1人あたりの生産性を向上することに注力しており、その結果が徐々に出てきていると考えています。
従業員数の推移
従業員数の推移です。新卒社員の入社により、前四半期比で71名増の1,988名となっています。純増は新卒社員増加分と考えていただければ結構です。
売上規模の拡大と人員採用の抑制により、従業員1人当たり年間売上高・ARRは改善
先ほどお伝えしたとおり、1人当たりの生産性向上を目指し、社内でさまざまな生産性改善の取り組みを行っています。
左側のグラフは、従業員1人当たりの年間売上高の推移を示しています。現在、1,468万円と右肩上がりに成長しています。また、従業員1人当たりのARRの推移も1,000万円近くに達してきています。こちらをさらに改善していくことが、直近の経営の大きなミッションとなっています。
2Q見通し比較(売上高/ SaaS ARR)
第2四半期の見通し比較です。スライドをご覧のとおり、売上高は各ドメインで上振れしています。特にMoney Forward Xドメインが8パーセント増と、ストック売上・フロー売上ともに伸びています。
バランスシートの状況
バランスシートの状況です。現金及び預金が269億4,400万円、純資産が336億3,400万円と、引き続き高い財務健全性を堅持しています。
現預金残高推移分析
現預金残高推移の分析です。現預金および買取債権の残高は2023年2月末で350億6,900万円、2023年5月末で335億7,500万円です。また、Pay事業の影響を除く事業キャッシュフローはマイナス12億7,900万円となっています。詳細についてはスライドをご覧ください。
Businessドメイン 2023年11月期 第2四半期 ハイライト
続いて、各ドメインの詳細についてご説明します。まず、Money Forward Businessドメインのハイライトです。売上高は前年同期比47パーセント増、課金顧客数は全体で29.5パーセント増、法人で33.7パーセント増となっています。また、ARPAは全体でプラス11.6パーセント増、法人で10.4パーセント増となっています。
中堅企業のARRは52.7億円、前年同期比66パーセントです。法人の顧客解約率は、引き続き0.8パーセントで、3ヶ月平均では0.9パーセントと低位の水準で推移しています。
Businessドメイン 四半期 売上高推移
四半期の売上高推移です。ストック売上(個人事業主)は前年同期比24パーセント増、ストック売上(法人)は前年同期比47パーセント増、フロー売上は前年同期比69パーセント増となりました。
法人の課金顧客数とARPAの成長が継続
課金顧客についてご説明します。法人の課金顧客数は前年同期比33.7パーセント増と、今回は特に力強く伸びており、個人事業主とあわせて合計で27万6,770の課金顧客に使っていただいています。
スライドの右側はARPAです。中央のグラフが全体の推移で、前年同期比11.6パーセント増となりました。法人は前年同期比10.4パーセント増と、着実に増加しています。個人事業主は、前年同期比2.4パーセントの減少となっています。
個人事業主向けのwebプランの料金改定を発表
今回、個人事業主向けのWebプランの料金改定を発表しました。昨今のインボイス制度や改正電子帳簿保存法への対応によるプロダクトの提供価値自体の向上、物価の上昇、開発費の増加などを踏まえて、2023年12月から個人事業主向けの基本料金を改定することを発表しています。
導入事例(1/2)
導入事例についてご紹介します。「マネーフォワード クラウド会計Plus」のユーザーは引き続き順調に増加しています。スライドのとおり、すばらしい企業に導入頂いています。
導入事例(2/2)
2つ目の導入事例をご紹介します。「マネーフォワード クラウド会計Plus」以外のサービスもスライドに記載した企業にお使いいただいており、何千人規模もある上場企業に導入していただくことも増えたと実感しています。
全国の会計事務所との強固なパートナーシップ
我々は、全国の会計事務所とパートナーシップを結んでいます。ご覧いただいている上位100会計事務所のうち、80パーセントが「マネーフォワード クラウド会計」を導入しています。創業以来大事にしている会計事務所とのパートナーシップを、引き続き拡大していきたいと思っています。
全国の大規模事務所での利用も増加
以前から具体的に大規模事務所のお名前を出していますが、今回も事例として3社をご紹介します。
1社目は、税理士法人アクシスさまです。アクシスさまは、我々が創業したばかりの、今よりもクラウド会計の機能が十分ではない頃に、オンプレミス型のソフトから全面的に切り替えをしてくださった、古くからお世話になっている事務所です。徳島県を拠点とした先進的な事務所で、現在2,000社以上に「マネーフォワード クラウド」を導入していただき、顧客の業務全体の効率化を推進していただいています。
2社目は、税理士法人小島会計さまです。北海道で農業を中心とする顧客に対して、各種コンサルやDX支援などのサービスを提供しています。2021年に「マネーフォワード クラウド公認メンバー制度」へ登録いただいて以降、すでに300社以上に導入していただいています。
3社目は、税理士法人アクロスさまです。愛知県の事務所で、2022年12月から本格的にクラウドを使ってくために組織体制を変更され、「マネーフォワード クラウド」の導入を推進し、短期間で200社以上に導入していただいています。
大規模なデータ移管は大変ですが、我々もかなりノウハウが溜まってきているため、引き続き会計事務所のクラウド化のお役に立てるように努めていきたいと思います。
新サービス『スキャンセンター』を提供開始し、会計事務所の記帳代行業務を効率化
今回、「スキャンセンター」というサービスの提供を開始しました。こちらでは、現在5,400事務所に利用されている「STREAMED」をさらに便利なものにするため、資料回収とスキャン作業を一気に行います。さらに会計事務所の記帳代行業務を効率化していく取り組みを進めています。
Homeドメイン 四半期 売上高推移
Money Forward Homeドメインについてご説明します。売上高は前年同期比36パーセント増、Next Solution社のM&Aの影響を除くと前年同期比21パーセント成長となりました。プレミアム課金収入が前年同期比27パーセント増、金融関連サービス収入が前年同期比393パーセント増、メディア・広告収入が前年同期比18パーセント減という内訳です。
『マネーフォワード ME』利用者数 / プレミアム課金ユーザー数推移
「マネーフォワード ME」の利用者数は1,470万人、課金ユーザーは49.8万人と、右肩上がりに成長しています。
『マネーフォワード ME』、投資資産管理に特化した 「資産形成アドバンスコース」で配当予測機能をアップデート
「マネーフォワード ME」の成長を加速させるべく、プレミアムサービスに「資産形成アドバンスコース」という機能を作り、資産形成を促進するユーザー向けに必要なサービスを追加しています。
今回は配当予測機能をアップデートしました。将来的には、過去の配当実績をもとに配当予測機能をアップデートし、お持ちの銘柄を登録すれば自動的に将来のキャッシュフローが見えてくるというサービスを提供したいと思います。よろしければ、ぜひご利用ください。
Xドメイン 四半期 売上高推移
主に金融機関向けのサービスである、Money Forward Xドメインについてご説明します。「Mikatano」シリーズは、地域金融機関のその先にいる顧客のDXをサポートするサービスです。売上高は順調に伸び、ストック売上は前年同期比40パーセント増となりました。また、フロー売上は共創案件により前年同期比80パーセント増となりました。
金融機関等への提供サービス数は引き続き増加
Money Forward Xドメインにおける提供サービス数は149件です。その中でも「Mikatano」シリーズは63件で、金融機関の法人向けサービスの導入が進んでいるところがポイントとなります。
金融機関の法人顧客向けのDXソリューションを強化することで、ストック売上比率60%を目指す
従前からお伝えしているとおり、法人向けサービスの売上比率は、FY24において30パーセント以上を目標としています。実績はFY21が10パーセント、FY22が23パーセントです。また、ストック売上比率は、FY24において60パーセント以上を目指しています。
「Mikatano Meetup」を初開催
このような取り組みを推進する上で、金融機関とのパートナーシップは非常に大切です。東京で初めて開催した「Mikatano Meetup」は、「Mikatano」シリーズ導入金融機関28行の大半にご参加いただき、好事例や取り組みを共有する機会となりました。
個人向け金融商品へのニーズを契約につなげるWebコンテンツ『XIM-Contents』を提供開始
また、個人向け金融商品のニーズを契約につなげるWebコンテンツ『XIM-Contents』の提供を開始し、栃木銀行さまへの導入が決定しています。
Financeドメイン 四半期 売上高推移
Money Forward Financeドメインの四半期売上高は前年同期比25パーセント増となり、請求・決済代行事業(ストック売上)は36パーセント増と伸びています。
HIRAC FUND2号、セミ・ファイナルクローズを実施し、ファンド総額は61.5億円に
Money Forward Financeドメインのファンド事業では、スライドに掲載しているような金融機関を中心に出資いただき、ファンド総額は61.5億円となりました。今回、HIRAC FUND2号のセミ・ファイナルクローズを実施しましたが、1号ファンドもIPO案件が出てきており、よいかたちで進んでいます。
SaaS Marketingドメイン 四半期 売上高推移
スマートキャンプ社のSaaS Marketingドメインも、前年同期比37パーセント増と高成長を継続しています。
SaaSおよびITサービス比較サイトとしては国内初となる、「ChatGPT プラグイン」の提供を開始
ChatGPTやGenerative AIに関しては、我々も非常に力を入れているところです。「BOXIL SaaS」上に投稿された口コミ等の情報が、ChatGPTを通じて連携するかたちを進めています。
4つの成長戦略の進捗
成長戦略の進捗についてです。従前より、スライドに示した4点を成長戦略として掲げています。
①中堅企業のバックオフィス業務を網羅するプロダクトラインナップを提供
まず、中堅企業のバックオフィス向けSaaSの価値向上についてです。直近では、請求書送付の「マネーフォワード クラウドインボイス」や「マネーフォワード クラウド個別原価」といったサービスの提供をはじめています。業務を広く網羅するプロダクトラインナップで、便利に使っていただけるケースが出てきています。
①インボイス制度対応に向けて『マネーフォワード クラウドインボイス』送付機能を2023年6月にリリース
昨今話題のインボイス制度に向けて、2023年6月に「マネーフォワード クラウドインボイス」の送付機能をリリースしました。取引関係書類の送付自動化や紙のデジタル化を企図したもので、もちろんインボイス制度や電子帳簿保存法に対応しています。すでにGENDA GiGO Entertainmentさまやメイコーエンベデッドプロダクツさまに導入を決定いただきました。
①インボイス関連プロダクトの特設LPをリリース
「このプロダクトは業務にどう使ったらよいのか?」というユーザーの声が非常に多いため、いろいろなお問い合わせや疑問等にお答えするかたちで、インボイス関連プロダクトの特設ランディングページをリリースしました。
①『マネーフォワード クラウド固定資産』の導入により、固定資産業務にかかる工数を大幅に削減
従業員数3,700名のエス・エム・エスさま、およびグループ会社10社に「マネーフォワード クラウド固定資産」を導入いただきました。
①既存プロダクトのアップデートによるユーザー体験の向上(1/3)
既存プロダクトのアップデートを3つご紹介します。1つ目は、「マイページ機能」の提供です。我々はプロダクトごとに分けたモジュールを提供しているため、ユーザー体験を1つにすることが課題です。
「マイページ機能」では個別のサービスにログインすることなく、利用中の機能やお知らせが一覧できます。個別サービス上での作業が必要な場合は、リンクで飛べるようになっており、非常に便利な機能です。
またこれまでは、複数のサービスを併用する際、各サービスにワークフローがあるため、メンテナンスが非常に煩雑でした。「共通ワークフロー機能」を組み込むことで、ワークフロー機能のダブルメンテナンスが不要になり、システム管理者の負担を大幅に軽減できます。
①既存プロダクトのアップデートによるユーザー体験の向上(2/3)
2つ目は、インボイス制度対応のプロダクトに関するアップデートです。取引先のインボイス登録の有無や登録番号をひとつずつ照合するのは非常に手間のかかる作業です。登録番号の「一括照合機能」は、自動的に照合結果を取引先リストに反映するため、確認作業が一切不要となり、インボイス制度対応の負荷を軽減できます。
また、多くのクラウドサービスはログインにメールアドレスが必要ですが、アルバイトや派遣社員の方の中には、メールアドレスを持たない方もいらっしゃいます。そこで、「マネーフォワード クラウド年末調整」では、メールアドレスなしでもログインできるようにしました。
①既存プロダクトのアップデートによるユーザー体験の向上(3/3)
3つ目は、足元で伸びている「マネーフォワード クラウド契約」です。このサービス内では契約に関するいろいろなコミュニケーションが発生しており、「退社されてしまうと内容がわからない」ということが起こってしまいます。そのようなことが一切ないように、サービス内でリーガルの方と現場の方がすべてのコミュニケーションを行えるようなサービスをリリースしました。
また、「マネーフォワード クラウド経費」では、「汎用マスタ」という機能を導入しています。自由度の高いマスタや入力項目を設定可能にすることで、エンタープライズ企業などでニーズに応じた使い方が可能です。この機能は非常にニーズが高いものとなっており、大きなリリースだと考えています。
①スタートアップ企業や上場企業におけるクロスセル事例
クロスセルの事例です。クロスセルは非常に重要になってきており、さまざまなサービスを使っていただくことが増えています。
スライドは、比較的新しい企業であるグラッドキューブさまです。グラッドキューブさまは2018年に「マネーフォワード クラウド会計」「マネーフォワード クラウド経費」を導入した後、「マネーフォワード クラウド給与」「マネーフォワード クラウド請求書」「マネーフォワード クラウド勤怠」「マネーフォワード クラウドマイナンバー」など、さまざまなサービスを比較しながらも当社のサービスを利用されています。
また、2018年創業のTENTIALさまは、我々がHIRAC FUNDでも投資しているウェルネス関連の企業です。着るだけでリカバリーできる服や枕など、非常に体によいヘルスケアのウェルネスブランドを運営されています。TENTIALさまも、「マネーフォワード クラウド経費」から「マネーフォワード クラウド請求書」「マネーフォワード クラウド勤怠」「マネーフォワード クラウド給与」「マネーフォワード クラウド会計Plus」まで利用されています。
①中堅企業におけるクロスセル・グループ会社展開事例
中堅企業におけるクロスセルの事例です。ポニーキャニオンさまは1966年に創業され、長い伝統を持つ企業ですが、「マネーフォワード クラウド経費」を導入後、グループ子会社でさまざまなサービスを導入されています。
また、株式会社ソーシエさまも、最初は「マネーフォワード クラウド給与」「マネーフォワード クラウド会計」のサービスを導入した後、「マネーフォワード Pay for Business」などのさまざまなサービスを利用されています。
このように、いろいろなサービスをご利用いただくことでARPAが向上しています。
①ユーザーに応じて、効率的なセールス&マーケティングを展開
セールス&マーケティングについてです。ユーザーに応じて、プロダクトや販売方法を変えています。
②ドメイン間での相互送客、プロダクト開発の横展開により、シナジーを創出
ドメイン間での送客についてです。Money Forward Homeドメインの「マネーフォワード ME」からMoney Forward XドメインやMoney Forward Businessドメインへの送客、Money Forward Financeドメインへの送客など、プロダクト・グループ全体のシナジーを発揮させているところが今回のポイントです。
②『Mikatano 融資ポータル』と『マネーフォワードクラウド契約』が八十二銀行に導入
「Mikatano 融資ポータル」と「マネーフォワード クラウド契約」が八十二銀行さまに導入されました。八十二銀行さまに「Mikatano 融資ポータル」から「マネーフォワード クラウド契約」を連携いただいたかたちです。
②R&Dにおけるシナジーの創出
R&Dにおけるシナジーの創出についてです。テクノロジーカンパニーを目指している我々にとって、テクノロジーは非常に大事なものです。「Money Forward Lab」などを作りながら、R&Dとして、メールアグリゲーション、証憑自動取得技術、アグリゲーション頻度のコントロール、与信コントロール、データ入力の自動化、ファクタリング手数料率の算出技術などを研究しています。
②プロダクトの継続的な改善による付加価値の向上
Generative AIが話題となっていますが、当社でも社内でさまざまなサービスに導入が進んでいます。「マネーフォワード クラウド給与」のカスタム給与計算式は、Excelでの作成が難解でしたが、テキストで情報を入力すると自動的に式を生成することが可能になりました。
また、「マネーフォワード Admina」はSaaS管理の新しいサービスですが、こちらもテキストで情報を入力すると、後ろでプロンプトが動いて実行してくれます。
③SaaS × Fintech領域における事業展開
SaaS×Fintech領域における事業展開についてご説明します。現在、決済では「マネーフォワード Pay for Business」、請求・債権回収では「マネーフォワード ケッサイ」「SEIKYU+」、資金ニーズ・キャッシュフロー改善では、売掛金の早期資金化や請求書カード払いなど、さまざまなサービスを展開しています。
③Fintechサービスの売上がSaaSの顧客基盤拡大とプロダクトの拡充に伴い、過去2年で3.4倍と大きく成長
Fintechサービスの売上高は2年で3.4倍ほど成長しています。SaaSサービスの既存ユーザーに対して、主にFintechサービスをご利用いただくかたちでサービスが伸びています。ユーザーに使っていただくことで解約率が下がると同時に、ARPAを増やすことを実現させようとしています。
また、Fintechサービスで用いているBSは66億700万円で、Fintechサービスの限界利益が13億8,800万円のため、20パーセント以上の限界利益を創出しています。
一方で、貸倒などのさまざまなリスクもあるため、そのあたりをコントロールしながら進めていきたいと思います。
③『マネーフォワード ケッサイ・アーリーペイメント』の累計取扱高は2,000億円を突破
メインのサービスである「マネーフォワード ケッサイ・アーリーペイメント」の累計取扱高は2,000億円を突破しました。回収率は99.5パーセント以上で、非常に手堅く伸びています。
③約28万の顧客基盤と会計事務所とのパートナーシップにより、限定的な販促費で発行枚数29万枚突破
もう1つのサービスである「マネーフォワード ビジネスカード」の発行枚数は29万枚を突破し、ビジネス用のプリペイドカードとして累計導入事業者数No.1を達成しました。こちらは1パーセントのポイント還元や後払い機能など、私自身がスタートアップ企業の時に欲しかったと思うサービスになっています。
③『マネーフォワード ビジネスカード』、カード利用明細へ領収書添付やメモ入力ができる「証憑・メモ添付機能」を追加
もう1つの我々の強みは、既存のサービスとの連携です。アプリやWebから領収書の添付やメモの入力を行うことで、後で添付する作業が不要になる「証憑・メモ添付機能」を追加しています。経費や会計サービスとあわせて利用することで、生産性が上がり、バックオフィスの工数が減ります。
③インフォマート社と提携し、「掛売決済」に 『マネーフォワード ケッサイ』の与信・保証・督促機能を提供
パートナーとの提携を拡大しています。ご存じのとおり、インフォマートさまはBtoBプラットフォームのすばらしい企業です。そのインフォマートさまの「BtoBプラットフォーム 請求書」で、掛売決済の連携を行いました。取引先の与信審査や代金回収など、スライドに記載しているような業務を「マネーフォワード ケッサイ」が担当しています。
現在、インフォマートさまは年間流通総額が約30兆円あります。そのうちの掛売決済に関する取扱高を5年以内に1パーセントから2パーセントに増やしたいとインフォマートさまは思っていらっしゃいますので、こちらをインフォマートさまと協力しながら支援させていただきたいと思います。
③サービス間連携によるオンラインファクタリングの提供
サービス間連携については、「マネーフォワード クラウド会計」の入出金データをもとにした与信判断を三菱UFJフィナンシャル・グループさまとの合弁会社であるBiz Forwardと進めています。
④当社のM&A戦略及びグループジョイン / 出資の実績
M&Aについては、今回は特に大きな発表はありません。慎重に案件を見ながら進めており、プロダクトラインナップの拡充、TAMの拡大(地理的拡大)、TAMの拡大(事業領域の拡大)という3つの戦略の下、グループジョインのオポチュニティを探しています。
グループの経営体制強化のため、新たに5名の新執行役員が就任
その他の戦略的な取り組みとして、新たに5名の新執行役員が就任し、経営体制を強化しました。石原は7年前の2016年に入社し、経営企画やIR責任者を経て、現在は人事の責任者としてCHOに就任しているほか、DEI(Diversity, Equity & Inclusion)の責任者も担当しています。
また、永井はベトナム拠点のトップとして開発組織を率いてくれています。
松久は創業メンバーである市川の次のCISOとして着任してくれました。外資系ソフトウェア企業などのIT業界の経験が長く、安心して我々のインフラやセキュリティを任せられますので、今回グループ執行役員に登用しました。
島村は外資系で非常に長い経験を持っています。ビジネスカンパニーCROに就任し、現在は営業の生産性向上等に取り組んでもらっています。
木村はマネーフォワードの海外事業における戦略担当として、Money Forward AmericaのCEOに就任し、主に海外事業を引っ張ってもらいます。
MSCI ESGレーティングにおいて、前回の「A」評価から格上げされ、「AA」評価を獲得
MSCIのESGレーティングについては、前回の「A」評価から格上げされ、「AA」評価を獲得しました。
株主構成
引き続き、株主構成に大きな変更はありません。
中期的な成長投資に関する方針及び2023年11月期の見通し
今後の業績見通しについてご説明します。従前からお伝えしているように、売上高成長率はFY21からFY24にかけて、30パーセント増から40パーセント増の達成を目指しています。同時に、FY24のEBITDA黒字化に向けてマージンの改善を進め、FY25以降も収益性の改善を継続して進めます。
冒頭にお伝えしたとおり、上半期の業績が期初計画を上回って進捗しています。そちらを踏まえて、期初における連結売上高274.9億円から296.4億円、YoYで28パーセント増から38パーセント増の成長という計画を、292.1億円から302.8億円、36パーセント増から41パーセント増の成長へと上方修正しました。
また、SaaSのARRも211.9億円から228.2億円、30パーセント増から40パーセント増の成長を、223.3億円から231.4億円、37パーセント増から42パーセント増の成長へ上方修正しています。
FY23の第3四半期の売上高はご覧のとおりの売上高を想定し、EBITDAもマイナス8億円から3億円を見込んでいます。広告宣伝費も、引き続き13億円から15億円ほどの投下を予定しています。SaaS Marketingドメインにおいて、前年同期に大型の「BOXIL EXPO」の売上計上がありましたので、そちらを除く第3四半期の売上高は、65.8億円から69.1億円、YoYで39パーセント増から46パーセント増を見込んでいます。
ドメイン別 第3四半期売上高 / 第3四半期期末SaaS ARRの見通し
ドメイン別の第3四半期売上高の下限見通しと、第3四半期期末のSaaS ARRの下限見通しです。
ドメイン別 通期売上高 / SaaS ARRの上方修正見通し
上方修正後のドメイン別の通期売上高と期末SaaS ARRの下限見通しです。
事業領域及びサービス拡充によりTAMは継続的に拡大
非常に大きなマーケットですので、引き続きしっかりとよいプロダクトを作りながら、ユーザーに価値を提供していきたいと思っています。
私からのご説明は以上です。
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