【IRアナリストレポート】アステナホールディングス(8095)

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最新投稿日時:2023/02/07 10:45 - 「【IRアナリストレポート】アステナホールディングス(8095)」(みんかぶ株式コラム)

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【IRアナリストレポート】アステナホールディングス(8095)

著者:鈴木 行生
投稿:2023/02/07 10:45

~医薬・ヘルスケア、ファインケミカルへ事業変革が本格化~

【ポイント】
・現在は、先行投資の谷間にいる。急激な外部環境の変化もコストアップとなっており、その対応も急務である。大型のM&Aを進めてきたが、新規需要の開拓やそのための設備投資という点で遅れが出た。手は打っているが、業績面で効果がでてくるのは来2024年11月期からで、本格化は中期経営計画の3年目からになろう。

・前2022年11月期は営業利益で前年比-62%と、大幅減益になった。要因は、① CMCを担うスペラファーマの新規需要開拓が遅れ、既存分野の落ち込みをカバーできなかった、②ジェネリック薬品の製造で生産性の低下を招いた、③円安も含めた原料・資源・エネルギー高がコスト負担として響いたことによる。

・中長期ビジョンAstena 2030“Diversify for Tomorrow.”では、CMC(スペラファーマ)のプラットフォームを軸に、新たなニッチトップを目指す。2020年に買収したスペラファーマをコアに、医薬品の開発・製造(CDMO)では、塗り薬に加えて注射剤分野へ展開する。これまでのM&Aを軸とした投資額は全体で約110億円、のれんの償却を入れても営業利益の拡大余地は大きい。

・1)抗がん剤向けなどの高活性原薬や中間体などAPI(有効成分)分野の強化、2)CMC研究開発受託事業の拡大、3)パワー半導体分野での新しい表面処理薬品、4)シルバー世代に強みを持つ化粧品分野の広がりなどをリード役に、事業投資が活発化している。一方で、採算の低い一般用医薬品の卸からは撤退する。これらを含めて、商社から研究開発型製造機能へのシフトを進めており、製造比率は7割に近づこう。

・2025年11月期までの3ヵ年計画では、売上高593億円、営業利益22億円、ROE 5.6%を目標とする。過去のピーク利益水準には戻す予定であるが、資本効率という点ではまだ物足らない。今回の計画は保守的で、ビジネスモデルの変革に、新規需要が乗ってくれば、回復のピッチが早まろう。まずはPBR1.0倍が実現できるような市場開拓に注目したい。

目次
1.特色 医薬品、医薬品原料、化学品で製造機能を強化
2.強み スペラファーマ買収を機に持株会社化を推進
3.中期経営計画 10年ビジョンで収益力の向上を目指す
4.当面の業績 先行投資の谷間
5.企業評価 ビジネスモデルの変革に期待

アステナホールディングス <8095>
企業レーティング
株価
(2023年2月6日)
422円
時価総額 172億円
(40.77百万株)
PBR 0.62倍
ROE 3.0%
PER 20.8倍
配当利回り 4.3%
総資本 63551百万円
純資産 27068百万円
自己資本比率 42.5%
BPS 685.2円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2015.11 55422 559 694 -143 -4.3 6.0
2016.11 55121 977 1071 8 0.3 6.0
2017.11 57387 1571 1778 1241 37.9 7.5
2018.11 60083 1849 2000 1414 43.8 10.5
2019.11 61647 2121 2318 1533 47.0 13.0
2020.11 65341 2035 1968 1983 60.3 16.0
2021.11 72322 2233 2420 1736 46.9 18.0
2022.11 49636 819 887 579 14.6 18.0
2023.11(予) 51500 720 410 10 0.3 18.0
2024.11(予) 55000 1300 1200 800 20.3 18.0

(2022.11ベース)

(注)(予)はアナリスト予想。ROE、PER、配当利回りは来2024.11期予想ベース。

企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/asutenaHD202302.pdf

(開示)日本ベル投資研究所は、事業変革に関する実態と手続きの詳細を分析するために、当社株式10000株を少数株主として中長期的に所有している。〔アナリストレポートの原則についてはこちら

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配信元: みんかぶ株式コラム

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