米ドル/円、介入警戒感の中「150円」トライとなるか

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最新投稿日時:2022/10/14 10:28 - 「米ドル/円、介入警戒感の中「150円」トライとなるか」(津田隆光)

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米ドル/円、介入警戒感の中「150円」トライとなるか

著者:津田隆光
投稿:2022/10/14 10:28

「32年ぶり高値」は介入動意となるか

米ドル/円・日足・複合チャート
米ドル/円・日足・複合チャート出所:マネースクエアFXチャート

【注目ポイント】DMI(方向性指数)の動向
【シナリオ①】「+DI>-DIのさらなる乖離拡大」なら、「150.000円」に向けた上昇も
【シナリオ②-1】「+DI>-DIの乖離縮小」なら、「145.000円」付近までの下押しも
【シナリオ②-2】サプライズ材料出現なら、「140.000円」付近までの刹那的な下落も
【注意事項】本邦当局による為替介入(=米ドル売り、円買い)


13日に発表された米9月CPI(消費者物価指数)結果が事前予想を上回ったこともあり、「FRBのタカ派姿勢継続/長期化」→「米10年債利回りの上昇」→「米ドル高」の流れとなり、米ドル/円も一時98年8月時高値に迫る「147.649円」まで上昇しました。


上図にある各メルクマールを見てみると、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足を上放れる“好転”となっていること、3) ローソク足の下方に分厚い青色雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)で+DI>-DIの乖離が拡大し、ADXが右肩上がりとなっている(上図赤色点線丸印)ことから、米ドル/円・日足チャートは上昇トレンド継続を示唆するチャート形状であると判断します。

その他メルクマールでは、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する“上昇バンドウォーク”となっていること、また、ⅱ) BB・±2σラインが拡張する“エクスパンション”が示現していることを合わせると、今後の米ドル/円はさらに上昇モメンタムが強まる可能性も。

目先の注目ポイントは・・・DMI(方向性指数、上図黄色矢印)の動向。

筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)


[シナリオ①]
これからの時間にかけて、「+DI>-DIのさらなる乖離拡大」となった場合は、もう一段の上値切り上げとなりそうです。当該ケースでは、「上昇バンドウォークの継続」や「エクスパンションの進展」も伴いながら、心理的水準である「150.000円」に向けた上昇も視野に入れるべきでしょう。チャートのアナロジー(類比)観測とともに、ファンダメンタルズ材料である日米金融政策のベクトル観測も合わせて勘案すると、当該シナリオ実現の蓋然性(がいぜんせい)が高そうですが、足もとでは本邦当局による為替介入(=米ドル売り、円買い)には要警戒の時間帯と言えるでしょう。

[シナリオ②]
一方で、「+DI>-DIの乖離縮小」となった場合は、一旦「上昇小休止」となる可能性も。当該ケースでは、「上昇バンドウォーク崩れ」や「SARの売りサインへの転換」も伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MAを基準とする「145.000円」(上図Ⓐ緑色線)付近までの下押しもあり得そうです。ただし、現時点では、青色雲が分厚い形状(=強い下値抵抗帯)となっていることから、下値余地は限定的と言えそうです。とは言え、サプライズ的な材料(ex.大規模な為替介入など)が出現した場合は、青色雲の下辺である先行2スパンを基準とする「140.000円」(上図Ⓐ’水色線)付近までの刹那的な下押しは考慮すべきでしょう。


そんな中、日本時間本日早朝、鈴木財務相と黒田日銀総裁との共同会見において、「投機による過度な変動は容認できず、為替市場の動向を高い緊張感をもって注視していく」(鈴木財務相)との円安牽制発言があったものの、為替市場はほぼ無反応。G20(主要20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)出席のため訪問しているワシントンで、鈴木財務相は「(イエレン米財務長官とは個別で)会っていない」との発言もあり、「日米協調為替介入の実現性希薄との思惑浮上」→「米ドル買い、円売りの加速(=催促相場)」となり、米ドル/円の上昇フローに拍車が掛かる可能性も。


上記[シナリオ①]でも記載した本邦当局による「米ドル売り、円買い」の為替介入については、本日14日および週明け17日以降も十分警戒しつつ、米ドル/円の基本的な投資スタンスは引き続き「打診買い」および「押し目買い」が奏功する相場付きとなりそうです。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想

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