先週は、26000~27000円の想定よりも、少し狭いレンジの動きとなりました
先週の予測では、神経質な米株式に連動し、日経平均は26300~27300円のレンジの中で動きとし、この中で上値は18日(水)の27053円としました。しかし、週始めの23日(月)に一時△308円の27047円まで上昇するものの、目先はここが上値の限界で、安値は25日(水)26578円となり、結局、先週は米国株式は堅調だったものの、26500円(安値26578円)~27000円(高値27047円)のレンジの中の動きで終わりました。
ただし、米国株は堅調と言っても、24日(火)のNYダウは一時▲514ドルまで下げてショートカバーでマイナス分を急激に縮小し、小幅安の▲48ドルで終わるという上下動の展開が続いています。
一方、ハイテク株はリバウンドがあっても単発的で下降トレンドを脱する状況でありません。そのため日経平均も上値を追うには用心深くなっています。
先週は、26500~27000円のレンジの中で、もみあったあと週末は前日の米国株式の3指標そろっての大幅上昇を受け、週末は、朝方こそ△342円の26947円で寄り付き、一時△391円の26996円まで上昇するものの、フシ目となる27000円を前に戻り売りとなり、後場、前半には△126円の26731円まで押し戻されました。その後、持ち直すものの、戻りは限定的で値ガサ半導体関連株が堅調で△176円の26781円と4日ぶりに反発となりました。
今週も国内に目新しい材料はなく、米国株にらみの主体性のない相場となります。上値は重く下値は堅く戻り売り、押し目買いの流れが続いています。
週末の米国株式は、朝方、発表された4月の個人消費支出物価指数の減速が示されたことで、インフレ加速への懸念が後退し、NYダウは△575ドルと6日続伸し、ナスダックは△390P、S&Pは△100Pと3日続伸で3指標そろって大幅高となりました。
FRBの物価の目安とするコア指数は前年比で+4.9%と2ヶ月連続で伸びが鈍化し、長期金利の低下もハイテク株の上昇材料となりました。セクター別では、自動車・自動車部品、半導体・同製造装置が大きく上昇しました。週間ではNYダウとS&Pが2020年11月以来の大幅高となっています。シカゴの日経先物は△330円の27140円でした。
米国のリバウンドにつれて、日経平均もリバウンド相場入り
先週は、米国市場は下げ一服となるものの、日経平均は上値の重い展開が続きましたが、週末は△176円の26781円と4日ぶりに反発して前週の終値(26739円)より少し高く引けていますので、上値を試す方向にあります。
そういう状況の中で先週末の米国の物価上昇率の減速を受けて、インフレ加速への懸念が後退し、米株3指標は大幅上昇で終わり、シカゴの日経先物は△330円の27140円となっています。
これまでは、米株(特にNYダウ)に連動する日経平均も、それほどの影響はありませんでした。そのため、27000円水準を上値に上昇できない状況でした。しかし、先週末のNYダウとS&Pの週間での上昇は、NYダウで+6.2%と9週ぶりの反発で最高値からの下落率は-10.1%、S&Pは+6.5%と8週ぶりの反発で下落率は-13.7%のところまで戻しています。但し、ナスダックの戻りは-25.2%と、まだ弱気相場の中にあります。
日経平均がNYダウに連動するとすれば、直近の目先の高値とした18日(水)の27053円、その上の5月6日(金)の27072円を突破して、4月21日の27580円を試すことになります。
米国の金融引締めに対する警戒感は、当面の方向については織り込まれていると思われます。7月のFOMCまで3会合続けての0.5%の利上げをシナリオとしてマーケットは物価の動向を睨んで強弱感を調整する局面に入ると思われます。
日経平均の25日移動平均線と75日移動平均線では、26700円近辺でもみあっており、カギを握る米国株が先週末、大幅上昇となったことで、日経平均も27000円を超えて上放れし、リバウンドに転じることになります。
日米ともにチャートの好転には週足での52週移動平均線をぬかなければなりませんが、52週移動平均線に近づくリバウンドも想定されます。
現在の52週移動平均線は、日経平均で28046円ですので、現時点からうまくリバウンドすれば1000円の上昇も考えられます。リバウンドを期待して、まずはレンジを27000~27600円とします。目先のリバウンドは6月10日のメジャーSQまでがポイントとなります。
本日30日(月)は、前週末の米国株式市場でインフレ加速への懸念が和らぎ、主要3指数が大幅上昇した流れを受け、買い優勢で始まり、また時間外取引で米株価指数先物が高く、上海株やハンセン指数の上昇も支えとなり、上げ幅を拡大する流れとなり、後場の後半には27401円まで上伸しました。その後も高値圏で推移し、△587円の27369円で引けました。東証プライム銘柄は84%が上昇した。
(指標)日経平均
先週の動き
先週の予測では、26300~27300円のレンジを想定しましたが、この中で上値は18日(水)の27053円としましたが、23日(月)に27047円まで上昇して、ここが目先のピークとなり、25日(水)に26578円まで下げて、その後の動きは26600円台となりました。週末の27日(金)は、前場は△391円の26996円まで上昇するものの、終値では△176円の26781円と4日ぶりの反発で引けました。戻り売りの押し目買いの流れが続いています。
今週の動き
米国の先週末の動きをみると、リバウンドに入ったようで、日経平均も連動する可能性があります。とりあえず4月21日の27580円を目指すことになります。本格的な戻りは週足で52週線のある28000円水準を突破することですが、それまでは上下動しながらリバウンドとなりそうです。カラ売りも煮詰まっており、買い戻しもサポート要因となります。
(指標)NYダウ
先週の米国株式は、大きな上下動はあるものの終値ではプラスの動きとなって下値ゾーンで戻りを試す動きとなりました。NYダウは、FOMCの議事録公開後に反発し、小売売上が堅調となったことで、5月26日(木)までは5日続伸となりました。さらに週末の27日(金)は、4月個人消費支出物価指数で上昇率が減速し、インフレ懸念が後退し、インフレのピークアウト期待が高まり、NYダウは△575ドルの33212ドルまで上昇して引けました。
今週は、30日(月)がメモリアルデーで休場となります。先週、後半の動きから米株式は底入れしたとの見方もでていますが、FRBの利上げは、いずれ景気後退につながるとの懸念も根強く、ある一定期間のリバウンド相場と見たほうがいいでしょう。
決算シーズンが一巡したことで、市場の注目はFOMCに移りますが、その前の6月3日の5月雇用統計が市場予想を大きく上回れば利上げペースに対する懸念が再燃する可能性があります。
(指標)ドル/円
先週の動き
先週のドル・円は、強含みで週前半には128.08円まで買われました。その後は米経済の減速懸念が高まり、今年後半に利上げ停止の可能性が浮上、米長期金利は伸び悩みドル買いは拡大せず127.50円近辺で上げ渋りました。
今週の見通し
FRBは金利引締めのスタンスを変えていないため、景気減速への懸念が高まっています。6月3日の米雇用統計が悪化する見方が少ないことや、日本銀行は現行の金融緩和を維持する方針のため、日米金利差拡大の思惑は後退しないので、ドル売り・円買いが強まる可能性は低いとみられドルは下げ渋りの動きか。
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