“空中戦相場”には要注意!
【注目ポイント】月足チャート・DMI(方向性指数)の動向
【ターゲットプライス】「125.860円」(15年6月時高値)
【注意点】「空中戦相場」→「120.000円」近辺までの修正も
23日に16年2月以来となる「121円台」に到達した米ドル/円ですが、昨日(24日)の終値ベースで早くも「122円台」に到達。15年12月以来6年3カ月ぶりの水準まで上昇しています。(上図黒色点線)
今月中旬以降の日米金融政策スタンスの明確な相違(乖離)を背景に、基本的に円売り主導の相場付きとなっており、“黒田プット”がその追い風となっていることも勘案すると、次なるターゲットプライスは、15年6月時高値である「125.860円」(上図緑色線)と見て良さそうです。
その米ドル/円の動きを俯瞰的に見るために、月足チャートを見ていきましょう。
上図の各メルクマールを見ると、1) 20カ月MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足を大きく上放れる状態となっていること、3) ローソク足の下方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、4) BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが拡張する“エクスパンション”となっていること、そして、5) DMI(方向性指数)で、+DI>-DIの乖離が拡大し、ADXが右肩上がり推移となっていることから、米ドル/円・月足チャートは、上昇トレンド継続を示すチャート形状であると判断します。
そんな中、上述したDMIに焦点を当てたトレンド観測をしてみると、14年10月以降の米ドル/円については以下のようなフェーズ(局面)に分けることが可能です。
■14年10月~16年1月:「上昇トレンド期」(+DI>-DI、上図赤色枠①)
■16年2月~17年4月:「下降トレンド期」(-DI>+DI、上図青色枠②)
■17年5月~17年12月:「上昇トレンド期」(+DI>-DI、上図赤色枠③)
■18年1月~19年4月:「レンジ相場期」(+DI≒-DI、上図黄色枠④)
■19年5月~21年4月:「下降トレンド期」(-DI>+DI、上図青色枠⑤)
そして、現在は21年5月から継続する「上昇トレンド期」(+DI>-DI、上図赤色枠⑥)のフェーズ(局面)であることが視認できます。特に21年9月以降、「+DI>-DIの乖離拡大」とともに「ADXの上昇」が示現していることから、昨今の月足チャート・DMIでは“最強クラスの強気シグナル”が示現していると見て良いでしょう。
一方で、気になるポイントは・・・現在のレートが「買われ過ぎライン」を示唆するBB・+2σライン(≒119.340円)をオーバーシュートしている点。一般的には、「一旦の反省/修正相場」→「下押しフロー」が発生してもおかしくない水準とも言えるため、ここもとの「空中戦相場」にはある程度注意した方が良さそうです。よって、足もとではBB・+2σラインをやや上回る「120.000円」近辺までのヘルシー・コレクション(=健全なる調整/修正)は「十分あり得る水準」と捉えても良さそうです。
繰り返しながら、足もとでは『買いにくい相場は高い※』という相場格言を地で行く相場付きとなる中、エントリーに際しては適宜「ストップロス」や「OCO」、あるいは「トレールストップ」といった出口戦略を伴うトレード方針を取るのも一案と言えるでしょう。(※心理的に「買いにくい」と思う相場ほど、結果的にはさらに高くなるケースが多いとの経験則のこと。二の句は『買いやすい相場は安い』。)
最新人気記事
新着ニュース
新着ニュース一覧-
今日 09:00
-
今日 08:55
-
今日 08:30