コロナで加速、「中古住宅」ニーズの「新築」超えで“商機到来”上昇株 <株探トップ特集>

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最新投稿日時:2022/02/10 19:30 - 「コロナで加速、「中古住宅」ニーズの「新築」超えで“商機到来”上昇株 <株探トップ特集>」(株探)

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コロナで加速、「中古住宅」ニーズの「新築」超えで“商機到来”上昇株 <株探トップ特集>

配信元:株探
投稿:2022/02/10 19:30

―価格の安さや良好な住宅取得環境が追い風、ポストコロナでも市場は活況継続へ―

 新型コロナウイルス感染症の影響によるリモートワークの普及などで、より良い住環境を求める動きが広まっている。特にリモートワークの定着率が全国的にも高い首都圏では、郊外の一軒家やより広いマンションへのニーズが高まり、その一部は中古戸建てや中古マンションへ向かっている。

 ただ、中古戸建てやマンションを求める人が増えているのは、なにもコロナ禍によるものばかりではない。長らく「新築至上主義」と言われ続けてきた日本の住宅事情だが、実はコロナ禍の数年前から新築マンションより中古マンションを選ぶ人が増えている。そのため、ポストコロナ下でも中古戸建て・マンション人気は続くとみられており、関連企業にとっての好環境が続きそうだ。

●「新築至上主義」に変化

 日本の住宅事情では、「いずれ新築のマイホーム」という、いわゆる「新築至上主義」が有名だ。例えばサラリーマンにとってマイホームといえば、「戸建てを新築する」あるいは「新築の分譲マンションを買う」ことであり、そのため日本では約30年の周期で建物を壊しては建て直す「スクラップ&ビルド」を繰り返してきた。総務省が発表した住宅・土地統計調査(2018年)でも、既存(中古)住宅の流通量は、全住宅流通量(既存住宅流通戸数+新築着工戸数)の14.5%に過ぎず、アメリカの約81%、イギリスの約86%、フランスの約70%に比べて低い状態が続いているのが現状だ。

 ただ最近では、「新築至上主義」にも変化が訪れている。不動産経済研究所(東京都新宿区)及び東日本不動産流通機構(東京都千代田区)の統計によると、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)における新築マンションの発売戸数は長く中古マンションの成約戸数を上回っていたが、16年に中古マンションが上回り逆転した。その後も中古マンションが上回る状態が続き、21年では新築マンション3万3636戸に対して中古マンション3万9812戸となっている。

●1平方メートル当たりの単価の低さが魅力

 中古マンションの成約戸数が伸びている背景には、新築物件と比較して割安で新築同様の住まいが手に入ることがある。21年に成約した中古マンションの1平方メートル当たりの単価は首都圏平均で59万8000円で前年比8.4%増と大きく伸びたが、一方の新築分譲マンションの1平方メートル当たり単価は同93万6000円と中古マンションの1.5倍強の価格となっている。つまり同じ金額を出せば1.5倍の広さのマンションを手に入れられることになり、中古マンションの成約戸数が増える主な要因となっている。

 また、インターネットの普及で中古物件の情報が入手しやすくなったことや、築年数の経過とともにリフォームや リノベーションを必要とする住宅ストック数が増加し、中古マンションの供給量が増えたことも一因とされる。

 矢野経済研究所(東京都中野区)が1月18日に発表した「中古住宅買取再販市場に関する調査を実施(2021年)」によると、25年には中古マンションと中古戸建てを合わせた中古住宅買取再販市場は、15年の約2倍に当たる5万戸に拡大すると予想。その理由として、住宅ローンの低金利での推移や住宅取得時の税制優遇措置などの諸政策などで、良好な住宅取得環境が今後も継続する見込みであることなどを挙げている。

●中古マンション再生販売会社などに注目

 中古住宅に対する需要増を背景に参入企業も増え、市場は活性化している。そのため競争も徐々に激しさを増しているが、大手不動産にはない強みで中古住宅に取り組む企業も多く注目したい。

 スター・マイカ・ホールディングス <2975> は、中古マンションへ投資して賃貸し、入居者の退去後にリノベーションで資産価値を高めたうえで販売する独自のビジネスモデルが強み。22年11月期連結業績予想は営業利益47億8600万円(前期比11.6%増)を見込むが、前期第3四半期以降仕入れが急回復しており、今期は過去最高の約1600戸(前期比20.8%増)の購入と約1400戸の販売を予定している。

 LAホールディングス <2986> [JQG]は、売上高の7割弱(21年12月期第3四半期時点)を再生不動産販売事業が占めており、中古マンションを戸別に仕入れ、リニューアルを施し販売するほか、社宅など建物1棟を買い取り、リノベーション後に戸別分譲または1棟全体を売却する。足もとでは都心エリアで展開する1戸当たり1億円以上の「プレミアムリノベーションマンション」シリーズの販売が好調だ。

 イーグランド <3294> は、首都圏と関西エリアを中心とした中古住宅再生事業の草分け的存在で、1次取得者層をメインターゲットとした居住用物件を主に取り扱っている。1月31日に発表した第3四半期累計(4-12月)単独決算は、営業利益21億8800万円(前年同期比2.0倍)と大幅増益で着地。居住用物件の仕入件数は737件(同36.2%増)と順調に増加しており、来期以降の業績への貢献が期待されている。

 インテリックス <8940> は、中古マンション再生流通事業(リノヴェックスマンション事業)の専業大手で、全国主要9都市に拠点を展開していることや、業界に先駆け「アフターサービス保証」などを導入してきたことが特徴。1月13日に発表した第2四半期累計(6-11月)連結決算は営業利益が5億6000万円(前年同期比3.7%増)だった。前期のリノヴェックスマンションの仕入れの減少から今期は厳しい状況が続くが、上期の仕入件数は636件(前年同期比14.2%増)と回復に向かっている。

 カチタス <8919> は、一戸建てを中心に中古住宅を仕入れ、リフォームして販売までを一気通貫で行っており、都市部よりは地方部をマンションよりは一戸建てを主な商圏・商品としているのが強み。2月4日に発表した第3四半期累計(4-12月)連結決算は、営業利益106億6500万円(前年同期比18.2%増)と2ケタ増益で着地。第3四半期までの仕入件数も5149件(同19.5%増)と順調で、今後の業績へ貢献しよう。

 このほか、リノベーション住宅流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」を運営するツクルバ <2978> [東証M]も要注目だ。先行投資負担で22年7月期単独業績予想は営業赤字を見込むが、昨年12月13日に発表した第1四半期(8-10月)決算で、カウカモ事業の流通総額(GMV)は前年同期比30%増と好調に推移しており、今後の成長に期待したい。

株探ニュース
配信元: 株探

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