テノックス Research Memo(4):M&Aや提携によりラインアップを強化

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最新投稿日時:2022/01/19 15:14 - 「テノックス Research Memo(4):M&Aや提携によりラインアップを強化」(フィスコ)

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テノックス Research Memo(4):M&Aや提携によりラインアップを強化

配信元:フィスコ
投稿:2022/01/19 15:14
■事業概要

3. 事業領域の拡大
テノックス<1905>は近年、M&Aや提携により事業領域の拡大を進めている。同社は地盤改良工事と杭工事の両方を行っているが、地盤改良工事は深層が中心で杭工事は鋼管杭が主力である。これをそれぞれ浅層改良やコンクリート杭へと工法のラインアップを増やし、さらに既存杭の引抜き工事などへと営業領域を広げることができれば、顧客に対してワンストップで総合的な提案が可能となる。したがって、ラインアップの拡充は受注に有利に働くことになり、将来の建設需要減少への対策にもなる(工法が全く異なるため、場所打ち杭には進出しない方針のようだ)。

2020年10月、回転埋設工法であるHIT工法を開発するなど、長年関西を拠点に杭工事や引抜き工事、地盤改良工事などの基礎工事を手掛けてきた広島組と、土木建築用機械や工具の販売、修理、リースなどを行う亀竹産業(株)(2021年2月広島組と合併)を完全子会社化した。広島組の持つ営業地盤と引抜き工事技術の取り込みが最大の目的である。また、2020年12月に、日本ヒュームと業務及び資本提携契約を締結した。同社が持つ杭工事や地盤改良工事の技術と、日本ヒュームが持つコンクリート杭製造技術や施工技術を持ち寄ることでシナジーを発揮する考えだが、特に同社にとってはコンクリート杭の再強化につながる提携といえる。2021年1月には、日本コンクリート工業と業務及び資本提携契約を締結した。提携の目的は、基礎工事分野での協力に加え、日本コンクリート工業の持つ二酸化炭素固定化技術の活用によって脱炭素及び産業廃棄物を活用した循環経済に参画することにある。業務及び資本提携をした2社とは、株式を相互に保有することにより長期的な提携関係の構築・推進を目指している。


強みはラインアップ、施工力、「折り込む力」
4. ビジネスモデルと強み
以上のように同社は、ガンテツパイル工法による鋼管杭工事やテノコラム工法による地盤改良工事という2つの工法を有しており、さらにコンクリート杭や既存杭の引抜き工事、環境問題への対応などへと業容を広げている。このように様々なケースに対応できるラインアップは、同社の強みということができる。また、携帯端末などで施工状況をリアルタイムで確認できる施工管理装置「VCCS」を多くの現場に導入、テノコラム工法では工事開始直後に4週後の強度を予測する「促進養生システム」を開発するなど、どのような現場でも安定した施工品質を確保することができる。また、子会社で工事技能者集団や機材を提供しているため、工程に合わせた安全確実な工事進行も可能となっている。こうした安全確実で高い施工品質も同社の強みといえる。

ところで、建築構造物や土木構造物の建設は、通常ゼネコン(元請、総合建設業者)が下請けを取り仕切って進める。基礎工事に関わる事業者もゼネコンから発注を受けるが、基礎工事は最初にして最重要の工程であるため、発注を前に設計業者(設計コンサルタント・設計事務所)から直接引き合いが来ることが多い。その際同社は、設計業者にラインアップや施工品質などをアピールし工法を提案することができる。その後、設計業者の描いた図面により発注者(施主)がゼネコンに発注し、ゼネコンは専業企業である同社に(100%とは言えないが)発注し、同社は工事完成後にゼネコンに引き渡すという流れになる。このように同社は、ビジネスモデル上はゼネコンの下請けということになるが、バリューチェーンという観点からは設計業者と直接つながる形になっており、豊富な経験とノウハウから同社の技術提案が設計に反映されることが多く、そのためゼネコンから同社が受注する機会が多くなるようだ。これを同社は「折り込む力」と呼び、同社の強みということができる。同社のビジネスモデルの特長は、こうした3つの強みを柱に構成されている点にある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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