[資源・新興国通貨1/17~21のポイント&注目通貨]カナダドル/円:BOCの利上げ観測は高まるか

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最新投稿日時:2022/01/17 13:28 - 「[資源・新興国通貨1/17~21のポイント&注目通貨]カナダドル/円:BOCの利上げ観測は高まるか」(八代和也)

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[資源・新興国通貨1/17~21のポイント&注目通貨]カナダドル/円:BOCの利上げ観測は高まるか

著者:八代和也
投稿:2022/01/17 13:28

今週のポイント

NYダウ(米国の代表的な株価指数)は1月5日に一時36,722.60ドルへと上昇したものの、その後は軟調に推移しています(14日の終値は35,911.81ドル)。米FRBの利上げ観測が米株価の重石となっていると考えられます。豪ドルやNZドルは投資家のリスク意識の変化(リスクオン/リスクオフ)を反映しやすいという特徴があります。主要国の株価が下落するなどしてリスクオフの動きが強まる場合、豪ドルやNZドルは対円や対米ドルで軟調に推移する可能性があります。

19日にカナダと南アフリカの21年12月のCPI(消費者物価指数)が発表されます。CPIが市場予想を上回る結果になれば、BOC(カナダ中銀)とSARB(南アフリカ中銀)の利上げ観測が強まり、カナダドル/円や南アフリカランド/円が堅調に推移する可能性があります。次回の政策会合はBOCが1月26日、SARBは1月25-27日(政策金利の発表は27日)です。

米WTI原油先物が約2カ月ぶりの高値圏にあります。カナダやメキシコは産油国のため、原油高はカナダドル高やメキシコペソ高の要因になりうると考えられます。米WTI原油先物が一段と上昇した場合、カナダドル/円やメキシコペソ/円の支援材料になりそうです。

TCMB(トルコ中銀)は20日に政策会合を開きます。TCMBは21年12月の前回会合で利下げを行った(4会合連続)ものの、声明で「最近の利下げの累積効果を22年1-3月期に監視する」と表明。利下げをいったん停止して政策金利を当面据え置くことを示唆しました。政策金利は今回14.00%に据え置かれそうです。その通りの結果となり、声明の内容も前回から大きな変化がなければ、トルコリラ/円に大きな反応はみられないかもしれません。一方、利下げが行われればサプライズとなり、トルコリラ/円は大きく下落しそうです。

今週の注目通貨ペア①:<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.05000~1.07000NZドル>

20日に豪州の21年12月の雇用統計が発表されます。雇用統計の市場予想は失業率が4.5%と、11月の4.6%から改善するとみられています(本稿執筆時点。雇用者数の市場予想なし)。

市場では、RBA(豪中銀)は2月にも量的緩和の終了を決定するとの観測があります。雇用統計が良好な結果になればその観測は一段と強まり、豪ドルの支援材料となりそうです。豪ドル/NZドルは堅調に推移し、1.06450NZドル(1/5高値)を超える可能性があります。RBAの次回政策会合は2月1日です。

今週の注目通貨ペア②:<カナダドル/円 予想レンジ:90.000円~92.500円>

原油価格の代表的な指標である米WTI原油先物の2月物は14日、前日比1.70ドル(2.1%)高の1バレル=83.82ドルで取引を終了。一時は84.22ドルへと上昇し、中心限月として約2カ月ぶりの高値をつけました。世界経済の回復とともに原油の需要が増加するとの観測のほか、ウクライナ情勢の緊迫化への懸念がWTI原油先物の支援材料となりました。

原油はカナダの主力輸出品です。そのため、原油高はカナダドルにとってプラス材料です。WTI原油先物が一段と上昇すれば、カナダドル/円は底堅く推移しそうです。

カナダの21年12月のCPI(消費者物価指数)が19日に発表されます。CPIの市場予想は前年比4.8%(本稿執筆時点)と、11月の4.7%から上昇率が加速し、BOC(カナダ中銀)のインフレ目標(2%を中心に1~3%のレンジ)を大きく上回るとみられています。BOCは早ければ1月26日の次回政策会合で利上げを行うとの観測が市場にはあります。12月のCPIが市場予想を上回る結果になれば、次回会合での利上げ観測が強まりそうです。カナダドル/円は92.170円(1/12高値)超えを試す可能性があります。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想

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