[資源・新興国通貨12/13~17のポイント&注目通貨]トルコ中銀やメキシコ中銀の会合に注目!

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最新投稿日時:2021/12/13 13:08 - 「[資源・新興国通貨12/13~17のポイント&注目通貨]トルコ中銀やメキシコ中銀の会合に注目!」(八代和也)

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[資源・新興国通貨12/13~17のポイント&注目通貨]トルコ中銀やメキシコ中銀の会合に注目!

著者:八代和也
投稿:2021/12/13 13:08

今週のポイント

豪ドル/円やNZドル/円は、投資家のリスク意識の変化(リスクオン/リスクオフ)に影響を受けやすい地合いになりそうです。主要国の株価が堅調に推移するなどしてリスクオン(リスク選好)の動きが強まれば、豪ドル/円やNZドル/円は上値を試すとみられます。豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルについては、米FOMCの結果にも影響を受けそうです。米ドルが全般的に強含めば、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは上値が重い展開になる可能性があります。

カナダドル/円は原油価格(米WTI原油先物など)のほか、15日のカナダの11月CPI(消費者物価指数)に注目です。市場では、BOC(カナダ中銀)は早ければ22年1月の次回政策会合で利上げを行うとの観測があります。CPIが市場予想の前年比4.7%(本稿執筆時点)を上回る結果になれば、22年1月の利上げ観測が市場で高まり、カナダドル/円の上昇材料となる可能性があります。

16日には、TCMB(トルコ中銀)とBOM(メキシコ中銀)の政策会合が開かれます。TCMBは追加利下げを行うとみられる一方、BOMは追加利上げに踏み切りそうです。
***
TCMBは12月10日に為替介入(外貨売り/トルコリラ買い)を実施しました。TCMBが為替介入を行ったのは、12月に入ってから3回目(12月1日、3日、10日)。TCMBは介入した理由として、3回とも「不健全な価格形成」を挙げました。

TCMBによる為替介入の警戒感に支えられて、トルコリラ/円は目先落ち着いた値動きになるかもしれません。

ただ、最近のトルコリラ安の主因として、高インフレにもかかわらずTCMBが利下げを続けていること、そして利下げはエルドアン大統領の圧力によるものとみられることが挙げられます。

TCMBが金融政策を転換(利下げを停止する。そして少なくとも利上げを行う姿勢を示す)しない限り、トルコリラ/円はいずれ過去最安値を更新する可能性があります。

TCMBは12月16日に政策会合を開きます。市場では会合で1.00%の追加利下げを行うことが決定されるとの見方が有力ですが、2.00%の利下げ観測もあります。会合の結果によってはトルコリラ売り圧力が一段と強まる可能性があり、要注意です。

今週の注目通貨ペア①:<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.03500NZドル~1.06100NZドル>

RBA(豪中銀)は7日の政策会合で政策金利を0.10%に据え置くことを決定。また、「少なくとも22年半ばまで週40億豪ドルのペースで豪国債を買い入れる」との方針も維持しました。声明では、「インフレ率が2~3%の目標範囲内に持続的に収まるまで利上げを行わない」と改めて表明。「利上げの条件が満たされるには、ある程度の時間がかかる」との見通しを維持しました。

RBAは一方で、新型コロナウイルスのオミクロン株について、「豪州の景気回復を妨げるほどではない」と指摘。豪景気は22年前半にはデルタ株の感染拡大前の軌道に戻ると予想しました。RBAが豪景気の先行きについて楽観的な見方を示したことは、豪ドル/NZドルの支援材料になりそうです。

今週(12/13- )は16日に豪州の11月雇用統計とNZの7-9月期GDP(国内総生産)が発表されます。本稿執筆時点の市場予想は以下の通り。
・NZのGDP:前期比マイナス4.5%、前年比マイナス1.6%
・豪雇用統計:失業率が5.0%、雇用者数は前月比20.00万人増

新型ウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)の影響によってNZは7-9月期にマイナス成長になったとみられる一方、豪州の雇用情勢は10月から改善すると予想されています。NZが市場予想以上のマイナス成長となり、豪州の雇用統計が良好な結果になれば、豪ドル/NZドルは堅調に推移しそうです。豪ドル/NZドルの上値メドとして、1.06065NZドル(10/12&13高値)が挙げられます。

今週の注目通貨ペア②:<メキシコペソ/円 予想レンジ:5.000円~5.700円>

BOM(メキシコ中銀)は11月の前回会合まで4会合連続で利上げを実施。現在の政策金利は5.00%です。

メキシコの11月のCPI(消費者物価指数)は、総合指数が前年比7.37%、食品やエネルギーなどを除いたコア指数は同5.67%でした。総合指数は01年1月以来、コア指数は01年11月以来の高い伸びを記録。BOMのインフレ目標(3%)の上限である4%から一段とかけ離れました。

インフレの高進を受け、BOMは12月16日の会合で追加利上げに踏み切るとみられます。会合における注目点は以下の通り。
・どの程度の利上げを行うのか(=利上げ幅)
・5人の政策メンバーの投票行動
・インフレに関するBOMの見解

利上げ幅については市場では0.25%との見方が有力なものの、0.50%との見方も一部にあります。そのため、0.25%の利上げを行うことが決定されればメキシコペソ/円は下落する可能性があります。

一方で利上げ幅が0.25%だったとしても、会合で0.50%の利上げを主張したメンバーがいる、または声明でインフレを警戒する姿勢が一段と強まれば、さらなる利上げ観測からメキシコペソ/円の下落は一時的に終わるかもしれません。前回会合時の声明ではインフレについて、「インフレを上昇させている衝撃はおおむね一時的なもの」との見解が示されました。

メキシコペソ/円は、原油価格(米WTI原油先物など)にも影響を受けやすいという特徴があります。原油価格が堅調に推移すれば、メキシコペソ/円の支援材料となりそうです。

メキシコペソ/円のメドは下値が5.080円(11/26安値)、上値は5.645円(10/20&21高値)です。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想

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