アンジェス Research Memo(4):感染症治療薬「AV-001」は米国、カナダの政府機関から追加助成金を獲得

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最新投稿日時:2021/12/06 15:04 - 「アンジェス Research Memo(4):感染症治療薬「AV-001」は米国、カナダの政府機関から追加助成金を獲得」(フィスコ)

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アンジェス Research Memo(4):感染症治療薬「AV-001」は米国、カナダの政府機関から追加助成金を獲得

配信元:フィスコ
投稿:2021/12/06 15:04
■新型コロナウイルス感染症ワクチン及び治療薬の開発状況

2. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬「AV-001」の開発状況
カナダのVasomuneと共同開発を進めている「AV-001」(Tie2受容体アゴニスト化合物)※は、重度の新型コロナウイルス感染症肺炎患者向け治療薬として開発を進めている。肺炎患者は、ウイルスの影響でTie2受容体の働きが抑制されることにより肺の血管機能が壊れ、肺胞に浸出液が入り込むことで肺炎を発症する。「AV-001」はTie2受容体の働きを活性化させる効果があり、これによって血管機能が正常化し、肺胞に浸出液が入り込まなくなることで、炎症を沈静化させるメカニズムとなる。急性肺炎による呼吸不全が新型コロナウイルス感染症患者の死亡原因の一つとなっており、「AV-001」の開発に成功すれば死亡率の低減につながるものと期待されている。

アンジェス<4563>は2018年7月にVasomuneと、急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患を対象とした医薬品の共同開発契約を締結した。具体的には、Vasomuneが創製した化合物「AV-001」(Tie2受容体アゴニスト化合物)について全世界を対象とした開発を共同で進め、開発費用と将来の収益を折半し、また、同社がVasomuneに対して、契約一時金及び開発の進捗に応じたマイルストーンを支払うというもの。同社はHGF遺伝子治療用製品の開発を通じて蓄積した血管領域の疾患に関する知見とノウハウを、今回の共同開発で生かしていく。


開発状況について見ると、米国で実施した第1相臨床試験で安全性と忍容性についての良好な結果が得られたことを2021年3月にVasomuneが発表しており、前期第2相臨床試験開始に向けた最終段階の準備に入っている。「AV-001」の開発にあたっては、米国およびカナダの政府関係機関からVasomuneが助成金を獲得している。米国国防総省からは「医療研究プログラム(Peer Reviewed Medical Research Program:PRMRP)」におけるClinical Trial Awardとして2020年8月に280万米ドルの助成金を受賞したほか、2021年11月には最大640万米ドルの助成金を受賞したことを発表している。同資金は前期第2相臨床試験に活用していく。また、カナダ政府機関のNRC IRAP(the National Research Council of Canada Industrial Research Assistance Program)からは2021年3月に120万加ドルの助成金を受けたが、2021年8月に280万加ドルに増額修正されている。同資金は第1相臨床試験およびカナダ保険省への臨床試験申請に必要なその他の試験のために活用することになっている。

なお、Vasomuneが米国およびカナダで獲得した助成金については、同社の開発費負担に応じてVasomuneから受領することになっており、2021年第3四半期に補助金収入として31百万円を営業外収益として計上している。今後もVasomuneが獲得した助成金については、同様に補助金収入として計上していくことになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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