今週のポイント
BOM(メキシコ中銀)は11日に会合を開きます。会合では追加利上げを行うことが決定されそうです。
OPECプラスは4日の閣僚級会合で追加の増産を行うことを見送りました。原油価格(米WTI原油先物)は堅調に推移する可能性があり、その場合にはカナダドル/円やメキシコペソ/円の支援材料となりそうです。
3日に発表されたトルコの10月総合CPI(消費者物価指数)は前年比19.89%と、上昇率は9月の19.58%から加速しました。一方で、食品やエネルギーなど除いたコアCPIは同16.82%と、9月の16.98%から鈍化しました。TCMB(トルコ中銀)はインフレ指標として、コアCPIを重視する姿勢を示しているため、18日の次回会合で追加利下げに踏み切る可能性があります。追加利下げ観測がトルコリラ/円の上値を抑えそうです。
エルドアン・トルコ大統領の言動には要注意です。利下げを求める発言をエルドアン大統領がすれば、トルコリラ/円は下押しするとみられます。
NZの7-9月期雇用統計は堅調な結果でした。市場では、RBNZ(NZ中銀)の追加利上げ観測が一段と高まっており、NZドルは対米ドルや対円、対豪ドルで堅調に推移しそうです。
今週の注目通貨ペア①:<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.02800NZドル~1.05300NZドル>
RBA(豪中銀)は2日の会合で政策金利を0.10%に据え置く一方、「24年4月償還の豪国債に対する0.10%の利回り目標を打ち切る」と表明。イールドカーブコントロール(長短金利操作)を廃止しました。
声明では、これまでの「利上げの条件は24年まで満たされない」との文言を「利上げの条件を満たすには、ある程度の時間がかかる」へと変更。状況次第では、24年よりも前に利上げが行われる可能性があることを示しました。
しかし、ロウRBA総裁は会合後の会見で市場の利上げ観測をけん制。最近のインフレ指標に市場は過剰に反応しており、22年初めにも利上げを行うとの市場の観測は「現状からかけ離れている」と指摘。「(市場の観測のように)早期に利上げする可能性は非常に低い」と述べました。
NZの7-9月期の雇用統計(3日発表)は良好な結果でした。失業率は3.4%と、市場予想(3.9%)以上に4-6月期の4.0%から改善(低下)し、就業者数は前期比2.0%、前年比4.2%と、いずれも市場予想(0.4%、2.7%)を上回りました。雇用統計の結果を受け、市場ではRBNZの追加利上げ観測が一段と高まりました。
RBAは政策金利を当面据え置くとみられる一方、RBNZは10月に利上げを行い、さらには11月24日の次回会合で追加利上げに踏み切るとみられます。RBAとRBNZの金融政策の方向性の違いが改めて市場で意識されて、豪ドル/NZドルは上値が重い展開になる可能性があります。豪ドル/NZドルの目先のメドとして、下値が1.02806NZドル(9/16安値)、上値は1.05224NZドル(10/29高値)が挙げられます。
今週の注目通貨ペア➁:<メキシコペソ/円 予想レンジ:5.400円~5.700円>
BOM(メキシコ中銀)が11日に会合を開きます。メキシコペソ/円はその結果に反応しそうです。
BOMは9月の前回会合まで3会合連続で利上げを行いました。メキシコの9月総合CPI(消費者物価指数)は前年比6.00%と、上昇率は8月の5.59%から加速。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは同4.92%と、17年8月以来の高い伸びを記録しました。CPIとコアCPIのいずれもBOMのインフレ目標(3%)の許容レンジの上限である4%を大きく上回りました。インフレ圧力の高まりを受け、BOMは11日の会合で追加利上げに踏み切るとみられます。
追加利上げが決定されて、かつ声明で今後政策金利をさらに引き上げる可能性が示されれば、メキシコペソ/円が堅調に推移しそうです。
メキシコペソ/円については、原油価格(米WTI原油先物など)の動向にも注目です。OPEC(石油輸出国機構)加盟国と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は4日の閣僚級会合で、「毎月日量40万バレルずつ増産する」との方針を維持することで合意しました。追加増産が見送られたことを受け、原油価格は堅調に推移する可能性があります。原油価格が上昇すれば、メキシコペソ/円の支援材料になりそうです。メキシコペソ/円は目先、200日移動平均線(8日時点で5.421円)が下値メド、上値は5.645円(10/20&21高値)がメドです。
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