【アラーム分析ランキング】
例年通り、有価証券報告書に記載された財務諸表をアラーム管理システムにて分析した結果を公表致します。
【『格付速報』を知っていますか?】
14年前、『会社四季報』『日経会社情報』とは違うジャンルの“上場企業の分析情報”を提供するという意気込みで、日本証券新聞社のご協力頂き、『格付速報』が出版されていました。
2004年から2006年12月までの販売ではあったが、一部の投資家や企業審査の方には評判となり、今でも再開を期待する根強いファンがいます。
とにかく辛口な分析が評判でした。
当時は、「何でこんなに点数が低いんだ!」、「競合のA社より点数が低いのは何でなんだ!」
「あと1点で100点となるが、どうすれば点数が上がるのか?」などの多数のお問い合わせやご意見を頂き、『格付速報』の担当者が苦労していたのをよく目にしました。
今回の分析結果は、『格付速報(2021年度版)-下位55社と100点企業特集-』と言っても差し支えない代物です。ご参照ください。
ALOXALOXALOXALOXALOXALOXALOXALOXALOXALOX
<アラーム管理システムとは>
2期分以上の財務諸表(BS、PL、脚注)から、企業を100点満点で評価。
40点以下を「資金繰りの破綻リスクが高い」と評価する。
詳細については、下記URLをご参照ください。
http://alox.jp/sevices/alarm/
ALOXALOXALOXALOXALOXALOXALOXALOXALOXALOX
【下位55社と100点企業】
<下位55社>
下位55社と100点企業の全データは下記URLをご参照ください。
〔A4横2枚印刷用〕
http://alox.jp/dcms_media/other/210921ranking_yoko.pdf
〔A4縦1枚印刷用〕
http://alox.jp/dcms_media/other/210921ranking_tate.pdf
【評点分布の推移】
2021年配信 40点以下:275社 100点:10社
2020年配信 40点以下:216社 100点:17社
2019年配信 40点以下:180社 100点:12社
2018年配信 40点以下:184社 100点:10社
2017年配信 40点以下:177社 100点:11社
2016年配信 40点以下:169社 100点:8社
100点満点企業の数は減少し、40点以下の企業は59社増加した。
コロナの影響が直撃している企業は、売上が前年比50%以下になるなど、
未曽有の危機に直面している。
【下位55社の傾向】
55社中、26社は赤字が常態化※している。
55社中、14社はコロナが直撃している業界
(小売り、ホテル、旅行、エンターテインメント)である。
55社中、19社が昨年もランクインしていた。
昨年は、半数以上が下位ランキングの常連だったが、
今年は新規にランクインする企業が多い。
新規にランクインした企業の大半は、コロナが直撃している企業である。
※
3期連続赤字の会社を「赤字の常態化」と定義。
【急落ベスト3】
【評点が急落した理由は?】
(株)和心
→売上は、30億(2019年12月)から12億円(2020年12月)に激減。
債務超過に陥る。
ベルトラ(株)
→売上は、43億円(2019年12月)から8億円(2020年12月)に激減。
現金・預金も39億円(2019年12月)の9億円(2020年12月)となった。
藤田観光(株)
→売上は、689億円(2019年12月)から266億円(2020年12月)に激減。
2020年12月の借入金は、長短合わせて、200億円増加して、647億円に。
【総括】
恐ろしい程に、コロナの影響が決算書に顕在化している。
直撃している業界(小売り、ホテル、旅行、エンターテインメント)の企業は、売上が半減し、借入金が増加している。
当然だが、これから、その借入金を返済しなければならない。
しかし、銀行や政府の“太陽政策”にも限界がある。
特に銀行は、政府・金融庁主導のもとに「銀行の数を減らす方針」が示されている関係から、合併や提携先との交渉で優位な立場を確保するために、「貸出先の選別を行い、不良債権のリスクを極力少なくしたい」というインセンティブが働く。
業績不振企業の大半は、金融機関からの融資が命綱であり、“蜘蛛の糸”である。
この糸が切れたら、倒産するしかない。
銀行から、
「当行は、これ以上の融資はできません。」
「当行は、これ以上の返済猶予はできません。」
「貸出条件の財務制限条項(純資産が一定額を下回る、赤字など)に抵触しているため、
返済してください。※」と言われたら、最後通牒である。
粉飾の目的は、資金繰り確保であり、キレイな整った決算書を作成し、融資を得るためだ。
「“今は非常事態だ、やむを得ない”と考え、粉飾に手を染める経営者がいる」
という前提で、取引先や上場企業の決算書を読まなければならない。
※
金融庁は金融機関に対して、借手が財務制限条項に抵触しても、
直ちに債務償還等を要求しないように要請するとともに、
財務制限条項の変更、猶予の相談についても迅速かつ真摯に対応することを求めている。
※
【データについて】
<データ件数> 3624社
<データ作成方法>
EDINETから入手した財務情報をアラーム管理システムにて分析して作成
<データ抽出条件>
(1)最新決算年月が2020年2月から2021年1月までのデータ
(2)連続した決算書は3期分以上
(3)連結と単独の決算が両方ある場合は、連結を優先
(4)アラームの分析対象外業種(銀行、生損保、証券)は除く
※ 毎年の掲載企業数が違うのは、同率ランクの企業数等の影響で、キリの良い数字の抽出が難しいためです。
今年は、キリの良い数字ではありませんが、55社とさせて頂きました。
──────────────────────────────
【注意】本コンテンツは各種情報の提供を目的としております。各種情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。記載された情報を使用することにより生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いかねます。また、本コンテンツに記載された意見・見通しは表記時点での私見を反映したものであり、今後変更されることがあります。
──────────────────────────────
最新人気記事
新着ニュース
新着ニュース一覧-
今日 06:10
-
今日 06:03
-
今日 05:53