今週のポイント
トルコリラは先週(9/27-10/1)、対米ドルで過去最安値を更新し、対円(トルコリラ/円)では約4カ月ぶりの安値をつけました。高インフレにもかかわらず、TCMB(トルコ中銀)が9月23日の会合で利下げを行ったことが、トルコリラ下落の主な要因です。TCMBは10月21日の次回会合で追加利下げに踏み切る可能性があります。追加利下げ観測を背景に、トルコリラ/円は軟調な展開になると予想されます。
カナダの9月雇用統計が8日に発表されます。本稿執筆時点の市場予想は失業率が6.9%、雇用者数が前月比6.00万人増と、失業率は8月の7.1%から低下(改善)し、雇用者数は4カ月連続で増加するとみられています。市場では、BOC(カナダ中銀)は10月27日の次回会合で量的緩和を一段と縮小するとの観測があります。雇用統計が良好な結果になれば、その観測が高まってカナダドル/円が上昇しそうです。
OPECプラスが4日に閣僚級会合を開きます。その結果次第では、原油価格は一段と上昇する可能性があります。原油高はカナダドル/円やメキシコペソ/円の支援材料です。
RBA(豪中銀)は5日、RBNZ(NZ中銀)は6日に会合を開きます。各中銀の政策決定に豪ドルやNZドルが反応する可能性があります。
今週の注目通貨ペア①:<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.03000NZドル~1.06000NZドル>
RBA(豪中銀)は5日の会合で政策金利を0.10%に据え置きそうです。また、「週40億豪ドルの債券購入を少なくとも22年2月半ばまで続ける」との方針も維持するとみられます。一方、RBNZ(NZ中銀)は6日の会合で0.25%の利上げを決定しそうです。
RBAが政策金利を据え置き、RBNZが0.25%の利上げを行えば、両者の政策金利の差は現在の0.15%から0.40%へと拡大します。政策金利の水準からみればRBNZの優位性が増すことから、豪ドル/NZドルは下落する可能性があります。
ただし、RBNZの利上げはかなり市場に織り込まれています。RBNZの声明がよほどタカ派的な内容にならなければ、目先の材料出尽くし感からNZドルはいったん売られる(豪ドル/NZドルは上昇する)かもしれません。豪ドル/NZドルは1.06091NZドル(7/20高値)が目先の上値メドです。
今週の注目通貨ペア②:<メキシコペソ/円 予想レンジ:5.300円~5.500円>
BOM(メキシコ中銀)は9月30日の会合で0.25%の利上げを行うことを決定。政策金利を4.50%から4.75%へ引き上げました。利上げは3会合連続です。
メキシコの8月総合CPI(消費者物価指数)は前年比5.59%と、BOMのインフレ目標(3%)の許容レンジ上限である4%を上回っており、またコアCPIは同4.78%と、2017年12月以来の強い伸びを記録しました。
BOMは声明で「インフレのリスクバランスは上向きに傾いている」と指摘。2021年第4四半期(10-12月期)の総合CPIは前年比6.2%、コアCPIは同5.3%との見通しを示し、いずれも8月時点(総合:5.7%、コア:5.0%)から上方修正しました。また、9月の会合では、利上げを主張したメンバーがこれまでの3人から4人へと増えました(BOMの政策メンバーは5人)。
BOMは11月11日の次回会合で追加利上げへと踏み切る可能性があり、追加利上げ観測がメキシコペソ/円を支援するとみられます。
メキシコペソ/円には、原油価格(米WTI原油先物など)の動向にも影響を受けやすいという特徴があります。4日のOPECプラス会合の結果次第(本稿執筆時点で会合の結果は判明していません)では、原油価格は一段と上昇する可能性があります。その場合、メキシコペソ/円の目先の上値メドとして、5.519円(9/8&9&13&14高値)が挙げられます。
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