NZドル/円、今年も『8月末買い』が奏功するか

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最新投稿日時:2021/08/27 10:20 - 「NZドル/円、今年も『8月末買い』が奏功するか」(津田隆光)

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NZドル/円、今年も『8月末買い』が奏功するか

著者:津田隆光
投稿:2021/08/27 10:20

21日MAを上抜け突破するか否かがポイントに

NZドル/円・21日エンベロープ+スローストキャスティクス
NZドル/円・21日エンベロープ+スローストキャスティクス出所:マネースクエアFXチャート

【注目ポイント】21日MA(≒76.500円)上抜け突破となるか否か
【見通しⒶ】同MA上抜け突破なら、「78.000円」付近までの上昇フロー
【見通しⒷ】同MA上値抑制なら、「75.000円」付近までの下落フロー
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「75.000~78.000円」
【季節的アノマリー】『8月末買い、12月末売り』

NZドル/円の心理的下値ラインと予想していた「75.000円」を一時的に下回ったものの(19日)、足もとでは、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MA(移動平均線)付近までの反発フローとなっています。

今後の動向予測について、注目ポイントを示しながら考察していきましょう。

上図にあるNZドル/円の21日エンベロープ(乖離率:1.00%と2.00%)とスローストキャスティクス(以下、SSTC)を見ると、以下のような傾向・パターンが見て取れます。


① ローソク足が-1%乖離線ないしは-2%乖離線に接近、ないしは一時アンダーシュートしたケース(上図黄色丸印)では、「下値固め」→「反発フロー」の起点となっている。

② SSTCを構成する2本の線が「売られ過ぎ」を示唆する20%ライン付近で交差した後、右肩上がりとなる“ゴールデン・クロス”が示現(上図青色丸印)したケースでは、①と同様、「下値固め」→「反発フロー」の起点となっている。

③ 21日MAが横向きの「レンジ相場」を示唆している局面では、概ね下値メド:-2%乖離線、上値メド:+2%乖離線となっている。


上記①~③で記載した傾向・パターンを踏まえた上で、本稿執筆(27日午前9時)時点の各メルクマールを見ると、以下のような状態が視認できます。


a) ローソク足が-2%乖離線を一時アンダーシュート(8/19・20、上図赤色点線丸印)した後、反発フローとなっている。
b) SSTCを構成する2本の線が20%ライン付近で交差した後右肩上がりとなる“ゴールデン・クロス”(上図青色点線丸印)が示現した後、80%ラインに接近中である。
c) 21日MAが概ね横向きの状態(=レンジ相場を示唆)である。


目先の注目ポイントは、上述した21日MA(≒76.500円、上図黄色矢印)をローソク足が上抜け突破するか否か。

上記a)~c)とともに、目先のポイントを組み入れた見通しⒶおよびⒷにつき、以下をご覧ください。


[見通しⒶ]
これからの時間にかけて、仮にローソク足が終値ベースで同MAを上抜け突破した場合は、「上値メド突破」→「もう一段の上値切り上げ」となりそう。そのケースでは、+2%乖離線(≒78.000円、上図Ⓐ)付近までの上昇フローを予想。

[見通しⒷ]
一方で、ローソク足が同MA付近で上値を抑制された場合は、「上値圧力の強まり」→「一旦の下押し」となりそう。そのケースでは、SSTCの“デッド・クロス”への転換も伴いながら、-2%乖離線(≒75.000円、上図Ⓑ)付近までの下落フローを予想。


上記見通しⒶおよびⒷを概括すると、当面※のNZドル/円は、「75.000~78.000円」(上図黄色四角枠)を“主戦場”(コアレンジ)とする相場展開となりそうです。(※スパンは1~2週間を想定)

過去20年(2001-2020年)で勝率9割の実績!

NZドル(インデックス)のシーズナル・チャート
NZドル(インデックス)のシーズナル・チャート出所:Equity Clock

以下、別視点より、NZドル/円の季節的なアノマリー※について見ていきましょう。(※アノマリー:理論的根拠は乏しいものの、相場においてよく当たるとされる経験則や傾向・パターンのこと。)

「8月は円高になりやすい」「8月は豪ドルやNZドルが下がりやすい」という季節的なアノマリーがある中、これらの動きを逆手に取る形でのアノマリーが・・・NZドル/円の『8月末買い、12月末売り』をベースとするトレード手法。

以下、NZドル(インデックス、以下省略)の月別の平均動向を記したシーズナル・チャート(2000/1/2-2020/12/31のアベレージ推移グラフ、Equity Clockより引用)をご覧ください。

上図表より、NZドルについて、以下のような傾向・パターンが見て取れます。

1) 8月は下落基調になりやすい。(上図黄色四角枠)
2) 8月末、ないしは9月上旬に一旦のボトムを形成しやすい。(上図赤色三角印)
3) 2)でボトムを形成した後、徐々に上値を切り上げ、年末にかけて上昇フローとなりやすい。(上図赤色矢印)

上記1)~3)より、「NZドル/円の『8月末買い、12月末売り』がワークしやすい」との仮説を立てることが可能です。

ちなみに、NZドル/円の『8月末買い、12月末売り』についての実際のデータですが、過去10年(2011-2020年)の勝率※は「.900」(9勝1敗)となっており、過去20年(2001-2020年)にわたる勝率でも「.900」(18勝2敗)の結果となっています。(※「12月末レート-8月末レート」において、プラスリターンを「勝ち」、マイナスリターンを「負け」とする。スワップは考慮せず。マイナスリターンは2008年、2011年の2回。)

当該データを以て、今回も必ず当てはまるという結論には至りませんが、「相場は確率の高そうな方にbetするゲーム」という観点から、この時期からのトレードアイデアの一つとして参考にしていただければ幸いです。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想

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