今週のポイント
今週(8/9- )は、12日にBOM(メキシコ中銀)とTCMB(トルコ中銀)の政策会合があります。BOMは追加利上げに踏み切る可能性がある一方、TCMBは政策金利を据え置きそうです。
6日に発表されたカナダの7月雇用時計は失業率が7.5%、雇用者数は前月比9.40万人増となり、いずれも市場予想(7.4%、17.75万人増)よりも弱い結果でした。また、米WTI原油先物(原油価格の代表的な指標)がこのところ軟調に推移しています。カナダドル/円は、米ドル/円の影響も受けるものの、上値が重い展開になるかもしれません。
豪ドルやNZドルについては、今週は経済指標などの独自材料が乏しく、米FRBによるテーパリング(量的緩和の縮小)をめぐる観測に影響を受けやすい地合いになるとみられます。FRBのテーパリング観測が高まる場合、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは軟調に推移しそうです。
豪ドル/NZドルは上値が重い展開になるかもしれません。RBA(豪中銀)は政策金利を当面据え置くとみられる一方、RBNZ(NZ中銀)は18日の政策会合で利上げしてその後も利上げを継続すると市場は予想しているからです。
今週の注目通貨ペア①:<メキシコペソ/円 予想レンジ:5.300円~5.600円>
BOM(メキシコ中銀)は6月の前回会合で0.25%の利上げを決定。政策金利を4.00%から4.25%へと引き上げました。
メキシコのCPI(消費者物価指数)上昇率は7月まで5カ月連続で4%(BOMのインフレ目標の許容レンジ上限)を上回っています。インフレ圧力の高さを背景に、BOMは12日の政策会合で0.25%の追加利上げに踏み切りそうです。12日に利上げが行われ、また声明でインフレを警戒する姿勢が強く示されれば、さらなる利上げへの期待からメキシコペソ/円は堅調に推移しそうです。メキシコペソ/円の目先のメドとして、下値が200日移動平均線(9日時点で5.315円)、上値は5.597円(7/2&5高値)が挙げられます。
今週の注目通貨ペア②:<トルコリラ/円 予想レンジ:12.500円~13.200円>
トルコの7月CPI(消費者物価指数)は前年比18.95%と、6月の17.53%から上昇率が加速し、2019年4月以来の強い伸びを記録しました。インフレ圧力の高まりを受け、TCMB(トルコ中銀)は12日の会合で政策金利を19.00%に据え置くとみられます。
政策金利が据え置かれれば、声明の内容に注目。TCMBはこれまで、「インフレ率が持続的に低下するまで(金融政策の)引き締めスタンスを断固維持する」、「政策金利はインフレ率を上回る水準に設定する」との方針を示してきました。インフレ率(CPI上昇率)が政策金利に接近するなか、TCMBがタカ派的な姿勢を強めれば、トルコリラ/円の支援材料となりそうです。
一方、エルドアン大統領は4日に「高金利がインフレを引き起こす」と述べ、「トルコのインフレ率は8月以降低下し始め、金利も下がるだろう」と発言。TCMBに対して利下げするように改めて要求しました。現在の高インフレの環境で利下げは通常考えにくいものの、もしTCMBが12日の会合で利下げを決定すれば、TCMBの独立性をめぐる懸念が市場で高まってトルコリラ/円に対して強い下押し圧力が加わると考えられます。
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