S&P500月例レポート(21年7月配信)<前編>

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最新投稿日時:2021/07/16 16:30 - 「S&P500月例レポート(21年7月配信)<前編>」(みんかぶ株式コラム)

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S&P500月例レポート(21年7月配信)<前編>

S&P500月例レポートでは、S&P500の値動きから米国マーケットの動向を解説します。市場全体のトレンドだけではなく、業種、さらには個別銘柄レベルでの分析を行い、米国マーケットの現状を掘り下げて説明します。

THE S&P 500 MARKET:2021年6月
個人的見解:火傷しそうなほど過熱

 6月も市場は上昇し続けました。22営業日中8営業日で終値での最高値を更新し、最後には5営業日連続で最高値を更新したまま月末を迎えました。年初来では、124営業日中、終値での最高値更新は34回となり、そのうち11回は週の最終営業日での更新でした。インフレ(さらに悪いこととして米連邦準備制度理事会[FRB]の景気刺激策の終了)に対する懸念でさえ、市場の過去最高値更新を止めることはできませんでした。企業の第1四半期利益やキャッシュフローも過去最高を更新し、第2四半期の企業利益はやや落ち込んで史上2番目となる見通しです。「マスク先物」というものが存在するとしたら、その価格は特別買収目的会社(SPAC)を上回るスピードで下落していたでしょうが、どちらも年初来や前年同期比では依然としてプラスのリターンを維持しているはずです。

 米国ではさまざまな活動が再開し、再開後初のクルーズ船もフロリダの港を出港し、米国人は最も得意なこと、すなわち消費にいそしみました。ただし、企業や政府は別として、借り入れが少ないのは米国人らしくない傾向です。いずれにしても、パンデミックの期間中に使わずにいたお金を米国人が使い始めたということです。米国以外では、インド、英国、オーストラリアをはじめとする多くの市場で新型コロナウイルスの感染が再拡大しており(中国に関しては誰にも分かりません)、活動再開による成長は抑制されるとみられます。米国も、30%近い人がワクチン接種を拒否していることから、感染が再拡大するのではないかとの懸念が水面下で高まっています。

 とはいえ、6月の市場は5月と似たような展開となり、S&P 500指数は5月の0.55%上昇を上回って2.22%上昇し(年率換算で30.17%上昇)、4月の5.24%上昇や3月の4.24%から一息ついた形となりました。第2四半期では8.17%の上昇でした(2021年第1四半期は5.77%上昇、2020年第2四半期は底からの反発で19.95%上昇)。年初来では14.41%上昇、コロナ危機前の2020年2月19日の終値での高値からは26.91%上昇し、終値での過去最高値で6月の取引を終えました。

 過去の実績を見ると、6月は55.9%の確率で上昇し、上昇した月の平均上昇率は3.88%、下落した月の平均下落率は3.17%、全体の平均騰落率は0.77%の上昇となっています。2021年6月のS&P 500指数は2.22%の上昇でした。

 7月は55.9%の確率で上昇し、上昇した月の平均上昇率は4.94%、下落した月の平均下落率は3.24%、全体の平均騰落率は1.60%の上昇となっています。

 今後の米連邦公開市場委員会(FOMC)のスケジュールは、7月27日-28日、(8月26日-28日はジャクソンホールでの経済シンポジウム)、9月21日-22日、11月2日-3日、12月14日-15日、2022年1月25日-26日、3月15日-16日、5月3日-4日、6月14日-15日、7月26日-27日、9月20日-21日、11月1日-2日、12月13日-14日となっています。

 S&P 500指数は6月に2.22%上昇して4297.50で月を終えました(配当込みのトータルリターンはプラス2.33%)。5月は4204.11で終え、0.55%の上昇(同プラス0.70%)、4月は4181.17で終え、5.24%の上昇(同プラス5.34%)でした。過去3ヵ月間では8.17%上昇(同プラス8.55%)、年初来では14.41%上昇(同プラス15.25%)、過去1年間では38.62%上昇(同プラス40.79%)、コロナ危機前の2020年2月19日の終値での高値からは26.91%上昇して月を終えました(同プラス29.86%)。

 ダウ・ジョーンズ工業株価平均(ダウ平均)は5月に初めて3万5000ドルを突破しましたが(5月10日の終値は3万5091.56ドル)、6月に高値を更新することはなく(6月中の最高値は3万4849.32ドル)、最終的に0.08%下落の3万4502.51ドルで月を終えました(配当込みのトータルリターンはプラス0.02%)。月間の騰落率がマイナスとなったのは2021年1月の2.04%下落以来です。5月は3万4529.45ドルで終え、1.93%の上昇(同プラス2.21%)、4月は3万3874.85ドルで終え、2.71%の上昇(同プラス2.78%)でした。過去3ヵ月間では4.61%上昇(同プラス5.08%)、年初来では12.73%上昇(同プラス13.79%)、過去1年間では33.66%上昇(同プラス36.34%)でした。

主なポイント

 ○S&P 500指数は6月に2.22%上昇しました(配当込みのトータルリターンはプラス2.33%)。5月は0.55%上昇(同プラス0.58%)、4月は5.24%上昇(同プラス5.34%)、3月は4.24%上昇(同プラス4.38%)、過去3ヵ月間では8.17%上昇(同プラス8.55%)、年初来では14.41%上昇(同プラス15.25%)、過去1年間では38.62%上昇(同プラス40.79%)でした。

  ⇒同指数は一時的に4300を初めて超えましたが(日中の最高値は4302.43)、終値では4300を割り込みました。

  ⇒終値ベースでの最高値更新は、4月の10回、5月の1回に対して6月は8回となりました(1月、2月、3月はそれぞれ5回)。そのうち5営業日連続での高値更新も達成し、これほどの連続更新は2020年8月の6営業日連続以来です。

  ⇒コロナ危機前の2020年2月19日の終値での高値からは26.91%上昇し(同プラス29.86%)、終値での過去最高値で6月の取引を終えました。同期間に終値ベースで54回、最高値を更新しました。

  ⇒2020年11月3日の米大統領選挙以降では、同指数は27.55%の上昇(同プラス28.87%)でした(バイデン大統領就任以降に32回、最高値を更新しています)。

  ⇒2020年3月23日の底値からの強気相場では92.08%上昇しています(同プラス96.13%)。

 ○米国10年国債利回りは5月末の1.58%から1.47%に低下して月を終えました(2020年末は0.92%、2019年末は1.92%、2018年末は2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは5月末の2.26%から2.09%に低下して取引を終えました(同1.65%、同2.30%、同3.02%、同3.05%)。

 ○英ポンドは5月末の1ポンド=1.4192ドルから1.3838ドルに下落して月を終えました(同1.3673ドル、同1.3253ドル、同1.2754ドル、同1.3498ドル)。ユーロは5月末の1ユーロ=1.2193ドルから1.1856ドルに下落して月を終えました(同1.2182ドル、同1.1172ドル、同1.1461ドル、同1.2000ドル)。円は5月末の1ドル=109.86円から111.14円に下落し(同103.24円、同108.76円、同109.58円、同112.68円)、人民元は5月末の1ドル=6.3684元から6.4572元に下落しました(同6.5330元、同6.9633元、同6.8785元、同6.5030元)。

 ○原油価格は5月末の1バレル=66.63ドルから73.50ドルに上昇して月を終えました(同48.42ドル、同61.21ドル、同45.81ドル、同60.09ドル)。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は、5月末の1ガロン=3.112ドルから3.185ドルに上昇して(5月以前に3ドルを超えたのは2018年6月)月末を迎えました(同2.330ドル、同2.658ドル、同2.358ドル、同2.589ドル)。

 ○金価格は5月末の1トロイオンス=1906.30ドルから1768.10ドルに下落して月の取引を終えました(同1901.60ドル、同1520.00ドル、同1284.70ドル、同1305.00ドル)。

 ○VIX恐怖指数は5月末の16.76から15.83に下落して月を終えました。月中の最高は21.82、最低は14.10でした(同22.75、同13.78、同16.12、同11.05)。

  ⇒同指数の2020年の最高は85.47、最低は11.75でした。

 ○2021年第1四半期決算の発表が終わり、市場関係者の関心は第2四半期の業績に移り始めました。第2四半期は過去最高となった第1四半期から6.9%の減益になると予想されています(2020年第2四半期との比較では64.8%増益)が、依然として四半期としては過去2番目の好業績を記録すると見込まれています。

  ⇒2021年第1四半期は、499銘柄のうち426銘柄(85.4%)で利益が予想を上回り、498銘柄のうち391銘柄(78.5%)で売上高が予想を上回りました。また、同四半期の営業利益率は過去最高の13.02%となったようです(過去15年間の四半期ベースの営業利益率の平均は8.92%)。

 ○米国の財政政策(新型コロナウイルス対策として実施された第5段階までの経済対策以降のもの):

  ⇒バイデン大統領は「米国の家族のための計画」と名付けた計画の概要を発表し、ヒューマンインフラ(人的基盤)への投資のために、全ての未就園児を対象とした保育施設、児童保護、有給休暇、中低所得世帯に対する減税、教育支援、授業料無料のコミュニティカレッジなどを拡充させることを表明しました。1兆8000億ドルと試算されるコストに関しては、(年収100万ドルを超える世帯を対象とした)キャピタルゲイン税の現行20.0%から39.6%への引き上げと富裕層に対する追加増税による税収を充てることにしています。

  ⇒バイデン大統領が掲げる2.3兆ドルのインフラ投資計画の法案を巡る交渉は頓挫したようです。一方で大統領は、民主・共和両党の21名の上院議員からなる超党派のグループと彼らが提出した1兆ドルの支出計画案について協議を開始し、同案の検討に着手しました。

   →バイデン大統領は超党派の上院議員から提案された9730億ドルのインフラ投資計画を受け入れるとの声明を発表しました。この計画に伴う新規支出は5790億ドルで、財源としての増税案は含まれておらず、法案成立のための政治的駆け引き(さらにはリンケージ政策の可能性)が始まっています。

  ⇒バイデン大統領は就任後初となる2022会計年度(2021年10月1日開始)の予算教書を発表しました。6兆ドルの予算額(財政赤字額は1兆8000億ドル)には、合計4兆ドルの「米国の雇用のための計画」と「米国の家族のための計画」が含まれており、さらに財源は増税で賄う予定です。予算案に対しては共和党の強い反発が予想されますが、民主党はホワイトハウス、上院、下院のすべてを支配しており、計画の大部分は成立すると見込まれます。

 ○市場関係者のS&P 500指数の1年後の目標値はこの1ヵ月で上昇し、現在値から10.9%上昇(前月は12.2%上昇)の4767(かなり強気な予想)となっています(5月末の目標値は4716、4月末の目標値は4627)。ダウ平均の目標値は現在値から10.5%上昇(前月は8.6%上昇)の3万8123ドル(かなり強気な予想)となっています(同3万7501ドル、同3万6963ドル)。

バイデン大統領と政府高官

 ○バイデン大統領は共和党指導部と自らのインフラ投資計画について協議を行いました。大統領はこれまでの1.7兆ドルの投資計画に代わる1兆ドル規模の計画を提案し(同計画の実施に伴う支出は、すでに向こう5年間で推定4000億ドルと見込まれている歳出額に上乗せされる)、その財源を法人税の引き上げによって確保することを強く主張しました。これに対して共和党は当初案を見直し、(向こう8年間で)9280億ドルの対案を提示しました。

 ○G7主要7ヵ国(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国)は最低法人税率15%と財・サービスの提供地域での現地納税に関する新たな課税ルールを支援することで合意しました。詳細な制度設計に関する作業は始まっていませんが、今後G20でも合意することが必要となります。米国では税制の変更には(政治と景気回復も同様に)時間がかかると見られており、(市場関係者によれば)2021年中に大きな変更が行われることはなさそうです。

 ○バイデン大統領はトランプ前大統領によるTikTok(ティックトック)とWeChat(微信・ウィーチャット)の使用を制限する大統領令を撤回し、商務省に対し外国政府とつながりのあるソフトウエア・アプリについて安全保障上のリスクを検証するように指示しました。

 ○バイデン大統領は8日間の(初めてとなる)欧州訪問で2つの目的を達成しました。第1の目的は、G7主要7ヵ国の会合へ参加し(過去数年間と比べて明らかに友好的な挨拶が交わされました)、欧州の同盟国の指導者と直接会って言葉を交わすことで友好関係を築くことです(大統領は複数の首脳と非公式の会合を行い、英国のエリザベス女王とも面会しました)。第2の目的(そしてハイライトともいえる)はロシアのプーチン大統領との対面での首脳会談です(スイスのジュネーブで開催)。この会談は礼儀正しく、政治的にも正しいと言えるものでした。合意には至りませんでしたが、両国間の対話の始まりを印象づけるものとなりました。

 ○EU(欧州連合)と米国は、欧州のエアバスと米ボーイングに対する補助金問題を巡る17年に及ぶ紛争(特にここ数年間で事態は悪化していた)に関して、今後5年間は報復関税を停止(問題解決ではない)することで合意しました。

 ○バイデン大統領と米国上院による1兆ドルのインフラ投資計画を巡る協議は、超党派グループの上院議員が支持を表明したことで前進したようです。

 ○今はカーター大統領の時代ではありませんが(当時のインフレ率は2桁)、物価は上昇しています。「一時的」な現象かどうかの議論はしませんが、しばらくの間はこれまでより多くを支払うことになると考えています。

新型コロナウイルス関連

 ○カナダ政府はワクチン接種済の旅行者に対して入国を許可する意向を明らかにしました。また、米国では海外旅行に関する規制が緩和されました。

 ○バイデン政権は5億回分のファイザー製ワクチンを他国に寄付すると発表しました(2021年に2億回分、2022年上半期に3億回分)。

 ○変異ウイルスの感染拡大が続いています。香港、ポルトガル、スペイン(イタリアも加わりました)は新たな規制を導入しました。また、オーストラリアのシドニーでは2週間のロックダウン措置が始まりました。米国では経済活動が再開されましたが、全体の感染者数が減少する中で変異ウイルスが占める割合は増加しています。

 ○新型コロナウイルスの治療薬と治療法、そして夢の万能薬

  ⇒日本では7月のオリンピック開催(7月23日-8月8日)を前にワクチン接種のペースが加速しています(職域接種や政府設置の大規模接種センターでの接種が開始されたことによる)。現時点で人口に対するワクチン接種(完了)率は7.3%となっています。

  ⇒治験の結果、モデルナ製のワクチンは12~17歳の若年層にも有効であることが示され、同社は6月にも適用を申請する見通しです。

  ⇒米ノババックスは開発中のワクチンの臨床試験で2回接種後の有効性が90%となったことを発表しました。

  ⇒現時点で、世界全体で30億1000万人が1回以上のワクチン接種を受けました(5月末時点では17.4億人、4月末時点では11億人、3月末時点では5億7400万人、2月末時点では2億2500万人)。

  ⇒米国では現時点で、3億2500万人が1回以上のワクチン接種を受けました(同2億8900万人、同2億3700万人、同1億4800万人、同6830万人)。

  ⇒米国では人口の54.2%(5月末時点では49.4%、4月末時点では43.3%)が少なくとも1回は接種したことになり、人口の46.4%(同39.3%、同30.0%)が2回の接種を終えました。

  ⇒米国の1日当たり接種回数の7日平均は90万回に低下しました(5月末時点では170万回、4月末時点では263万回、3月末時点では277万回、2月末時点では131万回)。これはワクチン接種希望者の人数が減少しているためです(供給は十分にあります)。

各国中央銀行の動き(および関連ニュース)

 ○FRBの地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、経済の拡大ペースは依然として緩やかながらも加速しており、物価上昇圧力が高まっています。

 ○FOMC(米連邦公開市場委員会)が開催され、声明は秩序があり政治的に正しい内容でした。新たなドット・プロット(金利予想分布図)では、金利は大方の予想より早い2023年末までに2回引き上げられる(0.60%に)との見通しが示されましたが、それでも2年以上先のことです。この新たな利上げ時期の予想を受けて市場は当初下落しましたが、下げ幅はその後縮小し、0.54%の下落で取引を終えました。FRBはまた、経済ならびにインフレはワクチン接種を受けて予想より急速に進行していると指摘しましたが、それでもインフレは一時的との見通しを示しました。

 ○FRBは大手銀行23行全てがストレステストを難なく通過し、自社株買いと配当金支払いの上限(過去の利益に基づく)を2021年7月1日から撤廃すると発表しました。そのため、発表の翌週初めに銀行が(自社株買いと配当金支払いの)引き上げを発表するとの見方が広がりました。

IPOおよび「空箱」SPAC

 ○SPAC(特別買収目的会社)による上場は、増加時と同じくらいのペースで減速している模様ですが、依然として活発であり、目先は新規上場において重要な役割を担うとみられます。

 ○オンライン上で専門家による法律サービスを提供するリーガルズーム・ドット・コムは、IPOにより28ドルで株式を公開しました。株価は38.79ドルまで上昇した後、37.85ドルで取引を終了し、時価総額は70億ドルとなりました。

 ○中国配車アプリのディディ・グローバルはIPOにより14ドルで株式を公開しました。株価は18.01ドルまで上昇した後、14.14ドルで取引を終了し、時価総額は680億ドルとなりました。

 ○今後も活発なIPOが見込まれます:

  ⇒デジタル貯蓄・投資アプリを運営するAcornはSPAC経由での上場を計画しており、企業評価額を22億ドルと見込んでいます。

  ⇒英国のオンライン中古車販売会社Cazoon Holdingは、SPAC経由で上場することを明らかにしました。上場時の企業評価額を80億ドルと見込んでいます。

  ⇒未公開のリチオムイオン電池メーカーEnovixはSPAC経由での上場を準備しており、当初評価額11億ドルを見込んでいます。

  ⇒イスラエルのデジタル取引プラットフォームのeToro GroupはSPAC(FinTech)経由で上場すると発表しました。時価総額100億ドルを見込んでいます。

  ⇒東南アジアでライドシェア、フードデリバリー、送金のアプリを運営しているグラブ(Grab Holdings)はSPAC経由で上場することを発表し、企業評価額を400億ドルと予想しています。

  ⇒EVメーカーのルシード・モータース(Lucid Motors)はチャーチル・キャピタルIVとの合併を通じて上場を計画しています。

  ⇒シェアオフィス大手のウィーワーク(WeWork)が再び上場を計画しており、上場時の企業評価額として90億ドルを見込んでいます。これに対して、パンデミックにより労働環境が変化するよりもかなり前の2019年の評価額は470億ドルでした。

企業業績

 ○2021年第1四半期決算の発表が終わり、市場関係者の関心は第2四半期の業績に移り始めました。第2四半期は過去最高となった第1四半期から6.9%の減益になると予想されています(2020年第2四半期との比較では64.8%増益)が、依然として四半期としては過去2番目の好業績を記録すると見込まれています。

  ⇒2021年第1四半期は、499銘柄のうち426銘柄(85.4%)で利益が予想を上回り、498銘柄のうち391銘柄(78.5%)で売上高が予想を上回りました。また、同四半期の営業利益率は過去最高の13.02%となったようです(過去15年間の四半期ベースの営業利益率の平均は8.92%)。

  ⇒2021年第2四半期の利益予想は2021年第1四半期末から7.1%引き上げられ、1年前(2020年第2四半期末)からは16.3%の上方修正となりました。利益は力強い伸びを記録した2021年第1四半期から6.9%の減益が見込まれており、2020年第2四半期からは64.8%増益となる見込みです。

  ⇒2021年については過去最高益を更新する見通しで、2020年比で53.1%増益が見込まれており、2021年の予想PERは22.9倍となっています。

  ⇒2022年は2021年比でさらに12.5%の増益と、再度の最高益の更新が見込まれており、2022年の予想PERは20.4倍となっています。

<後編>へ続く
 


配信元: みんかぶ株式コラム

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