今週のポイント
米FRBの利上げ観測を背景に、資源国通貨や新興国通貨は全般的に対米ドルで下押し圧力が加わりやすいとみられます。対米ドルで下押しする場合、対円(豪ドル/円やNZドル/円、メキシコペソ/円など)も引きずられるかもしれません。
24日のBOM(メキシコ中銀)会合では、インフレに関するBOMの見解に注目。インフレを警戒する姿勢が強く示されれば、メキシコペソ/円の支援材料となる可能性があります(後述)。
TCMB(トルコ中銀)は6月17日の会合で政策金利を19.00%に据え置きました。「TCMBの次の一手は利下げ」と市場はみており、「21年10-12月期中に利下げが開始される」との見方が有力です。市場は一方で、エルドアン大統領の圧力に負けてCPI上昇率が十分に下がる前にTCMBが利下げすることを懸念しています。エルドアン大統領は6月1日、「(政策)金利は7月か8月に低下し始める必要がある」と述べました。
エルドアン大統領の発言には注意が必要です。TCMBに対して早期の利下げを改めて求めた場合、トルコリラ/円は下押しする可能性があります。
今週の注目通貨ペア①:<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.07200NZドル~1.08200NZドル>
豪州の5月雇用統計(6/17発表)は失業率が5.1%と、市場予想(5.5%)に反して前月の5.5%から低下。また、雇用者数は前月比11.52万人増と、増加幅は市場予想(3.00万人増)を上回り、雇用情勢の回復が続いていることが示されました。
一方、6月17日に発表されたNZの1-3月期GDP(国内総生産)は前期比1.6%、前年比2.4%と、市場予想(0.5%、1.9%)を上回り、NZ景気の回復が確認されました。
豪ドル/NZドルは5月下旬に一時1.06NZドル台へと下落する場面があったものの、4月下旬以降はおおむね1.07NZドル台で上下動を繰り返してきました。
豪州の雇用統計とNZのGDPのいずれも良好な結果でした。また、今週(6/21- )発表される豪州やNZの経済指標は材料としては力不足と考えられます。豪ドル/NZドルの方向感に欠ける展開は当面続きそうです。豪ドル/NZドルの目先のメドとして、下値は200日移動平均線(6/21時点で1.07260NZドル)、上値は1.08163NZドル(5/4高値)が挙げられます。
今週の注目通貨ペア➁:<メキシコペソ/円 予想レンジ:5.200円~5.600円>
米FRBが2023年中に2回利上げする可能性を示したことで、メキシコペソは対米ドルで下押し圧力が加わりやすいとみられます。メキシコペソ/円については、米ドル/円の動向にも影響を受けるものの、対米ドルでメキシコペソが下押しすれば、引きずられる可能性があります。
一方で、BOM(メキシコ中銀)の政策会合が6月24日に開かれます。政策金利は4.00%に据え置かれるとみられ、その場合には声明におけるインフレに関する見解に注目です。
5月13日の前回会合時の声明では、「総合CPI(消費者物価指数)上昇率やコアCPI上昇率は、22年第2四半期(4-6月期)から3%の目標へと収束する」との見方を示しつつも、「インフレをめぐるリスクバランスは上向きに傾いている」と指摘しました。今回の声明がインフレへの警戒を一段と強めていることを示唆する内容へと変化すれば、メキシコペソ/円の支援材料となる可能性があります。
メキシコペソ/円は200日移動平均線(6/21時点で5.209円)が下値メド、上値は5.557円(6/9&10高値)がメドです。
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