レアジョブ Research Memo(2):オンライン英会話サービスの業界最大手、累計無料会員数は94万人超(1)

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最新投稿日時:2021/06/17 15:12 - 「レアジョブ Research Memo(2):オンライン英会話サービスの業界最大手、累計無料会員数は94万人超(1)」(フィスコ)

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レアジョブ Research Memo(2):オンライン英会話サービスの業界最大手、累計無料会員数は94万人超(1)

配信元:フィスコ
投稿:2021/06/17 15:12
■会社概要

1. 会社概要
(1) 経営ビジョン・ミッション
レアジョブ<6096>は2007年に創業したオンライン英会話サービスの最大手で、「レアジョブ英会話」を中心にオンラインでの英会話学習サービスを個人・法人・教育機関向けに提供し、グループビジョンとして掲げた「Chances for everyone, everywhere.」の実現を目指し、ビジネス展開を進めている。「Chances for everyone, everywhere.」とは、「グローバルに人々が活躍する基盤を作る」ことであり、「新たな学びを得るチャンス、才能を開花させるチャンス、新しいなにかに出会えるチャンス」を、インターネットを通して、あらゆる人と場所に届け、世界中の人々が国境や言語の壁を越えて活躍できる社会を創造していくという意味が込められている。

英語関連事業ではサービスミッション「日本人1,000万人を英語が話せるようにする。」を掲げ、オンライン英会話サービス「レアジョブ英会話」を運営している。訪日外国人が増加し、日常で英語に触れる機会が増えるなか、英会話スキルを身につけたいというニーズは増加している。また、企業でも企業活動のグローバル化によりグローバル人材の育成が課題となっており、英会話を研修プログラムとして取り入れる動きが活発化している。教育現場においても2020年の学習指導要領改訂により、小学生から英語が必修化され、英会話スキルが重要視されるようになってきており、英会話学習サービスのニーズは今後もさらに拡大していくことが予想される。

(2) 会社沿革
同社は、2007年に現代表取締役社長の中村岳(なかむらがく)氏と前代表取締役会長の加藤智久(かとうともひさ)氏が中心となって設立された。創業当時は英会話を習得するためには、英会話スクールに通うことや海外に留学することが一般的であったが、いずれも費用が高く、英語を話したくても安価に話す場がないという課題があった。そうしたなかで、インターネット技術が発達し、通信ネットワークの高速化が進むなか、無料通話のコミュニケーションツール「Skype」が普及し始めたことをきっかけに、「Skype」を使って安価な料金で英会話サービスを提供することを構想し、事業をスタートさせた。

英語の講師については、英語を公用語としているフィリピンで採用を進めた。当時、知人のフィリピン人大学生を通じて、クラスメイトで英語を話せる友人を集めてもらい、プレサービスを開始した。講師へ支払う報酬や労働条件に競争力があったことから、口コミで講師のネットワークも広がり、現在は6,000人と圧倒的な基盤を構築している。なお、これら講師の選定・教育・管理を行う子会社として2008年にRareJob Phillipines, Inc.を設立している。

オンライン英会話サービスとして2007年11月より個人向けに開始した「レアジョブ(現レアジョブ英会話)」は、通学型の英会話スクールと比較して大幅に安価な料金で提供を開始したこと、最初は無料レッスンを提供し、サービスを気に入れば有料会員として月額契約する課金モデルとしたこと、教材費や入会金・中途解約料などの受講料以外の追加費用を不要とし、入会に対する費用面でのハードルを引き下げたことで、受講者数が右肩上がりに伸びていった。2009年には法人向けサービスの提供も開始し、2014年6月には東証マザーズ市場に株式上場を果たしている。

2015年以降はサービス品質を向上させ、従来の日本人学習者とフィリピン人講師をマッチングし、英語を話す場を提供するサービスから、英語が話せるようになるという成果を提供する英語教育サービスへの転換を進めていった。オンライン英会話サービスとしては、「ビジネス英会話コース」や「中学・高校生コース」などサービスメニューを拡充したほか、カリキュラムや教材の品質向上、講師の採用基準の引き上げやトレーニングの強化に取り組み、新たな市場として教育機関向けのサービス提供やオフラインの英会話スクールとなる「レアジョブ本気塾」を開校(1校)した。法人向けに関しても、2017年6月に「レアジョブ英会話留学」サービス、2018年10月に成果保証型英会話サービスとなる「スマートメソッド®コース」の提供を相次いで開始した。

また、2015年7月に三井物産<8031>と資本業務提携契約を締結し、三井物産のネットワークを活用して法人向けサービスの販売や海外展開等の取り組みを進めているほか、2016年2月には(株)増進会出版社(現(株)増進会ホールディングス)と資本業務提携契約を締結し、Z会グループ会員向けの英会話プログラム「Z会Asteria」「NEW TREASURE Online Speaking」等の共同開発や文教事業での連携を開始するなど、大手企業と業務提携を結びながら事業展開を加速している。なお、同社は2019年2月に会社分割により学校向けオンライン英会話サービスや子ども専門オンライン英会話「リップルキッズパーク」※を運営する子会社、(株)エンビジョンを設立しており、2019年4月に(株)増進会ホールディングスが(株)エンビジョンに出資(出資比率で33.41%)を行い、文教事業領域での協業体制を強化している。

※2016年12月に子ども専門オンライン英会話「リップルキッズパーク」を運営する(株)リップルキッズパークの全株式を取得し子会社化した(2018年11月吸収合併)。講師等はフィリピンの子会社、RIPPLE KIDS EDUCATIONAL SERVICES,INC.で採用しており、ビジネスモデルはほぼ「レアジョブ英会話」と同様である。


また、「レアジョブ英会話」のユーザビリティ改善と学習効率の向上を図るため、以前から進めていた「Skype」からWebRTC 技術を用いた独自のレッスン受講システム「レッスンルーム」への移行を、2021年3月に完了した。

「Skype」を使用する場合、「レアジョブ英会話」のマイページにログインしたうえで、さらに「Skype」のメールアドレスやパスワードを入力して「Skype」にログインする必要がある一方、「レッスンルーム」では「レアジョブ英会話」のマイページにのみログインすればよく、利便性が向上する。さらに、講師とのレッスン内容の記録やチャットの履歴が保存できるなど機能面での拡張性があり、利便性だけでなく学習効率の向上につながる効果が期待されている。

学校・法人等で導入する際に「Skype」の利用はセキュリティを担保するうえでの課題となっていたため、「レッスンルーム」に移行することのメリットは大きいと見られる。

2019年には英語だけでなくグローバルに活躍するために必要なスキルの習得を支援するため、グローバルリーダー育成事業を開始している。パソナグループ<2168>で対面型の人材研修事業を展開するキャプラン(株)と2019年11月に業務提携を発表し、グローバルリーダー育成を支援する研修プログラムの共同開発を進めている。さらに、2021年3月には法人向け事業を分社化し、(株)プロゴスを新たに設立した。2020年6月に開発した英語スピーキング力測定システム「PROGOS」でアセスメントデータを収集し、アセスメントデータプラットフォームを起点として、グローバルリーダーに必要なスキルの多面的なアセスメントの開発も進めていく。この多面的なスキルアセスメントを基軸に、採用・育成・評価・配置まで領域を拡大させ、企業の人事機能を支援するサービスを拡充し、法人向け事業の成長加速を目指している。

2020年11月には、東証マザーズから、東証一部への市場変更を果たしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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配信元: フィスコ

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