日本乾溜工業 伊東幸夫社長インタビュー

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最新投稿日時:2021/03/30 13:30 - 「日本乾溜工業 伊東幸夫社長インタビュー」(みんかぶ株式コラム)

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日本乾溜工業 伊東幸夫社長インタビュー

100年企業を目指して! 環境にやさしく安全な社会の創造に向けてあくなき挑戦を続ける

 新型コロナウイルスの感染拡大に日本経済が揺れている。当然、九州経済も例外ではないが、そこには地元に根付き、地域経済の活性化を目指す力強い企業が多く存在している。しかし、地方証券取引所の上場銘柄は、全国的な「知名度」の低さなども加わり、投資家にとっては情報不足の感は否めない。地方には、キラリと光る多くの優良な企業息づいている。福岡証券取引所の単独上場会社の会(通称:単場会)http://fse.irnavi.minkabu.jp/にもそうした魅力溢れる銘柄がある。この単場会の企業トップが、自身の言葉でビジネスモデルや成長戦略、経営課題などを語ってくれた。昨年夏発生した九州豪雨からの復興、復旧が本格化するなか、旺盛な突破力で成長ロードを走る福証単場会の銘柄に注目したい。

1771:日本乾溜工業
代表取締役社長 伊東幸夫氏


 
 「環境にやさしく安全な社会の創造に向けてあくなき挑戦を続ける」という企業理念のもと、「建設」を柱に「防災安全」、「化学品」の3事業を展開する日本乾溜工業 <1771> [福証]は、厳しい経営環境下でも売上を伸ばし着実に企業成長を見せている。「100年企業」を目指す同社の伊東幸夫社長から、持続的成長可能性および企業価値向上戦略について話を聞いた。

【1】貴社の事業の状況について伺います。
2021年2月12日開催の取締役会において、株式会社福岡キャピタルパートナーズとの資本業務提携を決議し、100%子会社である株式会社FCP18と資本業務提携契約を締結されています。
この業務提携は貴社の事業戦略にどのようにかかわってくるのでしょうか? 具体的なお話をお願いたします。

 株式会社福岡キャピタルパートナーズは、地域経済の活性化を目標に主に地元九州の有力企業の出資により設立されたファンド運営会社で、地域特化型のファンド運営会社として設立以来、近年は九州外へも投資エリアを拡大し、業種別では製造業、ホテル・旅館業、外食業等の様々な業種に加え、土木建築業においても投資並びに成長支援・事業承継支援の実績を有しています。

 中期経営計画で生産性向上、成長分野である法面・メンテ工事への対応強化などに注力することを掲げており、計画の達成を確実にするためにも、株式会社福岡キャピタルパートナーズの地域貢献ファンドとしてのノウハウ、リソース、及びネットワーク等を活用し、当社の企業価値の向上を実現していきたいと考えております。株式会社福岡キャピタルパートナーズとの業務提携では、当社の主力である建設事業をはじめとした既存領域の更なる構築を含めた経営戦略全般の構築・実行や、M&Aを軸とした成長戦略実行支援、事業成長および経営管理体制の整備等のグループマネジメント・組織基盤の強化について支援いただく予定となっています。

【2】貴社の事業展開についてお聞きします。
コロナ禍の影響が著しい2020年9月期の貴社業績は、売上高および経常利益で増収増益を達成する上で、2020年8月にグループ会社化した株式会社ニチボーの業績寄与が要因の一つとお見受けします。
このように、貴社ビジネスの持続的成長可能性を考える上では、今後もM&A戦略を積極的に推進していくお考えでしょうか?

 2020年9月期の業績は前年に引き続き、高速道路ナンバリングに伴う標識取替やワイヤーロープ式防護柵などの大型工事、災害復旧や防災減災のための法面工事や自然景観に配慮した公園等の景観工事が増加し、コロナウィルスの影響もなく主力の建設事業が好調だったため、売上高・経常利益で増収増益を達成することができました。2020年8月に子会社化した株式会社ニチボーの影響はみなし取得日を2020年9月末としており、損益は含まれていない為、売上高等には寄与しておりません。次期の2021年9月期からは、既存の乾溜グループの営業力と株式会社ニチボーの豊富な実績と高い技術力を掛け合わせることで、シナジー効果が生まれるものと期待しています。

 中期経営計画で策定している当社グループが目指す姿を達成するために、M&Aもひとつの戦略ツールとして積極的に活用し、更なる成長加速を推進することで、生産性向上を目指してまいります。
 

▲法面工事(平榎地区)
 

▲景観工事(七ツ釜)

【3】中長期における経営戦略について伺います。
経営理念の実現に向けた具体的な数値目標やビジョンなど、お聞かせください。

 当社は、2020年10月からの3ヵ年である第84~86期について、具体的に行動を起こすための「道標」を全員で共有するために、中期経営計画を策定いたしました。

 中期経営計画では、組織改編および業務改革、人事制度の見直し等持続的成長を支える経営基盤の構築とともに既存の3事業分野の体制強化を図ってまいります。建設事業としては、コア事業として交通安全施設分野の事業基盤強化、防災・減災に向けた法面工事等分野の受注強化、橋梁・トンネル向けメンテ分野の施工体制の確立、低環境負荷性能を活かした「雑草アタック」の拡販に取り組みます。防災安全事業としては、民間向け安全衛生保護具の商圏拡大、化学品事業としては、黒崎工場の製造体制強化に取り組んでまいります。

 当社グループは80年培った防災・減災の技術と、技術に裏付けされた商品・製品サービスでお客様から最も信頼される地域No.1企業を目指すためにも、第84期から第86期の3ヵ年を「将来の成長戦加速に向けた仕込みと筋力強化のステージ」と位置づけ、第87期以降の飛躍的な成長のための準備期間とします。

 また、具体的な数値目標につきましては、計画値として地域子会社施策もあり流動的ではありますが、中期経営計画の最終年度には安定的な連結営業利益として10億円を計上できることを目指しております。
 

 
【4】経営のリスクについてお話をお願いします。
貴社のビジネス展開におけるリスクは何でしょうか? また、想定されるリスクがどのように業績に影響するとお考えでしょうか?

 当社グループの業績は、国及び地方自治体の公共投資予算が反映されます。当社が主力とする建設事業において、官公庁が発注する公共事業の予算が削減された場合や建設資材価格などの高騰により工事採算が悪化した場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。しかし、当社が提案する工法及び建設資材は、安全を創出する交通安全施設工事、防災・減災に関連する斜面崩壊防止工事や砂防堰堤整備の推進、コンクリート構造物の長期的な活用を促進する維持補修(メンテナンス)工事などです。様々な現場ごとに最も適した工法や建設資材をお客様に提案しています。

 当社も受注に向けた体制を一層強化し、売上拡大を図りたいと考えており、いわゆる新設開発型の公共事業から、維持・補修を含む当社が社会に提供する価値である「安全」「環境」等への需要に対して、積極的な取り組みを行うことで利益創出を図りたいと考えています。

 また、建設事業部門においては重大な労災事故、工事事故等が発生した場合には発注者から指名停止を受け、その後の受注活動に影響を及ぼす可能性があり、当社にとって極めて重大なリスクです。さらに、化学品工場においては原材料に可燃性の高い硫黄を取り扱っているため、発生した火災の規模によっては、その後の生産体制に影響を及ぼし兼ねません。定期的に消防訓練を行い、設備・保全管理の徹底を図り、安全管理に努めています。そのため、毎年「安全衛生管理計画」を策定し、作業所や現場周辺での安全パトロールと安全衛生教育等を実施し、事故や労働災害発生防止に努めています。

 また、その他のリスクに関しては月1回のリスク管理委員会を開催し、報告されたリスクの情報共有に努めるほか、リスク評価を行いその管理および低減に努めています。

【5】最後に、投資家に向けてお話をお願いします。
貴社では投資家に対してどのようなコミットが可能でしょうか? コーポレートガバナンスやコンプライアンス、経営理念に絡めた上でお話をいただければ幸いです。

 当社は「環境にやさしく安全な社会の創造に向けてあくなき挑戦を続ける。」を経営理念に掲げ、福岡を中心に九州各地で支店や出張所を構え、地域密着型の事業展開をすることで九州の経済の発展に貢献していきたいと考えています。地震や風水害時には地域社会を支えることができる企業であり、地域と共に成長できる企業となるために、事業を通じて『安心』『安全』の拡充を目指しています。80年培った防災・減災の技術と、技術に裏付けされた商品・製品サービスでお客様から最も信頼される地域No.1の企業を目指してまいります。

 中期経営計画の中でもお伝えしておりますが、安心・安全かつ環境にやさしい地域社会づくりへの貢献として、昨今災害が多発している環境の中で、防災・減災に向けた法面工事分野の強化、老朽化が進行する社会インフラ(橋梁・トンネル)補修工事の強化、官民に対する防災安全用品提案力の強化、人に自然環境にやさしい自然土防草材「雑草アタック」の拡充を図るとともに、株式会社FCP18との資本業務提携を通じて成長戦略の実行により当社の企業を価値の向上に取り組んでまいります。

 当社は安定的な業績を確保するとともに、株主の皆様への継続的配当を実現することで、株主の皆様からの期待に応えてまいりたいと考えています。役職員一同誠心誠意努力していく所存ですので、株主・投資家の皆様におかれましては、今後とも当社へのご指導、ご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

【自社アピール】
 当社グループは『環境にやさしく安全な社会の創造に向けてあくなき挑戦を続ける。』という経営理念のもと公共工事を主体とする交通安全施設工事、法面、景観工事の施工および各種建設工事に関連する資材の販売を行う「建設事業」を中心に、防災用品、産業安全衛生用品等の販売を行う「防災安全事業」、不溶性硫黄(ゴム加硫剤)・環境型自然土防草舗装材(製品名:雑草アタック)の製造・販売を行う「化学品事業」を行っております。

 主力の建設事業をはじめとして、工事の施工のみならず、各種建設工事に関連する資材や防災・産業安全衛生用品などの販売を行っていることが、当社の強みです。

 福岡を中心に九州各地に支店・出張所を構え、地域密着型で事業を展開しており、九州の人々の「日々の安心」を守り、そして「もしもの時」を想定して、街に安全の種を撒く。それが当社の使命だと考え、創業100周年を目指してまいります。

●資料請求・問い合わせ先
日本乾溜工業株式会社 総務人事部
〒812-0054 福岡県福岡市東区馬出1丁目11番11号
TEL:092-632-1050 FAX:092-632-1082
Email:information@kanryu.co.jp
http://www.kanryu.co.jp/

配信元: みんかぶ株式コラム

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