リスク警戒のドル買い先行も次第に落ち着く ドル円１０４円台前半＝ロンドン為替概況

リスク警戒のドル買い先行も次第に落ち着く　ドル円１０４円台前半＝ロンドン為替概況

　ロンドン市場は、リスク警戒のドル買いが先行した。前日の米株の大幅安を受けて東京、アジア株も下落。その流れを受けて欧州株も下落してのスタート。しかし、次第に米株先物が下げ渋ると欧州株も下げ幅を半減させてきている。序盤にドル買いは一服している。ただ、ＥＵとアストラゼネカのワクチン供給をめぐる問題など今後の感染拡大阻止や経済回復のペースに水を差す事象も発生しており、市場の不透明感は晴れていない。ドル円は104円台前半と、前日からの高値水準での揉み合い。ユーロドルは序盤に1.20台後半に下押しも、すぐに切り返して1.21台を回復している。１月ユーロ圏景況感が予想を上回ったことや、ユーロポンドの買いが下支えとなったようだ。ユーロ円は126円台前半で高値を広げるなどユーロは堅調。一方、ポンドや豪ドルは軟調。ポンドドルは1.3630近辺に、豪ドル/ドルは0.76台割れに安値を広げた。その後は株式の下げ渋りとともに反発しているが東京市場で付けた高値には届かず。ポンド円は142円台半ばから前半で下に往って来い。豪ドル円は79円台後半から前半へと軟化し、戻りは限定的。

　ドル円は104円台前半での取引。東京市場で104.07レベルを安値に104.30台へと高値を伸ばしたあと、ロンドン市場では高止まり状態。序盤に104.38レベルとわずかに高値を伸ばしたが、その後はフォローがみられず。ただ、下押しも104.20台までと限定的だった。欧州株や米株先物が下げており、リスク動向は安定だが、次第に下げ幅を縮小しており、ドル円の値動きも落ち着いた。

　ユーロドルは1.21近辺での取引。序盤に1.2081レベルに安値を広げた後は、上昇に転じた。取引中盤にかけては1.2117レベルまで高値を伸ばした。ユーロ円は126円台前半で底堅く推移。高値を126.35レベルに更新している。対ポンドでのユーロ買いが先行したが、足元ではその動きも一服。この日発表された１月ユーロ圏景況感指数が９１．５と事前予想８９．６を上回った。前回値は９０．４から９２．４へと大幅に上方修正された。一方、ＥＵとアストラゼネカのワクチン供給をめぐる問題など今後の感染拡大阻止や経済回復のペースに水を差す事象も発生しており、市場の不透明感は晴れていない。

　ポンドドルは1.36台後半での取引。東京市場での1.3670-80レベルでの揉み合いを下放れると、安値を1.3630レベルまで広げた。ポンド円も142.50割れから142.20近辺まで下押しされた。しかし、欧州株の下げ渋りとともに反発。1.36台後半、142円台半ばへと買い戻されている。ユーロポンドは0.8850近辺から一時0.8884レベルまで上伸したが、その後は0.8850付近へと戻す動き。

minkabu PRESS編集部 松木秀明