ソフトバンク(9434):日本証券新聞 伊藤 明

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最新投稿日時:2020/09/23 09:51 - 「ソフトバンク(9434):日本証券新聞 伊藤 明」(伊藤明)

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ソフトバンク(9434):日本証券新聞 伊藤 明

著者:伊藤明
投稿:2020/09/23 09:51

四面楚歌状態での逆張り狙い

ソフトバンク 日足一目均衡表
ソフトバンク 日足一目均衡表出所:日本証券新聞Digitalテクニカルチャート

【逆・菅関連銘柄】
「首相が携帯電話料金引き下げを指示」と報じられ急落中。通信株には厳しい局面。加えて、現在大規模な株式売り出し実施中と四面楚歌状態。

4連休明け23日は売り出し株の受け渡し日。売り出し価格1204.5円をまだ若干上回っているため、売り物が出る可能性は十分にあるが、そこが一番暗い場面。逆に、短期的なリバウンド狙いでの仕込み後期になるとみたい。

【大規模な株式売り出し】
売り出し株数は9億株強と膨大だが、もちろんその全てが売られるわけではない。約3憶株となる海外売り出し分などは、すでにかなりの部分でツナギ売りが出ているのではないか。信用売り残推移を見ると、8月21日93万株から、28日633万株、9月4日1835万株、直近開示分の11日で3816万株。なお日々開示している日証金残で、売り残に相当する貸株残を見ると、9月11日の1169万株から17日には4987万株まで急膨張している。なお、これはあくまでも信用取引分であって、海外投資家などは当然、貸株市場からも調達していると見られる。
むしろ、ツナギ売りではなく、投機で売りから入っている部分は、いったん下げ止まりの動きが出れば、買い戻しに転じてくるはず。

【新規日経平均採用銘柄】
もうすっかり忘れられている感もあるが、9月30日終値を基準に日経平均新規採用となるため、年金、投信などのパッシブ資金からは、この日に向けて2300万株程度の買い需要が発生することになる。

【好材料】
今は悪いニュースばかりだが、タイミング的には、これから注目を集めやすい。まず、前述の受渡日(23日)通過による需給不安の後退。基本的に3、9月同額配当であり、9月末割り当ての権利付き最終日が28日。30日引けが、これも前述の日経平均採用。そして10月上旬には、(9月15日の米アップル新製品発表会では見送られた)iPhone12の発表が予想されている(発売は10月下旬か)。新型iPhone発売は「通信セクターにはポジティブ」との声がアナリストからも聞かれる。

 ソフトバンクの配当利回りは急落した本日終値で6.57%。NTTドコモの4.50%、KDDIの4.20%を上回り、下支えに働きやすい。PER12.8倍にしても、KDDIの10.3倍を上回るとはいえ、NTTドコモの14.8倍より割安だ。

【レーティング】
菅ショック分がどれだけ反映されているかはともかくとして、8月下旬にはメリルリンチ日本証券が目標株価を1600円から1670円に、野村証券も1630円から1690円に引き上げている。今週に入ってからも(多分、9月16日付)、ジェフリーズ証券が1340円から1490円に引き上げてきた。

【可能性として…】
これはあくまでも思惑で、トンデモ話の類なのだろうが、昨日9月17日付日本経済新聞の「変わる孫氏の針路(下)」に、以下のような文章があった。「『楽天と統合するシナリオがあってもいい』ソフトバンクの社員の間にはこんな意見もくすぶる。携帯通信に参入した楽天とともにNTTドコモに対抗する。SBGは通信子会社を手放す代わりに、再編後に再出資する。アームを売るエヌビディアにSBGが出資するのと似た構図だ(中略)楽天と一緒になれば、アプリでも国内で圧倒的な地位を築き世界で戦える可能性が広がる」のだそうだ。これを読むと、可能性としては十分に有りとも思える。

もちろん、冒頭でも触れた通り、逆風下にあることは間違いない。それだけに、もちろん一定以上のリスクを覚悟する必要があるが、多くの個人投資家が重視する配当利回り面なども勘案すれば、ダウンサイドよりもアップサイドのポテンシャルの方が、かなり大きいのではないだろうか。先週末のように急落したところを逆張りに動くだけの価値は十分にあるのではないか。

伊藤明
株式会社日本証券新聞社 テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想

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