売られ過ぎからの反騰局面
アベノミクス相場スタート時の2012年11月以来の1100円割れの水準。
今月4日の日本経済新聞で、「新型コロナウイルスの検査試薬の大幅増産に乗り出し、月産量を従来の20倍の数十万検体分に高めた」と報じられ材料視。
【好実態】
少し前になるが、1月15日付のSMBC日興証券化学・繊維レポートは、信越化学、積水化学とともに、この株を「トップピック」とした。「超複屈折フィルムSRFやMLCC用離型フィルムの採用拡大・シェアアップ、エアバッグ事業の損失縮小を主因に、来2021年3月期に増益ペースの加速が見込める」とのこと。MLCCは、少し前に村田製作所や太陽誘電が大幅高する要因となった、積層セラミックコンデンサーのことだ。東洋紡がフィルムを手掛けていることはあまり知られていない。
来期の業績動向が焦点となりつつある。もちろん、各種の悪影響は避けられなかろうが、上記のような増益要因がある点では恵まれた立場と言ってもいいだろう。ちなみに、SMBC日興証券の目標株価は2150円だった。最近では、岩井コスモ証券も3月4日付でB+推奨のレポートを発行。目標株価を引き下げたとはいえ、1500円。
また、野村証券が9日付レポートで取り上げていたが、この株は有数の原油安メリット銘柄でもある。「来期」に楽しみの多い数少ない銘柄。
【テクニカル】
PER7倍。PBR0.5倍。配当利回りも3.5%と超割安株。
大荒れの市場に少しでも落ち着きの兆しが見られれば、真っ先に戻ってもおかしくないと考えられる。