~業界トップの食品原料を有する商社、環境ビジネスの立上げに成功~
【ポイント】
・2020年3月期の3Qを踏まえて、業績の上方修正と増配を公表した。業績はピーク利益を2年連続で更新し、配当も5円増配の45円を予定している。
・環境関連ビジネスが急速に立ち上がっている。物流倉庫などの大型施設で使われる大型シーリングファンがヒットし、利益に貢献している。3年前に米国マクロエア社の国内総代理店としてマーケティングに入ったが、展示会は好評で成約に弾みがついている。
・創業者である小口会長(CEO)の後継として、伊達社長(47歳)が2019年6月に就任した。生え抜きの若手にマネジメントが託され、次の時代に向けて世代交代が進行していこう。環境ビジネスが収益貢献を高めており、新しい展開が期待される。
・環境浄化装置(飲料食品向け排水浄化プラント)に加えて、大型施設用のHVLS(大風量低速回転)ファンが、猛暑対策や省エネに寄与することで、右肩上がりで伸長している。潜在需要も大きいので、さらなる拡大が見込めよう。
・既存分野では、主要顧客向けの取引が拡大、新しい取引先も増えており、当社の品質、デリバリーなどのワンストップマネジメントが評価されている。気候変動の影響を受けるものの、その影響は相対的に低下し、採算重視の営業で収益性が向上している。
・当社は食品原料を主力とする商社で、飲料用のビタミンC、缶コーヒーや製菓用の殺菌乳、飲料やデザート用のマンゴーピューレ・バナナピューレの取扱量で、民間企業として日本No.1である。大手商社と競合するのではなく、独自の専門性ときめ細かなサービスを特色とする提案型複合機能商社を実践している。
・新商材、人材投資、M&Aの具体化に力を入れている。業績は好調で、2021年3月期も拡大が見込めよう。目標である営業利益15億円に向けては、もう一段のレベルアップが求められるが、その路線を作りつつある。好業績と増配が期待できる安定好配当を反映して、株式市場での評価は一段と高まってこよう。
目 次
1.特色 食品原料を軸に複合機能商社を志向
2.強み ビタミンC、殺菌乳、マンゴーピューレで業界トップクラス
3.中期経営方針 海外拠点を活かし、市場創造に向けて機能を複合化
4.当面の業績 環境ビジネスの利益貢献も加わり、ピーク利益の更新が続こう
5.企業評価 引き続き安定した好配当利回りに注目
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2020年3月2日) |
1188円 |
時価総額 | 37億円 (3150千株) |
PBR | 1.25倍 |
ROE | 17.1% |
PER | 7.2倍 |
配当利回り | 3.8% |
総資産 | 11582百万円 |
純資産 | 3045百万円 |
自己資本比率 | 25.8% |
BPS | 949.7円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 税引き利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2010.3 | 24529 | 284 | 297 | 143 | 45.5 | 30.0 |
2011.3 | 25381 | 279 | 278 | 181 | 57.6 | 30.0 |
2012.3 | 26431 | 439 | 443 | 158 | 50.3 | 30.0 |
2013.3 | 27443 | 373 | 393 | 225 | 71.6 | 30.0 |
2014.3 | 27084 | 279 | 322 | 165 | 52.7 | 30.0 |
2015.3 | 27677 | 246 | 257 | 121 | 38.7 | 30.0 |
2016.3 | 27802 | 254 | 271 | 163 | 51.8 | 30.0 |
2017.3 | 28121 | 326 | 331 | 202 | 64.3 | 30.0 |
2018.3 | 31033 | 439 | 461 | 300 | 95.3 | 33.0 |
2019.3 | 31375 | 595 | 593 | 411 | 130.7 | 40.0 |
2020.3(予) | 32000 | 700 | 740 | 520 | 165.1 | 45.0 |
2021.3(予) | 33000 | 800 | 800 | 550 | 174.6 | 50.0 |
(2019.12ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。08年7月に1:300の株式分割を実施。08年3月期以前のEPS、配当は修正ベース。11年3月期より連結ベース。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/ouiru202003.pdf
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