NYコラム(30日)ダウ平均は再び下値模索へ−WHOが緊急事態宣言か
▶︎NY株式市場(30日)ダウ平均は売り直される展開−再びリスク・オフに傾く
30日のアメリカ株式市場でダウ平均は売り優勢で取引スタートへ。
WHO=世界保健機関は中国で発生した新型肺炎をめぐり緊急会議を開催している。「緊急事態宣言」を協議中だ。緊急事態が宣言されれば、加盟国による渡航制限などの水際対策が強化されることになる。
これまでに5人の感染者が確認されたアメリカでは、日本と同様に中国・武漢に滞在していた米国人約200人がチャーター機でカリフォルニア州の米軍基地に到着している。トランプ大統領は、新型肺炎への対策にあたるタスクフォースを発足させたという。
30日のアメリカ株式市場では、取引時間中に流れてくるWHOに関するヘッドラインに警戒感を持って向き合いたい。
新型肺炎の発生地に近いアジア株式市場では、香港市場や日本株が下げ止まらず、ヨーロッパ株も軟調に推移している。
グローバルマーケットは再びリスク・オフに傾いており、ダウ平均も、改めて売り直される展開となりそうだ。
前日の夕方に決算を発表したフェイスブック株が、時間外で7%安していることも、IT・ハイテク株の重しとなる。
▶︎ダウ平均は2万8500ドル台で下値抵抗力を見極め−リバウンド期待は遠のく
29日のアメリカ株式市場でダウ平均は午後に失速して取引を終えた。
29日に開かれたFOMC後の記者会見でパウエル議長が、新型肺炎や短期金融市場への資金供給を段階的に縮小する考えに言及したことから戻り売りを誘う格好で、リバウンド期待が萎んでいった。
チャート面でも、29日に直近の高安の半値戻し水準=2万8900ドル台まで一旦持ち上がったあとは急速に押し戻されている。
28日から29日までレジスタンス・ラインとなっていた25日移動平均線を抜けられずに取引を終えており、戻り売り圧力の強さを認識せざるを得ない。
30日のダウ平均は、再び下方バイアスが掛かってこよう。
27日の終値水準(2万8533ドル)≒2019年12月31日の終値(2万8538ドル)付近まで下押ししてくることを想定したい。
29日まで続いたリバウンド期待の剥らくで、2万8500ドルを持ちきれなければ、27日の日中安値(2万8440ドル)までスピード感を持って試しに行くものとみている。
30日のダウ平均は、日足で長めの陰線を引いたあと、下ヒゲを付ける形で下値の抵抗力を確認していく相場となる。
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