IMMのポジションも要チェック
■先週のドル円は米国とイランの軍事衝突懸念から地政学リスク回避の円買いが先行し一時、107.65円まで下落しました。
しかし、その後は軍事衝突につながらないとの見方が台頭し、
急反発して109.69円まで上昇、週明けのアジアタイムでは110円に乗せています。
■さて、昨年のドル円は皆さんもご存じの通りレンジの狭い一年でした・・・。
しかし、相場はいつもこのようなレンジの狭い展開が続くとは限りません。
今年はレンジ相場から脱却する材料が目白押しであり、トレンドを形成するには事欠かず、
大きなトレンドを形成するのではないかとみています。
■これは、5分足、30分足等でトレードでも同じで、停滞期間が続いたあとは、それまで方向感が
定まっていなかった為に、動けなかったものが急に動き出します。
しかも、停滞期間が長ければ長いほど、その後の動きは活発になる傾向もあります。
■今週の注目材料としては以下のものになります。
・消費者物価指数(14日)
・生産者物価指数(15日)
・NY連銀景況指数(15日)
・小売売上高(16日)
・フィラデルフィア連銀景況指数(16日)
■先週の雇用統計でも予想値を下回ったことや平均賃金の不調もこの先の見通しに陰りが出るのではないかとみています。
その意味でも上記の物価や景気指数は注目になります。
インフレ率の鈍化や個人消費の低迷が確認された場合、また、今週署名される予定の「第一弾合意」が
先送りされるような事態となれば、躊躇なくFRBによる緩和策が出される可能性は否めないと思います。
■更に、不確実性といえば、北朝鮮の動向です。
昨年末に非核化交渉期限を設け、期限切れになったことによって今年は、軍事的対応措置を警戒する向きもあります。
その意味では朝鮮半島リスクにも警戒したいです。
そしてトランプ大統領事態の弾劾裁判が上院で開始されることでも注目が集まりそうです。
■最後にドル円の戦略です。
IMM日本円のポジション状況を見ると1万2千枚の売り越しとなっているので、ポジション整理ができたようにみえます。
一方、日足チャートでは最近のレンジ上限に近づきつつあり大台の110円がみえてきた中、
本日、売りが分厚かった110円超えて推移しています。
■既に平均足改良版は日足、週足共に「陽線継続」となっている為、買い優勢となっています。
しかし、目先のオシレーターは買われ過ぎ水準に達している為、
110円ミドルレベルでは再度、戻り待ちの売り注文も増えてくる可能性があります。
■また、IMMのドル指数のポジション状況は、現在、1万2千枚の買い越しにはなっているものの、
ここ数年間みると一番少ないのは少々、気がかりです。
中期でドルが買えない理由にも今後はみていきたいと思います。
次回も宜しくお願い致します。