IMM日本円の買い越しポジションは3年ぶりに最大の水準
■先週のドル円は、23日に中国からの報復関税が表明されたこと、そしてその対抗措置としてトランプ大統領も制裁関税をさらに引き上げることを表明したことで、米中貿易戦争が再開したことを受けて、リスク回避の円買いが強まり一時、104.46円まで下落することとなりました。
しかし、その後は来月に向けた米中通商交渉開催に向けて期待感が高まったことを受けて反発し106円台に戻しました。
■さて、いつものことながらトランプ劇場に振り回される日々が続いています。
先週末の追加関税、そして中国に進出している米企業に対する撤退といった過激な発言が連発していることから相場も過度なリスク回避に動いたかと思えば、今度は中国との通商交渉再開という始末には正直、トレードしづらいのが本音です。
■いったい、どこまでが本音でどこまでがジェスチャーなのかを疑わざるを得ないのも現実です。
あれだけの暴言を吐いたトランプ大統領が、数日経てば「いままでのレベルとは違った交渉」という言葉を使うことで、一気にリスク回避が抑制され、買い戻しといった状況には、今まで以上の難しさを感じます。
■いずれにしても言えることは、米中通商交渉が成立することはないことや上記トランプ大統領の発言には来年の大統領選を踏まえたパフォーマンスであることは明白だとみています。
中国サイドからすれば、米大統領がいち早く後退することを望んでいるに違いないとみています。つまり、それほど交渉しづらいというのが本音のところです。
■しかし、そんなことを繰り返すことで、中国景気も冷え込んできているのも現実です。
特に来週は、2日(月)に発表する製造業購買担当者景気指数(PMI)に注目です。
既に境界線である50ポイントを割り込んでいることも決して軽視できない水準になってきています。その意味でもネガティブサプライズになった場合には株売りからのリスクオフもあり得るので注目したいです。
■今週ポイントにしたいのが以下の二つです。
・5日(木)8月 ISM非製造業景況指数(総合)
・6日(金)8月 非農業部門雇用者数
製造業の景気の行方、週末の雇用統計次第では、今月のFOMCにおいて予想以上の利下げもあり得るので注目したいです。
■最後にドル円のテクニカルです。
IMM日本円の大口投機玉の買い越しポジションは3年ぶりに最大の水準に達しているもののまだ、3万枚強のレベルです。
つまり買われすぎのレベルではないので、基本的には戻り売り優勢であるとみています。
イメージとしては4時間足ベースでみると105.80円レベルが抵抗になっているのであっさり抜けるようであれば追撃の売り仕掛けを想定。
105.60円を抜けるようであれば再度、安値トライがあってもおかしくなく、
上値は107円に接近すれば戻り売りのイメージです。