株式市場も総崩れ
■ここ最近の動きは・・・
ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演を控えて、狭いレンジでの取引が中心でした。
しかし、週末のハト派とみられる「適切に対応」との発言や米中対立激化を受けて一気に値を下げる展開となりました。
また、株式市場もこの対立激化を受けて総崩れになり、リスク回避の円買いが優勢となり、105円前半まで値を崩す格好となりました。
■さて、再び米中対立の激しさが増してきました。
週末の中国からの追加報復関税を発表したことを受けて、トランプ大統領も対中関税の新たな引き上げカードや米企業に対する中国からの事業撤退も要求し始めました。
事態の深刻さが深まるばかりの展開となっています。
もはや、米中問題は通商・通貨に留まらず、すべてにおいて排除し、貿易戦争状態に入ったのではないかとみています。
■となれば、この先の展開は世界的にも景気低迷は避けられず、世界的な規模でのリセッションになることは濃厚になるのではないかとみています。
そうなればまず、株式市場も総崩れになることは目に見え
週末のNYダウも一時700ドル以上の値下げとなり、節目である25,000ドルを下抜ける可能性も出てきました。
そのことを横目に日経平均株価も20,000円の大台を割り込む可能性もでてきました。
■「米中貿易戦争」→「世界的なリセッション」→「株売り」→「金融緩和・財政出動」→「金利低下」→「リスク回避」→「円買い」
といった流れになる可能性が高く、
すでに資源国や新興諸国においては利下げを行っております。
特にアルゼンチンやアフリカ諸国においてはデフォルトの可能性も高まり、世界的にも景気低迷の警鐘が鳴り始めています。
■今週以降もこの戦争状態に突入した米中問題をはじめ日本においても韓国との対立、そして日米通商協議の行方を背景にマイナス材料が秋に向けて更に色濃く出る可能性がありそうです。
そのほかの材料とすると以下のことに注目したいです。
・29日…米4-6月期実質国内総生産(GDP)
・30日…米7月個人消費支出(PCE)価格指数
上記の結果がネガティブサプライズとなった場合には、9月のFOMCで0.25%以上の利下げを織り込む可能性もあるので、ドル円にとっては下抜け材料となるので警戒したいです。
■最後にドル円のテクニカルです。
日足チャートをみれば106円後半の重さ、そして週末の大陰線となったことで、再度売り圧力が強まった印象です。
直近安値105.05円はほぼ視野に入ったことで、下抜けした場合には今年1月の安値104.55円が目標(終値ベース)になりますが、敢えて決め打ちせず積極的に戻り売り優勢の展開が続きそうです。