日経平均株価は12月までの間のどこかで最低でも24000円をつけることが想定できるだろう
先週の日経平均株価の上昇は、「機械」「自動車」といった通商関連産業がけん引した。つまり、22000円の壁を突破したのは、米中通商交渉と日米物品貿易交渉への楽観によるものということができる。そして、この楽観はまだ当面は続くだろう。週末には調整が入る可能性があるが、引き続き、相場は強く、日経平均株価は24000円に向かう途上にあると考えることができる。
今回の上昇は、昨年12月に始まった中期的な上昇波動の中にある。ここ数年間の上昇波動はほぼ1年間の周期にあり、そのリズムが守られるなら、上昇は今年12月まで続くことになる。22000円という強いコンセンサスにあった節目を抜けた今、日経平均株価は12月までの間のどこかで最低でも24000円をつけることが想定できるだろう。
■3月決算銘柄の保守的な見通し
東京市場は10連休に入る直前にあるが、その間にも世界情勢は妥協にむけて進展するだろう、という見通しが、この強さの背景にある。一方、連休明けには3月決算銘柄の決算発表のピークが来るが、各社の今期業績見通しは、保守的な数値に留まると予想できる。それが、日経平均の上値を限定する可能性はあるが、数値が保守的である根拠は、為替への警戒感であり、直接的には日米間の貿易摩擦への警戒感だ。世界的な景気減速もまた同じ議論の延長線上にある。つまり、米中通商摩擦と英国のEU離脱問題が世界経済の減速の背景にある、という認識が、投資家の間に一般的である、ということができる。つまり、株式市場のパフォーマンスは、やはり米中、日米の貿易問題と英国問題に収斂している。
■ねらい目は週末から5月半ばか
多くの投資家はボックス相場の上限を22000円と置いていたようだが、先週、株価は22000超の水準で推移し、その前提は崩れた。しかし、連休前の週末と、連休明けの決算発表ピークは、市場全体に調整の機会を与える可能性がある。G20が近付くにつれ、国際政治は調整に向け動きだすとすると、その短い調整の期間が、株の仕入れ時だ、ということになる。連休前の仕入れはリスクを伴うが、当たれば大きいのは、リスクを伴った時期であるのは言うまでもない。