エスプール Research Memo(3):2018年11月期業績は期初計画を上回る大幅増収増益を達成

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最新投稿日時:2019/02/19 15:03 - 「エスプール Research Memo(3):2018年11月期業績は期初計画を上回る大幅増収増益を達成」(フィスコ)

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エスプール Research Memo(3):2018年11月期業績は期初計画を上回る大幅増収増益を達成

配信元:フィスコ
投稿:2019/02/19 15:03
■業績動向

1. 2018年11月期の業績概要
エスプール<2471>の2018年11月期の連結業績は、売上高で前期比26.5%増の14,797百万円、営業利益で同45.9%増の983百万円、経常利益で同46.5%増の1,007百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同46.3%増の619百万円となり、3期連続で過去最高業績を更新、期初計画比でもすべての項目で上回る好決算となった。売上高は主力事業の人材アウトソーシングサービスと障がい者雇用支援サービスがいずれも2ケタ増収と好調に推移し、営業利益もこれら2事業が大幅増益となり、本社費用増やその他事業の減益を吸収して2ケタ増益を達成した。

売上総利益率は前期比0.5ポイント低下の27.2%となったが、これは相対的に利益率の低い人材ソリューション事業の売上構成比が前期の65.9%から70.1%に上昇したことが要因だ。一方、販売費及び一般管理費は人件費を中心とした本社費用の増加により前期比18.5%増となったものの、増収効果によって売上高販管費率は前期の21.9%から20.5%に低下した。この結果、営業利益率は前期比0.8ポイント上昇の6.6%と過去最高水準を更新した。

なお、当期の基本方針として「安定した収益基盤の構築」「新たな収益機会の獲得」「多様な働き方と生産性向上の実現」の3つを掲げていたが、このうち「安定した収益基盤の構築」に関しては、主力2事業(人材アウトソーシングサービス、障がい者雇用支援サービス)が順調に拡大し、とりわけ障がい者雇用支援サービスについては、ストック収益の拡大により収益基盤の強化が一段と進んだ格好となっている。また、「多様な働き方と生産性向上の実現」に関しては、専門部署を設立しIT活用による業務効率化(ペーパーレス化等)を進めている段階で、本格的に効果が顕在化するのは2019年11月期以降になると見ている。一方、「新たな収益機会の獲得」では、ロジスティクスアウトソーシングや採用支援サービスに注力したものの、両サービスともに損益面で赤字となるなど、運営面で課題を残した格好となっている。


障がい者雇用支援サービスは新たに5農園を開設し、合計13農園で1,020人の障がい者雇用を創出
2. 事業セグメント別動向
(1) ビジネスソリューション事業
ビジネスソリューション事業の売上高は前期比12.1%増の4,482百万円、営業利益は同20.2%増の874百万円となった。売上高は6期連続増収、営業利益は4期連続の増益となり過去最高を更新した。

a) 障がい者雇用支援サービス
障がい者雇用支援サービスは売上高が前期比52.1%増の1,985百万円、営業利益が同62%増の1,005百万円増と大幅増収増益となり、同事業セグメントのけん引役となった。旺盛な需要に対応するため、当期は新たに5農園(千葉4ヶ所、愛知1ヶ所)を新設し、既存農園の増設分も含めて販売区画数は前期比212区画増の702区画(計画500区画)となり、農園設備販売、農園管理収入、その他(人材紹介料等)の大幅増収につながった。売上高の内訳は、農園設備販売が前期比42.9%増の1,053百万円、農園管理収入が同87.2%増の730百万円、その他が同13.5%増の202百万円となった。また、期末の農園数は13農園、契約企業数は186社(前期末比50社増)、管理区画数は2,039区画、障がい者雇用数は1,020名(前期末比352名増)となっている。

b) ロジスティクスアウトソーシング
ロジスティクスアウトソーシングの売上高は前期比23.4%増の1,462百万円、営業損失は92百万円(前期は29百万円の利益)となった。低採算の物流センター運営代行サービスに関しては受注を手控えたことで前期比10.2%減の193百万円と減少したものの、EC事業者向け発送代行サービスが同31.3%増の1,274百万円と大幅増収となったことで、事業全体では2期連続の増収となった。ただ、利益面では低採算顧客の増加による収益力低下、低採算顧客との取引条件見直しを実施したことによる売上減少、物流センター閉鎖(葛西物流センター)に伴う費用計上、新サービス(越境EC支援サービス)の中止等が減益要因となった。なお越境EC支援サービスについては、アマゾンジャパン(同)が同様のサービスを開始したこともあって現在は行っていない。

c) 採用支援サービス
採用支援サービスの売上高は前期比68%増の304百万円、営業損失は44百万円(前期は26百万円の損失)となった。顧客数が前期末の28社から55社に拡大し、売上高は順調に増加したものの、小規模のトライアル案件が多く、地方コールセンターを2拠点開設(宮崎、徳島)したものの、これら拠点での稼働率が低かったことなどが減益要因となった。同サービスは新規顧客の立ち上げ時に東京(秋葉原)で業務設計とコールセンター対応を行い、一定規模まで業務量が拡大した後に地方のコールセンター(北海道、宮崎、徳島)で運用するプロセスとなっていたが、秋葉原でのコールセンター業務が集中したことによる人件費の増加が収益悪化要因となった。

d) その他サービス
セールスサポートサービスは、マーチャンダイジング業務の減少により売上高で前期比4.8%減の532百万円、営業利益で同7%減の40百万円と減収減益となった。また、プロフェショナル人材バンクサービスは、売上高で前期比3.7%増の195百万円、営業利益でほぼ前期並みの40百万円となった。なお、スマートメーターの交換・設置業務は2017年11月期末で終了しており、2018年11月期は売上高で590百万円、営業利益で50百万円の減収減益要因となっている。

(2) 人材ソリューション事業
人材ソリューション事業の売上高は前期比34.4%増の10,382百万円、営業利益は同47.6%増の1,004百万円と2ケタ増収増益となり、過去最高業績を連続更新した。売上高の内訳を見ると、コールセンター業務は主要顧客における取引シェア拡大により、前期比36%増の7,663百万円と大幅増収となった。また、店頭販売支援業務についても、家電量販店向けの受注拡大等により同28%増の2,245百万円と2ケタ増収となっている。

コールセンター業務の顧客内取引シェアが拡大している要因として、同社が2015年以降注力しているグループ型派遣が浸透してきていることが挙げられる。グループ型派遣とは、派遣スタッフ複数名と同時に派遣現場に常駐社員を配置する派遣形態のことで、現場での派遣スタッフの教育・サポートを行うことで派遣スタッフの即戦力化、定着率向上と同時にサービス品質の向上につながるといった効果が期待できる。また、未経験者の採用も可能となるため、従来よりも派遣スタッフの募集も容易となり、募集費用が抑制できるといった効果も2018年11月期には出ており、利益率の向上につながっている。


収益拡大により財務基盤の強化が進む
3. 財務状況と経営指標
2018年11月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,308百万円増加の5,801百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では農園の設備投資増により現預金が152百万円減少した一方で、売上増加に伴って売上債権が528百万円増加した。また、固定資産では既存農園の増設と新たな農園の建設が進んだことにより、有形固定資産が811百万円増加したほか、人材ソリューション事業の拠点新設や子会社本社の移転拡大等により、敷金及び保証金が61百万円増加した。

負債合計は前期末比750百万円増加の3,769百万円となった。主な増減要因を見ると、業容の拡大に伴って未払給与を中心とした未払費用が195百万円増加したほか、未払金が174百万円、未払法人税等が131百万円、未払消費税等が53百万円それぞれ増加した。また、運転資金の増加等により有利子負債も58百万円増加した。純資産は前期末比559百万円増加の2,032百万円となった。配当金支出56百万円があったが、親会社株主に帰属する当期純利益619百万円の計上により利益剰余金が増加した。

経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は前期末の32.5%から34.9%に、有利子負債比率は同78.5%から59.4%となるなど、収益の拡大に伴っていずれも改善傾向が続いている。また、収益性についてもROAが前期比2.9ポイント上昇の19.6%、ROEが同1.6ポイント上昇の35.6%、売上高営業利益率が同0.8ポイント上昇の6.6%といずれも向上しており、ROAと売上高営業利益率に関しては連続で過去最高水準を更新している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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