【アラーム分析ランキング】
例年通り、有価証券報告書に記載された財務諸表をアラーム管理システムにて分析した結果を公表致します。
【『格付速報』を知っていますか?】
11年前、『会社四季報』『日経会社情報』とは違うジャンルの“上場企業の分析情報”を提供するという意気込みで、日本証券新聞社のご協力頂き、『格付速報』が出版されていました。
2004年から2006年12月までの販売ではあったが、一部の投資家や企業審査の方には評判となり、今でも再開を期待する根強いファンがいます。
とにかく辛口な分析が評判でした。
当時は、「何でこんなに点数が低いんだ!」、「競合のA社より点数が低いのは何でなんだ!」
「あと1点で100点となるが、どうすれば点数が上がるのか?」などの多数のお問い合わせやご意見を頂き、『格付速報』の担当者が苦労していたのをよく目にしました。
今回の分析結果は、『格付速報(2017年度版)-下位48社と100点企業特集-』と言っても差し支えない代物です。ご参照ください。
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<アラーム管理システムとは>
2期分以上の財務諸表(BS、PL、脚注)から、企業を100点満点で評価。
40点以下を「資金繰りの破綻リスクが高い」と評価する。
詳細については、下記URLをご参照ください。
http://alox.jp/sevices/alarm/
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【下位48社と100点企業】
下位48社と100点企業の全データは、下記の認証サイトからダウンロードができます。
ユーザー名とパスワードを入力してご参照ください。
<認証サイト>
http://alox.jp/contact/mail_authentication.html
【ユーザー名】alox
【パスワード】2016
【データについて】
<データ件数> 3502社
<データ作成方法>
EDINETから入手した財務情報をアラーム管理システムにて分析して作成
<データ抽出条件>
(1)最新決算年月が2017年2月から2018年1月までのデータ
(2)連続した決算書は3期分以上
(3)連結と単独の決算が両方ある場合は、連結を優先
(4)アラームの分析対象外業種(銀行、生損保、証券)は除く
※ 毎年の掲載企業数が違うのは、同率ランクの企業数等の影響で、キリの良い数字の抽出が難しいためです。
今年は、キリの良い数字ではありませんが、48社とさせて頂きました。
【昨年との比較】
2018年配信 40点以下:184社 100点:10社
2017年配信 40点以下:177社 100点:11社
2016年配信 40点以下:169社 100点:8社
100点満点企業の数は、それほど変化していない。
40点以下の企業が徐々に増えている。
新規上場の企業が増えているのも一因だが、財務余力の低い上場企業が増えているのは間違いない。
【下位48社の傾向】
48社中、27社は赤字が常態化※している。
48社中、昨年もランクインしたのは、24社。
48社中、16社が創薬やバイオ系の企業。
48社中、2社が上場廃止となった。
創薬系で顕著だが、毎年ランクインする常連企業が増えてきた。
また、3期連続赤字企業の数も半数以上に達している。
それらの企業は、本業で現金を創出することはできないが、外部からの資金調達の能力に長けている。
大した話ではないのだが、赤字が常態化している企業の中には、当期純損失とのみ勘定科目を記載し、正の数値(例えば-5000ではなく、5000)と記入されているので、一瞬だが黒字と勘違いすることもあった。
常に、赤字(当期純損失)が当たり前となっており、それを前提として決算書を作成しているので、極めて違和感がある。
その他、業態変更、事業領域の拡大、内部統制の不備、別会社の傘下入り、投資先行企業など、点数に見合った企業属性を具備しており、これはいつも通りの傾向だ。
※
3期連続赤字の会社を「赤字の常態化」と定義。
【総括】
昨年の上場企業の倒産は2件である。
今年は、1件(日本海洋掘削)の倒産が発生し、倒産には該当しないが、田淵電機が事業再生ADR※を申請した。
創薬系の上場企業を除けば、赤字が状態化している企業は、何らかのテコ入れが必要となる。
それが合法的な手段であれば問題ないが、粉飾に手を染める企業もあるかもしれない。
「監査法人の交代」、「適時開示遅れ」、「社名変更」は、粉飾を行っている企業の属性であり、これらを踏まえて取引先を見ると要管理先企業が増えるかもしれない。
間違っても、「上場企業という理由」で、「緩やか企業評価をすること」は危険だ。
昨今の上場企業の粉飾や検査データの不正を思い起こせば、実例を挙げる必要はない。
※
事業再生ADRとは
経営危機に至った企業が、民事再生法や会社更生法の申し立てによる法的手続きに替え、中立な第三者機関であるADR事業者の手によって、債権者・債務者間の話し合いをもとに自主的な整理手続きによって問題解決を図ること。
(参照資料:コトバンク『事業再生ADR』)
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