雇用統計よりも貿易問題行方が焦点
今晩は雇用統計が予定されているが、仮に強気の数字となっても、世界的な貿易戦争懸念が払拭されない限り、雲の上限を抜くような上昇には繋がりにくいか?
トランプ大統領は、今週のパブリックコメント期間終了後、2000億ドル規模の中国製品に対する追加関税を発動させる意向を示しており、実際に発動されれば、ドル円の上値は抑えられやすいだろう。
また、週末からは政治イベントが相次ぐ。9日(日)には北朝鮮の建国記念日(70周年)、11日(火)~13日(木)には、東方経済フォーラム(ウラジオストック)、18日(火)~20日(木)には、南北首脳会談(平壌)が予定されており、米中貿易問題と北朝鮮問題は、表裏一体の側面もあり、雇用統計の結果だけでは動き難いだろう。9月下旬には、日米の貿易協議も再開される予定だ。
一目均衡表では再来週あたりに雲のねじれが控えると同時に、雲の厚みが薄くなる時間帯に向かう。変化が起こりやすいと共に、ダマシも出やすい地合いとなる。9月の米利上げ確率は高いままだが、FOMCで「知ったら終い」シナリオも想定される。貿易問題が劇的に好転しない限り、下値リスクの方が高いと考える。