日足チャート分析
【見通し】 「バンドウォーク崩れ」→「111.61円」付近までの下押しの可能性も
19日の米CNBCによるインタビューにおいて、トランプ大統領が「FRBの利上げに対し満足に感じていない」と答え、米金融当局による利上げスタンスを批判したこと、また「強いドルは米国を不利な立場に導く」との立場を取ったこともあり、本稿執筆時点(7/20)では米ドルが主要通貨に対して弱含む動きとなっています。
上図チャートでは、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方に位置していること、そして3) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインおよび青色の雲(=サポート帯)の上方に位置していることから、引き続き上昇トレンドを示すチャート形状となっていることが分かります。
その一方で、足もとにおけるトレンド変化を示唆するメルクマールが2点視認できます。
まず1点目は、パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)の動向。SARは19日時点でローソク足の上方で点灯する「売りサイン」に転換しており、6月12日に当該メルクマールが「買いサイン」に転換して以来の変化となり、「上昇一服」のシグナルと捉えて良さそうです。
そして2点目は、SSTC(スローストキャスティクス)の動向。20日時点では、SSを構成する2本の線が、「買われ過ぎ」を示す80%ライン付近で交差し、その後右肩下がり形状になりつつある(上図黄色丸印)ことから、これからの時間において80%ライン割れを示現する、いわゆる“デッド・クロス”となった場合は、もう一段の下押しの可能性も。
足もとの注目ポイントは、ローソク足がBB・+1σライン(≒112.24円、上図黄色矢印)でサポートされるか否か。仮に、終値レベルで同ライン割れとなった場合は、先行1スパン(≒111.61円)付近までの下押しを考慮した方がよさそうです。