独立記念日に向けて波乱含み
29日には、米国のインフレターゲットの対象でありFOMCでも物価を見る指標とされているPCEデフレータが発表される。事前予想は前年比2.2%と前回の2.0%から上昇。コア前年比は1.9%、前回(1.8%)から上昇と、強めの数字が見込まれており、年内4回というFOMCで示された利上げペースが意識され、ドルの下値を支える可能性がある一方、NYダウが嫌気する可能性には注意したい。欧州や新興国と比べて強気のマクロ経済指標が目立つ米国経済も、景気サイクルからの頭打ち感は懸念要因だ。
6月22日のOPEC総会での協調減産縮小にも関わらず、原油価格は大幅続伸しており、インフレ懸念の高まりと、株価下落リスクの狭間で、今後のFRBの舵取りは困難になっていくだろう。中東情勢はイスラエルが関わることで米国にとって内政問題とも言え、イランに対しての制裁再開猶予期間の第一弾(8月6日)にかけて強硬姿勢を取ると見られ、中東の地政学リスクの高まりは更なる原油価格上昇を招きかねない。
ドル円は、心理的節目110円を挟んでの保合い放れ待ち。NY株価の崩れは、ドル売り要因だが、ユーロが難民対策を巡るドイツ政権内の亀裂拡大を嫌気しており、ユーロドル1.1500ドルを割り込めば、テクニカル的な動きが加速する可能性もあるだろう。
さらに、上海総合指数が3000の心理的節目を割り込んで以降も続落しており、2016年1月安値を割り込んでくると、テクニカル的な売りがかさむ可能性も懸念される。
本日の満月~7月4日の独立記念日前後に向けて、テクニカルポイントのブレイク絡みで、各市場の変動が高まるリスクには注意したい。