注目銘柄レポート 【3758】アエリア

東証JQS　3758　アエリア
時価総額　96億円
単位　　　100 株

想定株価　1470円～1550円（短期）
　　　　　2400円～2800円（中期）

　ハイリスクハイリターンのオンラインゲーム事業と、手堅い実績があるITサービス事業（クラウド、電子出版など）の2本が柱。この双方のビジネス強化のため、今期、M&Aを推進し、柱となる事業を確立させた。今回、3Ｑ決算の発表に合わせ、グループとしての経営戦略を策定し、来期以降の経営戦略の輪郭を提示した。

１．グループ経営戦略の策定を発表

同社は、12日、グループ戦略の策定を発表し、基本戦略として、以下の3つを挙げている。

① ITサービス事業で収益基盤の安定を図り、オンラインコンテンツ事業と両輪でのポートフォリオを構築し、利益体質の企業グループを目指す
② 将来的に持ち株会社化を視野に入れ、グループ経営効率化を目指す。
③ 事業拡大を目的としたM&A及び提携の検討実施

　上記の3点で、印象として重要なことは、①で「利益体質の企業グループ」という文言を入れた事だ。
　
　オンラインゲームなど、IT系企業の経営陣の多くは、「機が来れば大きな利益が自ずと出るのだから、それまで投資と開発をし続ける」という態度を見せる。これは、自社の技術力や開発力に自信がある企業であるほどそういった態度になりやすい。同社も、しばらく赤字に沈んでいるが、今期に入り、早期に安定した利益を出す体制を作る、という意思が見られるようになっている。このことは、実は大きな転換であり、黒字化する自信が見えてきたからこそ言えることだろう。

２．グループ構成

　アエリアグループの構成は、以下の図の通りだ。今回の戦略説明図では、各社の実績が数値で表されている。

　この数値を見る限り、実績数値から見たグループの実力は、以下の様な数値となる。

売上　　　39億円（オンライン12億　IT　27億）
営業利益　▼2.2億円

　今期は、新規連結子会社の連結期間が限られるため、この通りの数値にはならないが、基本的な実力は、上記数値だろう。

　ただし、オンラインの4社（アエリア含む）は何かがヒットすれば、数値の変動幅は大きい。

３．今後の中期的見通し

　中期的な見通しについて、同社は具体的な数値を発表していない。
しかし、戦略的な方向性などから考え、ポイントは以下の点だ。

① ITサービス部門で、「読める利益」がどれだけ増えるか
② オンラインの赤字を、IT部門の利益に相対する形で管理できるか
③ オンラインで、女性向けのコンテンツ収益を伸ばすことに成功するか

　上記①、ITサービス部門については、好調なファーストペンギン（旧インフォトップ）で、さらに決済代行システムの提供を行いつつあり、ITサービス事業の強化は、続くものと思われる。したがって、グループに占めるITサービス売り上げの比率は、現状よりもさらに上がる可能性が高い。2年後には、70％から80％を占めるようになるのではないだろうか。

2016年までの事業構成変化

　上記②は、純粋に経営管理の問題であり、企業としての方針の問題でもある。しかし、基本戦略で述べているように、利益体質を目指す、ということはすなわち、オンライン事業のコストコントロールを意味する可能性がある。

　上記③については、現在リベルで進行中の「アイチュウ」の状況と、新規連結の「アスガルド」に期待をしたい。この2つで、期待以上の収益が出れば、黒字化は容易になる。

現状では、前回予想した通りの数値を再度、確認しておく。

中期業績実績・予想（当社予想）　単位1000円

① テクニカル

一目均衡表とRSI

同社チャートは、他の小型株同様、大型株中心の相場展開に置いて行かれている。ただし、緩やかな底打ちと、下値の切り上げは見られる。大きなニュースがなければ、一目均衡表の雲の下限に沿って動いた後、雲が薄くなったタイミングで、1500円程度へまずは浮上するだろう。
想定株価まではまだ遠いが、小型株に資金が回ってくる全体の相場展開が待たれるところだ。

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