注意イベントが相次ぐリスク
例年、4月新年度は、ドル高・NY株高の季節傾向が確認される時間帯。テクニカル面からは、転換線を下値支持として、V=108.2円、E=108.5円などが上値ターゲットとしてカウントできる。
ファンダメンタルズからは、今後、本格化する米決算が強気であれば、追加利上げ観測の高まりと共に、ドル買いの勢いが増す可能性がある一方、地政学リスクも貿易問題も終結した訳ではなく、早ければ週末にも発表される米国半期為替報告、来週の日米首脳会談で通商問題がクローズアップされると、円高圧力が高まるだろう。米国が貿易問題で日本にも厳しい姿勢を示すなら、テクニカル面から買われた高値が売り場になる可能性もある。内憂で支持率が落ちる中、外交で挽回したい安倍首相を、トランプ大統領がバックアップするのか、突き放すのかが、まずは注目。ここでもトランプ大統領次第で、大幅続伸も、急反落もあり得る地合いだ。
地政学リスクからは、シリア攻撃がピンポイントかつ短時間で終息すれば、「知ったら終い」で、ドル売り圧力後退と共に、テクニカル買いの後押しとなるかもしれないが、5月に控えるイラン核合意見直しや、イスラエルの米大使館エルサレム移転などに伴う「サウジVSイラン」、「イスラエルVSイラン」「米国VSロシア」などの対立構図が、それぞれ激化する可能性を考慮すると、ドル円は雲の中へ突入したものの、雲の上方へ飛び出すには、まだまだ日柄と新たな材料が必要であろう。