NYダウの200日移動平均線の攻防が焦点
この10年間のドル円を振り返って見ると、4月は3月からのトレンド転換傾向が確認される。3月に材料視された「地政学リスク」や「貿易戦争問題」が一服するなら、ドル買いの動きも想定される。
中国政府は4日、25%の追加関税を準備する米国産の大豆、牛肉、自動車、飛行機など計106品目を発表。米国が中国の産業機械など1300品目に25%の関税をかける方針を決めたことへの報復措置だが、当面はこれ以上の報復合戦は避けられると思われ、株式やドルに関しての弱気材料が短期的には織り込まれ、一巡する可能性もある。
また、過去の季節傾向では、4月のNY株式市場の陽線確率は高く、リスクオンになりやすい。目先は、NYダウが終値ベースで200日移動平均線を維持できるか否かが焦点だ。米雇用統計を受けた追加利上げ観測が高まるのか否か?、それに対するNYダウの反応が注目。特に雇用統計が強気になった場合でも、200日移動平均線を維持するなら、ドル円は、2017年11月高値を起点とした下降チャネル上限と重なる一目均衡表の雲の攻防戦に移行するだろう。同水準を上抜いてくると、パターン分析からは逆三尊も意識され、トレンドフォロー型資金は、買い乗せしやすくなる。
週が明けると、清明節で休んでいた中国勢も市場に戻ってくる。新年度のニューマネーと言う話も出てくるようだと、4月中旬の新月辺りまではリスクオンとなるかもしれない。
それでも、日米首脳会談で通商問題が取り上げられる可能性や、5月にかけて控える中東リスクなどを考慮すると、株・ドルの戻り高値は、それほど大きくならないと見る。